ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

ゲーム遍歴

数多くのゲームをプレイした経験のある人ほど、新規のゲームを始める際に飲み込みが早いということがしばしばあります。これは、ゲームには進行する上でいくつかのセオリーがあり、異なるゲームであってもそれぞれ応用の利く部分があるためだと思っています。例えば、RPGであれば、序盤といえどある程度レベリングしなければ途中でつまずいてしまうことが多いといったものです。

ハースストーンをプレイする上で、プレイ経験が活きたと感じるゲームについて、振り返りながらまとめてみたいと思います。

ちなみに、今カードゲームに役立つ経験値を他ジャンルのゲームから手軽に吸収するには、ソーシャルゲーム無課金で攻略していくのがおすすめです。無課金攻略で必要になる限られた資源(スタミナや課金石)をいかに効率よくゲーム内ステータスに割り振るかといったスキルが、カードゲームで必要になるリソース管理の感覚に似ているためです。損得に敏感になるだけで、カードゲームでの戦い方の基本は抑えたといっても過言ではありません。

 

 

デジタルモンスターカードゲーム

私が最初に触れたカードゲームです。コレクションの楽しさを覚えました。

当時、カードを「スラッシュ」して読み込ませる要素のある、「ディーアーク」という携帯ゲーム機がありました。このゲーム機のために、多くのカードを所持していた方が有利に進めることができると思っていたためかなりの枚数カードを集めました。

実際には、スラッシュさせる前に入力するコードが正しければ、使用するカード自体はなんでもよかったようです。気づいてからは徐々に購入を控えるようになっていきました。

今改めて調べてみるとなかなか面白そうなゲームでしたが、当時は理解が難しくカードゲームとしてプレイしたことは一度もありませんでした。好きだったカードはデュークモンクリムゾンモードです。

 

金色のガッシュベル!! THE CARD BATTLE

カードゲームに魅力を感じたというよりは、このゲームに使われる「魔本」がかっこよかったためにコレクションしていました。

多くのカードゲームでは、ゲーム前にシャッフルされたデッキを山札とし、毎ターンドローするカードのランダム性に合わせてリアルタイムで戦略を立てていくというシステムになっています。

しかし、このカードゲームは上述した「魔本」という本型のカードホルダーに用意したカードを山札とし、意図した順でカードを使用することができるといったシステムが採用されていました。本をめくる枚数は相手も干渉できるため、必ずしも使用したいカードを「ドロー」できるわけではありませんが、このシステムはとても斬新で、戦略的に他のカードゲームとの差別化に成功していたように思います。

近所の公園のお兄ちゃん達と興じていましたが、例に漏れずお兄ちゃん達にレアカードを搾り取られてしまい、コレクターの私は萎えてフェードアウトしてしまいました。

虹色の魔本が一番好きでした。

 

ポケモンカードゲーム

このカードゲームでは、RNG要素としてコイントスが行われます。コイントスを練習していた私は、各種硬貨で遊ぶのは行儀が悪いと思い(硬貨がしっくり来なかった)、ポケモンカードの専用コインを使えば上達するに違いないと思い購入していました。

コレクションもゲームプレイもそこそこにやめてしまったので、最も熱の入っていなかったカードゲームかもしれません。おそらく集めていた時期がデジモンと近く、ルールを理解できるだけの知能を持っていなかったためだと思います。近年またブームが来ているのを見て、しっかり触っておけばよかったと後悔しています。

好きなカードはジュプトルでした。

 

デュエルマスターズ

私が初めてカードゲームにきちんと触れたタイトルです。学校で一定数のプレイヤーがいたため、対戦相手には困りませんでした。既に教訓を得ていたので、絶対に公園には持ち込みませんでした。

火,水,自然,光,闇の5色が「文明」としてカードに割り当てられ、それぞれの持つ特徴を考慮して単色あるいは複数の文明を混合してデッキが組まれます。

デッキは40枚、同名カードは4枚まで組み込むことができます。「シールド」と手札をそれぞれ5枚ずつ用意し、30枚の山札を使って対戦します。

カードゲームでは、速攻などのコンセプトや、コンボを軸としたテンプレデッキがあり、そのテンプレに必要なカードをカードショップで1枚ずつ買い集めるというのが効率的なカードの集め方のようです。しかし、私は大会に出るでもないカジュアルプレイヤーでしたし、財力もなかったため、パックから出たレアカードを軸に強そうなカードをかき集めてデッキを組んでいました。デッキ構築のおもしろさをここで知りました。

かなりの期間熱狂していましたが、あるときを境に、増え続けるギミックについていけなくなりぱたっとやめてしまいました。飽きが来たのだと思います。

好きなカードは挙げきれませんが、敢えて挙げるとするならば龍炎鳳エターナル・フェニックスです。このカードだけはヤフーオークションで単品購入しました。

 

ロックマンエグゼシリーズ

RPGで、1から6までシリーズが続いた作品です。4から6を一心不乱にやり込みました。

対戦では、ロックマンにスキルを使用させるために「フォルダ」(デッキ)に「バトルチップ」(カード)を30枚設定し、毎ターン開始時に最大5枚ロックマンに転送するというシステムが用意されていました。このフォルダシステムがカードゲームのデッキ構築と似ており、奥が深くかなりのめり込みました。

レアリティに依存しますが、同名チップは基本的に3枚まで同時編成できます。

バトルチップにはそれぞれ、A~Z,*のコードが割り振られており、ターン開始時に複数バトルチップを転送する場合は、全て同名のチップ、あるいは異種だが全て同一のコードを持つチップであることの条件がありました。*はどのコードにもなり得る万能コードです。

ゲームの性質上コードをそろえてフォルダを回転させた方が有利に進められるため、コードは2~3種類に統一しておくのが一般的でした。当然ながらコード間にはパワー的に優劣がありましたが、パワー差を覆すようなコンボを含むコードも存在したため、チップの特性を研究し新たな可能性を探るのが非常に楽しかったのです。さながらメタの研究のようでした。

デュエルマスターズで構築については若干知識があったため、なおさら楽しむことができました。近所では敵なしといったところまで腕を上げることに成功しました。

4から6までのシリーズの中では、難易度的に6が一番簡単でしたが、私は6が一番好きでした。バトルシステムも完成度が高く、シナリオもよくできていたためです。

好きなチップは「エレキソード」でした。

 

シャドウバース

おそらく国内では最大のシェア数を誇るDTCGです。PC版が出たタイミングで参入しました。

大まかなルールはハースストーンと大きな差がなかったため、非常に受け入れやすかったです。

差別点は、「進化」システムがある点、ライフの最大値が20である点、盤面の最大展開数が5である点でしょうか。

進化とは、「EP」というポイントを消費して行うことのできるフォロワー(ミニオン)強化の手段です。進化させたフォロワーは基本的にスタッツが+2+2され、急襲を得ます。フォロワーによっては進化時に発動する能力が与えられている場合もあります。例えば、進化時任意のフォロワーに3ダメージを与える、といったものです。この進化時効果に加え、後攻は先攻よりも1ターン早く進化可能ターンが回ってくることや、EPが1多いことが、ゲームの奥深さを増しているように思います。

ライフの最大値、盤面の展開可能数がどちらも控えめであるのは、スマホユーザーをメインターゲットとしたDTCGであったため、手軽さを追求した結果であると思います。マナレシオはハースストーンの感覚と大きな差がないため、非常にゲーム展開がスピーディです。

現在の調整はわかりませんが、以前はドロー以外のRNGを極力排除することを意識していたようで、ゲームの結果はよりデッキ相性、先攻後攻に左右されやすい状態でした。

デッキは40枚で、同名カードは全て3枚まで編成できます。最高レアリティカードも3枚ずつ入れられるので、コンプリートを目指すとなるとかなりの費用がかかります。反面、パック等の配布量がとてつもなく多いので、新規アカウントを作ってもデッキを用意することは容易いです。

好きなデッキはDRK環境のテンポエルフ、好きなカードはエルフナイト・シンシアです。

 

ドラゴンクエストライバルズ

こちらも国内で大人気のDTCGです。3x2の奥行きある盤面が特徴的です。

HSのヒーローパワーの代わりに、1マナ使用してテンションをためるコマンドがあり、3ゲージ分ためるとリーダー(ヒーロー)固有の能力を使用することができるシステムになっています。

なぜかこのゲームはやり込む前に撤退してしまったので、ランク戦は一度も触れませんでした。資産を稼ぐ目的でやっていた闘技場でゲームの雰囲気を味わったことになります。

闘技場のピックのシステムが独特で、5ピックごとにスライムの部屋、ファッティの部屋など、カードの特徴を選ぶことができました。ある程度ピックに出るカードも指定することができるので、より自分の意志をピックに反映させることができる点でいいシステムでした。

好きなカードはりゅうおうです。

 

各種ソーシャルゲーム

話題についていける程度に幅広いタイトルを触っていました。

ほとんど無課金でプレイしていたので、冒頭で述べたようにリソースの管理能力が磨かれたと思います。

ただし、多くのゲームがハースストーンプレイ後に触ったものなので、どちらかというとハースストーンでの経験がソシャゲのプレイに活きた形になります。

負け筋のケア

海外有名プレイヤーThijsのプレイ録画から、ある1戦を紹介したいと思います。

Thijsの使用デッキはホーリーラスパラディン、対戦相手の使用デッキはミッドレンジハンターです。

相手のデッキリストの詳細は分かりませんが、動画内での使用カードからおそらく画像のようなリストだと思われます。

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参考リスト

 

このパラディンは現在の環境ではプレイングがかなり難しいデッキに分類されると思います。私も使用したことがないので理解は浅いです。

しかし、この動画では逐一カードを切る理由を説明しながらプレイしてくれているおかげで、ゲームの展開においていかれるということはありませんでした。

他のデッキにも応用のきくプレイがいくつか見受けられたので、共有できたら嬉しいです。

以下、解説のようなネタバレが続くので、バイアスなく動画を見たい場合はぜひリンクから。これ以下の文は読まなくてよくなるほどいい動画です。

youtu.be

以下の画像は全てこの動画から切り抜いたものです

 

Thijsは一貫して、ドローを進めながらダメージを最小限に抑えるプレイをしていきます。

序盤からThijsのプレイが光りますが、この試合の大きな分岐点は動画の7:00からのターンであると思います。

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このターンは、平等+聖別で盤面を空にできています。マナをフルに使い切ることのできる動きですし、非常にきれいなプレイに思えます。私ならこのプレイを選択しています。

しかし、Thijsはそのプレイをしたとき、自分のライフが7になっていることを嫌いました。7点というのは、ハンターが殺しの命令+ヒーローパワーで容易に出せる点数なのです。2枚はケアできないところまで追い詰められているので、1枚だけでもケアする方法を模索します。

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そこで、カードゲームの鉄則「先ドロー」をしたところ、タイムを引くことができたのでこれを使って凌ぎました。

 

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もう1点、9:15からのターン、パラディンにはいくつか行動の選択肢があるように見えますが、Thijsはその中からミニオンをボードに出さずにスペルによってドローする事を選びました。理由は、前のターン相手がヒーローパワーのみ押してエンドしていることから、相手の手札には猟犬を放て!がありそうだと読んだからです。これを腐らせることで、相手に殺しの命令を5点で使用される可能性を減らしました。このターン3枚引いておけば、次の自分のターンが回ってきた場合確定リーサルです。

 

結局、Thijsの危惧した通り相手は殺しの命令を1枚手札に抱えていましたが、ケアしていたことによりリーサルは取られず、返しのターンで勝利することができました。

ちなみに、このゲームでThijsはトップデッキにかなり助けられているようにみえます。確かにそうですが、一度視点を変えてみたいところです。Thijsはこのゲーム中に多数のドローカード、サーチカードによりデッキを圧縮し続けました。これにより、ゲーム中に必要なカードを引ける可能性、あるいは既に引いている可能性が高まっています。ですから、必要なカードをトップで引けてもおかしくなく、むしろぎりぎりのタイミングまで引けなかったことが不運であるとまで見ることができると思います。

 

この動画から得られるものはたくさんあると思いますが、その中から上述の2点をまとめます。

1つ目は、1枚目の切り抜きから、ライフ管理です。今回の相手はハンターだったので、ハンターの持つ代表的なバーストである殺しの命令圏外のライフをなんとか維持しています。

むやみにライフを守る必要はなく、特にウォリアーやzooウォーロックは手札から打点を出しづらいので、盤面からの打点を耐えられるくらい残してライフで受けるというプレイも有効に働くことがあります。相手のデッキタイプに合わせて柔軟に動くことが求められます。

 

2つ目は、3枚目の切り抜きから、相手の手札の予測です。上の参考リストから見るに、ミッドレンジハンターには9マナ以上のカードは入っておらず、デッキタイプから考えても予想されるのはズルジンくらいです。よって、上の切り抜きの前のターン、相手はカードを意図して使わなかったか、もしくは条件を満たしておらず使えなかったということになります。

意図的に使用しないであろうカードは殺しの命令です。万が一除去に使う展開が想定されるので、リーサルターンまで隠しておくのが定石です。

使用に条件のあるカードは、大自然の報復猟犬を放て!凄まじき狂乱翼の暴風です。どれも盤面にミニオンがいないために使用できないカードです。

このほかに、殺しの命令を5点にするための低マナの獣を保持している可能性も考えられます。さらに、相手目線からトップでもう1枚の殺しの命令を狙うとなると、シャヴァーラを使ってリーサル圏外までヒールされてしまうためミニオンをプレイすることは悪手になるので、展開を控えたのかもしれません。

この中で、パラディン側が干渉できるカードは猟犬を放て!でした。最後までプレイされなかったので、本当に猟犬を持っていたかはわかりませんが、おそらくミニオンの展開を控えたプレイは功を奏しているでしょう。

ここまではっきり予想できなくとも、まだ1枚も使われていないカードについて考慮するだけでも有意義です。ただし、どこかのタイミングで使わせなければいつまでも窮屈な動きを強いられてしまうため、被害が大きくならない程度に割り切ることも時に必要です。

 

加えてもうひとつ。Thijsは愛されキャラなようで、よくチャット欄でいじられています。今回のゲームでも、敗色濃厚な場面でチャット欄から「敗北宣言しよう」だとかいじられていることがThijsの言動からわかります。私もチャット欄同様、ライフ7まで追い詰められた場面で半分諦め、手なりのプレイをしていたと思います。しかし、Thijsはそのような場面でもきちんと考えを巡らせ、勝ちへの細い糸を見事たぐり寄せてみせました。これは彼の強みであり、見習うべき姿勢です。

 

今回は、私が最近見た動画の中から白熱したものをピックアップしましたが、このような動画は他にも無数にあります。外国のプレイヤーのものが多いですが、日本人プレイヤーによるプレイ動画もたくさんあります。他者のプレイを見ることは、自分のプレイを裏付けたり、プレイングの伸び悩みを打開するきっかけになったりすることがしばしばあるため、お気に入りのプレイヤーを見つけて動画や配信を見るのはとてもおすすめです。

英語圏のプレイヤーの配信には言語の壁を感じるかもしれません。しかし、ゲームの話で使われるような英単語は限定的で、視聴しているうちになんとなくでも意味が分かるようになってきます。英語が母国語ではない配信者もいるため、分かりやすい英語で話してくれていることもあります。思っているほど壁は高くないので、覗いてみて欲しいと思います。

上記のリンクの動画は、Twitchというサイトでの配信の切り抜きです。長時間配信をしている配信者も多いので、全編見てみたい方はTwitchのサイトからビデオを探してみてください。YouTubeには上がらない負け試合も見ることができ、より深く学ぶことができます。

ランク戦の勝ち方

私は、毎月レジェンドランクに到達することを目標にランク戦を回しています。

つまり、ランク4あたりから月に20回とちょっと勝ち越すことを目指していることになります。

勝率50%がボーダーラインとなる対戦ゲームでこれだけ勝ち越すというのは大変なことで、毎月苦戦しています。

ランク5未満での戦いは、連勝ボーナスが設定されていますが、都合良く連勝できなければボーナスの恩恵を受けられないので労力には大差ないと思っています。

レート制に切り替わるレジェンド帯とは異なり、勝ち負けの価値が全て等価であるランク5~1のラダーは、常に気が休まらずプレッシャーを感じています。その分この重圧に耐えながらレジェンドランクに到達できたときの喜びは何度味わっても良いもので、高ランク帯で猛者達と対戦することをモチベーションにラダーに挑んでいます。

 

このラダーを勝ち上がるために必要だと感じていることについて書き起こしていこうと思います。目新しいような内容はないので、情報の補完、リマインダーに利用してもらえたら幸いです。随時書き直すことがあるかもしれません。

 

①強いデッキを使う

情報サイトに掲載されているTier2以上のデッキを使用することが理想です。

多くの場合Tier1デッキが最も勝率が高く出ますが、使用率が高いためにメタデッキも流行しやすく、使う時期によっては思うように勝率が伸びないこともあります。

Tier2には、人気度こそTier1に劣るものの、Tier1デッキに引けを取らないパワーを備えているようなデッキが分類されるそうです。理解度や、そのときのメタによってはこちらの方が勝率が出ることもあるので、Tier2以上から好みでデッキを選びたいです。

 

Tier3以下のデッキで勝ち越せないわけではありません。まだ発掘されていないメタ外のデッキが高勝率をたたき出し環境デッキ入りすることもあるでしょう。

しかし、このようなデッキを使いこなすには相当な理解度が要求されます。自分のデッキのみならず、全ての環境デッキに関する理解です。メタが固定化してからは幾ばくか回しやすくなると思いますが、やはり難易度は高いです。

 

使用デッキを絞るのか、という点も悩むところです。思うように勝てないときに、思い切って別のデッキに持ち替えてみようと思うことはしばしばあります。私は、どちらでもいいのではないかと考えています。

ひとつのデッキに固定することの意義は、デッキに蓄積される経験値効率を上げる、もしくは既に経験値のたまっているデッキを使う事で高いパフォーマンスを期待することです。

三すくみ状態のような理想的な環境であれば、デッキの流行はサイクルするはずです。もし今勝てないメタであったとしても、回し続けているうちに相性のいいデッキが多いメタにサイクルする可能性があるので、そこを狙って回し続けるという狙いも考えられます。

 

対して、使用デッキを切り替えることの狙いは現在のメタに合わせて勝ちに行くことです。朝,昼,夜等時間帯でプレイヤー層が変わるという説もあり、短期的に見るとメタの推移はめまぐるしいものなのかもしれません。しかし、短期間内のメタを読み解くことができれば、短時間での連勝を狙うことができ、効率のいいランク上げを期待できます。

また、気分転換するという点でも非常に有意義です。負けが込んだり、デッキに飽きてきたりすると、気づかぬうちにプレイの精度が落ちていることがあります。そのようなときは、自棄にそのデッキを使い続けるのではなく、異なるデッキに持ち替えることが効果的です。ここではハースストーン内での解決策を考えていますが、休憩を挟んだり別の趣味に移ることももちろんいい方法だと思います。

一方、デッキを替えるときは、例えば1戦ごとのようにあまりにも短いスパンで変更することは避けた方がいいと思っています。ウォリアーに負けたので次のゲームはハンターを使うというような切り替え方は、感情的になっていることが多く、次のゲームでローグにマッチングしてしまったときの精神的ダメージが大きいからです。持ち替えるのはある程度ゲームに時間が割けるとき、そこそこの回数ラダーを回して得た対峙ヒーローの割合を元に考えたいところです。

 

もう一点 

私がこのゲームを始めた頃は、リスト作成者の意図も分からないのにむやみにリストをいじるな、という話が散見されました。私もコピーリストを使うときは魔素を支払うことになってもそのまま使うタイプですが、カードの入れ替えには問題を感じません。むしろ、試したいカードがあるのにこの固定観念のために調整の楽しみを味わえないことの方がもったいないように思います。

入れ替え可能カードを見つけるこつは、複数人のリストを見比べて、差分のあった部分から役割の薄そうなカードをピックアップすることです。

 

②勝ち筋、負け筋を知る

各デッキは、マナカーブ通り動いたときの理想ムーブを軸に構成されています。これを元に、序盤つまり少ないドロー枚数で、確実に手札に引き込まなければならない低マナのカードを多めに、終盤つまりある程度ドローが進んでおり、必要な時に引けている可能性の高い高マナのカードを少なめに補いデッキが組まれていることが多いです。

わかりやすい勝ち筋は、上記の理想ムーブを相手に押しつけることです。この理想ムーブに必要なカードを引き込めなかったとき、あるいはその理想ムーブよりも速い動きをしてくる相手に対峙したとき、負けパターンに持ち込まれないように採用した、理想ムーブに準ずる動き(除去等)で凌いでいきます。これがおおまかなゲームの流れになります。

除去し続けていても光明が見えない場合には、どこかで割り切って攻めに転ずる必要があります。この分岐点を、勝ち筋を作ることと負け筋を潰すことを天秤にかけることで見出していきます。

 

理想ムーブが勝ち筋として機能するかどうかを把握することで、マリガンの基準が見えてきます。

機能する場合は、理想ムーブに必要なカードをキープし、その他のカードを返していきます。理想ムーブはオンカーブで設定されている事が多いので、低マナのカードをキープしておけば間違いありません。

機能しない場合、負け筋を潰すような、耐えるようなプランで戦うことになります。このとき、特定の対策カードが必要になる展開が想定されることが多いです。このようなカードは、例え高マナのカードであったとしてもゲーム中で必要になるため、ひけないことのないようキープを検討したいです。

このマリガン基準は下記の例を念頭に抽象化したものなので、例外があるかもしれませんが汎用性は高いように思います。

 

対サイクロンメイジのメカハンター

メカハンターの理想ムーブは、メカンガルーから展開を始め、超電磁をテンポ良く重ねていくことで継続的にダメージを稼ぎ削りきる動きです。

これがメイジ相手に通用するかというと、多くの場合通用しないでしょう。

現在のメイジは凍結スペルに加え挑発カードもいくらか採用されており、相手の主要な勝ち筋である巨人+召術師の招来コンボまで耐えられることが多いです。特に山の巨人+招来墓場の怪異を出されてしまうと、ハンターは挑発に打点を吸われてしまいライフレースが逆転してしまうことが想定されます。

この状況を打開しうるカードがヴェノマイザー+ミサイルランチャーです。メイジ側は、この6/6をデッキ内カードで除去する方法は招来しか持ち合わせていないため、招来を使われたとしてもこちらの盤面には6マナのミニオンが2体並ぶことになり、非常に優位な展開に運ぶことができます。

このコンボさえ決められれば勝ちが大きく近づくため、序盤のダメージ源はさほど重要ではなくなります。

メイジは魔力なる知性を持っているためコンボがそろう可能性が高いですが、ハンター側はドローソースに乏しいため、必要なカードを特にマリガンでそろえておきたいです。ですから、このマッチアップにおいては、6マナであるミサイルランチャーも初手に残すことが選択肢に入ります。

 

 ③視野を広く持つ

慣れていないデッキや選択肢の多いデッキを使っていると、自分の行動を決定するのに大半の時間を使うことになるかもしれません。しかし、自分側の盤面から、相手側の盤面まで含めて把握することができるようになると、より自分のプレイに理由を持たせることができ、反省もしやすくなります。

このゲームでは、相手がマリガンで何枚カードを残したか、手札のどの位置のカードを使用したか、どこに対象を指定しようとしているか(カーソルをのばしているか)、全て読み取れるようになっています。これらの情報を総合して判断すると、相手の手札をある程度予想することができます。この予想が、自分の行動を決定する手助けになってくれることがあるため、取るべき選択肢が分からないときこそ自分ではなく相手側の情報に目を光らせておきたいのです。

盤面だけでなく、相手の手札、相手の山札まで目を向けることができれば、ライフを削りきる勝ち方だけでなく、相手の手札を捌ききるプラン、ファティーグダメージまで見据えたライフ調整等、より多くの選択肢から勝ち方を選べるようになります。

デッキを回せば回すほど、どの相手のどの場面でどのカードを切るか、パターン化して覚えることができます。自分のターンはさっと終えられるくらいデッキの理解度を上げ、余った時間を相手の動きの観察やその後のゲーム展開の予測に充てられると、あたかもゲームを支配しているような気分になることができ、より深く楽しめるのではないかと思います。

 

④他者の視点を取り入れる

試合を重ねることで、各マッチアップへの解釈が蓄積し、プレイのセオリーが構築されていきます。これは、複数人の解釈が合わさるほどより多面的で強固なものにすることができます。より緻密なセオリーに基づいたプレイは、自信と勝利をもたらしてくれるでしょう。

他者の視点の取り入れ方は多様にあります。

フレンドに観戦してもらう、観戦させてもらうというのがひとつ。チャットや通話でリアルタイムにやり取りできるので、この方法はかなりの効果を期待できます。

配信サイトや動画サイトを利用し、配信者や投稿者のプレイから学ぶ方法もあります。これも、今日では多くの配信、動画投稿が行われているので手軽にできる方法です。

ラダーで対戦相手のプレイから学ぶという方法もあります。これは、こちらが使用しているデッキに対するプレイしか学べないうえに、対戦相手の使用デッキは指定できないのでいささか非効率ですが、意識していれば得られるものは少なからずあります。

ドローとサーチ

ドローは、山札の上から順にカードを引いていきます。

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対して、サーチは条件に合うカードを山札の中から探して手札に加えます。

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これらは、山札から手札にカードを加えるという点では同様の効果ですが、厳密に言えば異なる効果であることはお分かりのことかと思います。

 

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参考リスト

これらを聖なる怒りパラディンを用いて考えてみます。

ドローカード…ブラッドメイジ・サルノス一閃の光初級エンジニア苦痛の侍祭 (聖なる怒り)

サーチカード…クリスタル学プリズムレンズ

聖なる怒りは、回復や装甲を稼ぐ手段を持つヒーロー相手には2枚ともコンボパーツとして使うため、必ずしもドローソースとして使用できるわけではありません。

 

カードゲームでは、デッキ圧縮という考え方があります。ドローあるいはサーチによってカードを引き、山札の枚数を減らしておくことで、今後必要なカードにアクセスできる可能性を高めておくというものです。

合わせてドローに関する考え方に、先ドローという概念があります。そのターンの行動の中にドローが入る余地があるとき、手札の動きよりもいいカードを引けることを考慮して先にドローしておくという考え方です。

 

サーチとドローの間にも優先順位があります。

例えば、クリスタル学一閃の光をハンドに抱えていたとします。これらをこのターンの動きとしたとき、いずれも広義では同じドローソースなので、どちらを先にプレイしても問題はないように思います。

 

しかし、実際にはサーチカードであるクリスタル学を先打ちするのがベターです。

先に条件のついているサーチをすることでデッキを圧縮し、続くドローの質を高めるのが狙いです。

ドローによってサーチカードの対象を引ききってしまうと、サーチカードの役割がなくなってしまうことを防ぐ目的もあります。

 

あくまでベターな選択肢なので、もちろん例外もあります。

例えば上記の例が6T目で、ドローによって聖別を引かなければならない場面であったとします。

クリスタル学の条件では聖別を引くことができないため、一閃の光を打つことは必須です。

一閃の光は2マナかかるため、ドローで引けた聖別を使う事を考えると、6マナ全て使用することになります。そのため、クリスタル学は打ちません。

主にマナの兼ね合いになると思いますが、サーチする余裕がないと思われるときは先サーチのセオリーに縛られる必要はありません。

 

 

ここからは余談です。私にとっては本題です。

ドローカードは、無条件に山札の上からカードを引くものなので、デッキ圧縮の効果は即時に体感できます。

対して、サーチカードは条件に合ったカードを山札から探すものです。上から引いてくる訳ではないため、デッキ圧縮の効果がいつ発揮されているかは分かりづらいです。

 

私は現在ミッドレンジハンターをよく使用しています。このデッキに採用されているご主人様の呼び出しは、デッキから獣を3枚引くというサーチカードです。私はこのカードをもてあましてしまっているように感じています。

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参考リスト

このデッキは、ミッドレンジと銘打たれていることもあってミニオンの質がよく、ボードを取って勝つことを目指すデッキです。ですから、マナカーブ通り毎ターンミニオンを展開していくのが理想ムーブのはずです。

しかし私の中では、3マナのカードをプレイする際、獣の相棒よりも呼び出しのほうが優先度が高くなっているのです。

 

呼び出しを使う前に、ターン始めのドローでツンドラサイを引いたとします。サイは呼び出しのサーチ対象なので、もっと前のターンに呼び出しを使用していればサイが3枚のサーチの中に含まれていたかもしれません。だとすれば、呼び出しによるデッキ圧縮を1枚損していることになります。

アグロシャーマンやZOOのような早い相手にはそこまで重要なことではありませんが、中速以降のデッキを相手にしているときは、この1枚の差が後々響いてきます。

例えば、勝負を決する切り札であるズルジンがデッキ底付近で眠っているとき、あと1枚掘り進めていれば引けたかもしれないという反省点がずっと残るためです。

 

実際には、ハースストーンはデジタルカードゲームなので、サーチの処理がどのように行われているかはわかりません。

紙媒体のカードゲームでは、サーチをするとき、山札を見て目的のカードを手札に加えたあと、デッキをシャッフルします。ハースストーンもこのような処理になぞらえているなら、上での考え方は無意味なものになります。

しかし、どのような処理をされているのか分からない以上、最善のプレイを目指そうとするとどうしても私はサーチが最優先になってしまうのです。

このようなプレイ方針の違いは、試合ごとに状況が異なりますし、一概にどちらが正しいというものではないと思っています。

しかし、序盤を重く見てミニオンの展開を優先するのか、後半戦を見据えて真っ先にデッキ圧縮しておくのか、どちらがこのデッキの戦い方にあっているか、どちらが高い勝率を出せそうかといった点は、一考の余地があるように思います。

自分本位、相手本位

デッキを組むときは、まず自分が使いたいカード、決めたいコンボを軸に構築を考えていくのではないかと思います。これが自分本位の考え方です。

そうして完成したデッキを試したあと、期待通りの役割を果たしてくれないカードや、過剰なコンボパーツ等が浮き彫りになっていきます。これらはしばしば、流行デッキや苦手なデッキに対する対抗札、メタカードに入れ替えられます。このように、相手を基準に考えることが相手本位の考え方です。

対戦ゲームで勝つためには、この2つの考え方を同時に用いる事が大切です。

カードゲームでは、デッキによって両者間の優位性は異なりますが、いずれも欠かすことはできません。

 

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 この場面を見てみます。

相手のハンターは1T目追跡術を使用し、ターンを回してきました。

こちらの1T目の動きを考えます。

手札には2マナカードが3枚もあるため、コインを切っていずれかをプレイしたいところです。

 

*ここで先に自分本位のプレイを考えると、私の場合このターン最大打点を出したいので、フロストボルトを相手のフェイスに打ちます。

続く2T目の相手の動きを考えると、相手の最も強い動きは2マナのミニオンをプレイすることです。仮にミニオンをプレイされた際、こちらも2マナミニオンをプレイして応戦します。こちらのミニオンは召喚酔いで動けないため、そのままターンを渡します。相手の2マナミニオンが先に召喚酔いが醒めるため、相手主導の展開が予想されます。

 

*今度は先に相手本位のプレイを考えます。上述の通り相手は2T目2マナミニオンをプレイしてくることが想定されるので、対応できるように先手を打っておきたいです。

フロストボルトは、その2マナミニオンに対する除去札としても機能するため、ここでは温存します。

となると、こちらの動きはいずれかの2マナミニオンをプレイすることになります。

結論から述べると、ここでのベターな選択肢はリバー・クロコリスクをプレイすることです。

2マナミニオンの標準スタッツは2/3 or 3/2です。

相手がプレイするミニオンが前者の場合、2/3のクロコリスクとヒーローパワーで、2/1が残る一方トレードをすることができます。

後者だった場合は、相打ちした後3/2スタッツを持つブラッドフェン・ラプターをプレイできます。

また、腐肉食いのハイエナのように、特殊な効果を持つ代わりにスタッツが低い2マナミニオンが採用されるヒーローに対しては、2/3は強力な牽制札になります。

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3Tのことまで考えると、ハンターの3T最強の動きは獣の相棒です。ヘルス4のミニオンが出てくる事を考えると、アタック3のミニオンとヒロパで取りたいのでやはり3/2は2/3より後出ししたいです。

 

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相手本位の考え方でプレイした結果です。

予想に反して、相手は2/3に魔力の一矢を当て、合わせて森林オオカミをプレイしてきました。先に3/2をプレイしていたら一矢によって「1マナ:2マナ」トレードされていたところ、2/3で1マナカードを2枚吸う事に成功しました。3/2も安全に着地させることができます。

このように、相手の行動も加味して自分のプレイを選んだ方が、そのプレイに意味づけができますし いい結果になりやすいと思っています。

 

 原則としては、相手本位でプレイを考えたあと、その範疇で自分本位のプレイを最大限すり合わせて通します。相手本位のプレイを考える際は、常に理想ムーブをされる前提を置き、それをケアするように動くのがポイントです。妥協してしまうとあとからリカバリーすることが困難になりますが、最悪の事態を想定しておけば柔軟に対応することができるためです。

しかし、毎ターン相手から理想ムーブを決められては、いずれ対応しきれなくなってしまいます。対応できなくなってしまったときは、相手の想定ムーブを1段階弱いものに切り替えます。

例えば、フリーズメイジミラーの戦いで、相手に9T目アレクストラーザをこちらにむけて使用された場面を考えます。こちらのライフは15なので、続く10T目にファイアボールx2+フロストボルトで負けてしまいます。

こちらは回復手段がなく、上記の理想ムーブを想定すると為す術がないため、フロストボルトは持っていないという仮定に切り替えます。相手のバーストはファイアボールx2+ ヒーローパワーの13点ダメージなので、相手の盤面の打点が2点未満になるように調整します。

この過程を繰り返すことでゲームは続いていきます。お気づきの通り相手本位のプレイとは負け筋を潰していくプレイなので、これを続けてしまうと時に自分の勝ち筋が消えてしまうことがあります。主にジリ貧になってしまう場面です。ですから、自分のデッキの勝利プランが潰えてしまうことが想定される場面では、ある程度割り切って自分本位に動くことが許されます。

 

自分/相手の優位性は、ゲーム展開だけでなくデッキタイプによっても左右されます。

遅いデッキほど相手本位のプレイの重要性が高く、早いデッキは自分本位のプレイに重点を置くことが必要になります。

遅いデッキはライフレースで勝つのではなく、相手の攻めに耐え抜くことを勝ち筋とします。攻めを捌くには、限られた除去札で相手の攻めを的確に返していく必要があるので、自然と相手本位の考え方になります。

反対に早いデッキの場合は、盤面制圧もそこそこに、ライフを削りきることを勝ち筋とします。後半にもつれ込むほどリソース勝負で不利になってしまうので、相手に合わせるのではなく自分の強い動きを押しつけていく戦い方が求められます。

 

相手本位のプレイをするためには、予め相手の手のうちを知っておく必要があります。自分の使うデッキはもちろん、対峙するであろうデッキは全て、回し方まで含めて把握しておくのが理想です。

最近は情報サイトも充実し、配信サイトでもHS配信が複数見られます。これらを利用すれば、実際にデッキを組んだり回したりせずともセオリーは学ぶことができます。

 

相手本位のプレイの考え方を知っていると、自分のプレイングを振り返る際に大いに役立ちます。マリガンから始まり、相手のAoEをどこまでケアするか、あるいは割り切るか、もしくは相手のバーストをどこまでケアするか、あるいは割り切るかといったところが勝敗の分岐点になりやすいからです。悩んだところを振り返って次のゲームに活かせば、自ずと勝率はついてくるでしょう。

ちょっと一息 =pinkie=

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ハースストーンは、リリースされてから5年が経過しており、成熟期へ突入しているように思います。代わり映えのしない環境に辟易としているプレイヤーもいるのではないでしょうか。

そんなハースストーンの息抜きに、良質な音楽をおすすめしたいと思います。

 

 今回紹介する楽曲を作っているのは、BUMP OF CHICKENというバンドです。

 

幼なじみ4人組から成るこのバンドはとても仲がよく、その様子は毎週日曜深夜に放送されている彼らのラジオ番組からうかがい知れます。

その仲のよさは楽曲演奏にも遺憾なく反映されており、それぞれを引き立て合うように、息ぴったりの演奏が繰り広げられます。

そしてこのバンドの曲の真骨頂は、ボーカル藤原基央さんの書く詞です。

物語調で、鮮やかに目に浮かぶような情景描写が淡々と綴られているかと思えば、その端々にメタファーがちりばめられ、聴き手によって百人百様の解釈ができるほどの懐の深さを持ち合わせています。人の心を見透かしたような鋭い一節も、このバンドの曲の持ち味です。

 

そんなBUMP OF CHICKENの楽曲の中から私が紹介したいのは、『pinkie』という曲です。

桜をモチーフとしているというこの曲は、広大な草原を連想させるような、壮大なストリングスの演奏から始まります。

曲調や歌詞が全体を通してはかない雰囲気を醸し出しているのは、それをもって散りゆく桜のはかなさを表現しているのでしょうか。

桜がテーマだというのに、曲中には「桜」という詞が一度しか出てこず、しかもそれは実体としての桜ではなく何かのメタファーなんだそうです。とてもBUMP OF CHICKENらしい表現方法です。

 歌詞には、未来、今、過去の「私」「あなた」「僕」といった表現が度々登場します。これらの代名詞は、一体何人の人物をさしているのでしょうか。

時間軸の異なる一人の人物、「自分」と「あなた」の二人の人物、はたまた…。

 

 

このように、『pinkie』は語るに尽きない楽曲です。なかなか思うように結果のでないラダーに疲れたときは、この曲を聴いてその世界観に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

ドローソースの価値

特に闘技場をプレイしているとき、生の苦悩などのドローソースの役割について考えることが増えてきました。ここで思考整理のためにドローソースの強さについて一度書き起こしておくことで自身の成長の足跡になればと思い、記事にしてみます。

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 ドローソースの働き

ドローソースの働きは、手札を減らさずに何かアクションを起こすというものです。

上の例であげた生の苦悩であれば、1マナ払って生の苦悩のカードを消費する代わりに、ミニオンに1ダメージを与え、山札から1枚、つまり消費した生の苦悩1枚分のカードを補充できます。

手札の枚数がすなわち行動の選択肢となるカードゲームにおいて、手札が減らないというのは非常に重要なことです。

闘技場をイメージして頂ければわかりやすいかと思いますが、どの環境でもメイジやローグが比較的上位に位置しているのは、クラスカードの特性のみならず、カードを消費せずに行える行動であるヒーローパワーによって、盤面に干渉できるヒーローであることが一因になっています。

 

ドローソースの種類

ドローソースには大別して3種類のものが存在すると考えています。

①ハンドの枚数を減らさずに盤面に干渉するもの (戦利品クレクレ君)

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②ハンドの枚数を増やすが盤面には干渉しないもの (魔力なる知性)

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③ハンドを増やしつつ盤面にも干渉するもの (マーロック・テイスティーフィン)

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①に関して、盤面への干渉の仕方がミニオンとしてだった場合は、1マナ分ほど低いスタッツが設定されています。クレクレ君の場合、2/1は1マナミニオンの標準スタッツです。

ドロー能力が雄叫びか断末魔かによっても設定が異なります。初級エンジニアと比較すると、雄叫び能力で即時効果であるエンジニアの方が、1/1スタッツと盤面への干渉能力が低く設定されています。対して断末魔能力のクレクレ君は、タイムラグを考慮してか雄叫び能力のミニオンより若干盤面干渉力が高いです。

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一方、盤面干渉能力がダメージ付与あるいは回復、つまりスペルカードだった場合は、生の苦悩一閃の光を見るに若干マナ効率のよい効果が与えられています(スペルカードは全て、中立カードと比べてパワーの高いクラスカードに分類されるためかもしれません)。

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①のカードは、パワーの高いカードがデッキに組み込まれている際、それに早期にアクセスすることを狙って採用されることが多いように思います。構築で考えると、現環境の聖なる怒りパラディン等、コンボデッキによく採用される印象です。

 

 

②に関しては、複数ドローというよりは、ハンドの枚数を減らさず、加えて盤面に干渉しない分追加のドロー効果が与えられていると解釈しています。

魔力なる知性を基準として、条件付きですがマナ効率のよいご主人様の呼び出し等のカードも存在します。

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②のカードは、テンポロスがあまり響かない、あるいは後半巻き返せるような算段のあるデッキ、つまりコントロール寄りのデッキに多く採用される印象です。

 

 

③に関しては、①、②の性質を兼ね備えている代償として、マナレシオも低く、ドローも条件が付与されています。

テイスティーフィンでみると、4マナであるのに対してスタッツは2マナクラスである3/2、ドロー先がマーロックであるという条件がつけられています。

他には、ドロー手段に条件がつけられているカードとして苦痛の侍祭が挙げられます。

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③のカードも、ハンドを増やせる代わりにテンポロスが著しいため、構築ではコントロールデッキやコンボデッキに採用されやすい印象です。

 

ドローソースの性質

ドローソースの強みは、1試合で使う事のできるカードの総量が増えるという点が最大のポイントであると思っています。

カードゲームは、お互い1:1以上の交換を狙い続けてアドバンテージを取り合うゲームです。相打ちし続ければ接戦が続くところを、ドローを挟むことによって相手よりプレイできるカードの総量が上回ることで、相手に1:複数トレードを強要できる点がドローの利点です。

 

一方ドローソースの弱点は、それ自体は継戦能力を持たないことが大きいと思っています。

スペルはもちろん一過性の効果で継戦力を持たず、ミニオンも標準スタッツ未満に設定されているため、よくて相打ち、多くの場合一方トレードされてしまいます。

よって試合中のドローソースの強さは、後続のカードの強さに大きく影響されます。

仮にお互いデッキを全て引ききるゲームを想定した場合、ドローソースを2枚採用していれば、そのカードは戦力にはならないため28枚のデッキで戦うことになります。

対して、相手はドローソース1枚の29枚デッキだった場合、こま数では負けているためリソース勝負以外の勝ち筋を見据えなければなりません。

具体的には、ドローソースでアクセスしたカードを使い早期に物量で圧倒する、あるいは個々のカードの質で競り勝っていくといったことが考えられます。

しかし、闘技場ではその性質上選択肢に上がったカード群からしか採用カードを選べないため、なかなか思い通りのデッキにはなりません。ドローソースでのテンポロスを補うだけのパワーカードをピックできなければ、厳しい戦いを強いられます。

 

幸い現在の闘技場の環境では、ウォリアー、プリースト、ウォーロック(コントロール型)といった遅めのヒーローはさほど強くないようです。環境にこれらのヒーローが多いときは、リソース勝負になりやすいため、ドローソースのピックは慎重に検討したいところです。