突撃!探検同盟 ナーフ所感
少し前から、運営がナーフについての発表を匂わせていたようですが、ついにその全貌が公開されました。普段はナーフに関して悲しく感じることが多いのですが、今回に関しては非常にポジティブな感想を持つことができました。せっかくなので書き留めておきたいと思います。
召術師の招来
このカードは、非常にカードパワーが高く、多くのプレイヤーのヘイトを集めていました。しかし、このカードは現在のメイジの数少ない武器のひとつであり、これを取り上げてしまうとメイジが戦線から姿を消してしまう事が懸念されました。
このことを考慮すると、このカードに関するナーフはとても妥当なものに感じます。
特にサイクロンメイジには痛い調整になるでしょう。山の巨人+招来を以前までの最速ターンである6ターン目前後に打つことができても、理想的な動きができているアグロ相手には間に合っているかどうかというところでした。また、コントロール相手、特に仮想敵であるウォリアーに関しても、最速招来コンボに対する解答は用意されうるので、勝利への決定打にするには不安が残りました。これが1ターン遅くなることで、よりこのコンボの脅威は薄れることになります。
現在の環境で一定数存在するハイランダーメイジに関しては、この調整によって受ける影響は少ないように感じます。もちろん招来コンボも有力な勝ち筋のひとつですが、サイクロンメイジに比べ中型ミニオンを多く有するため、巨人に頼らずとも盤面を形成することができます。今までよりさらに対コントロール戦におけるダメ押しとしての側面が強くなるでしょう。
ルナのポケット銀河系
このカードは、最速巨人+招来で決着のつかない対ウォリアー戦でメイジの勝利を決定づける、まさに切り札としての役割を担っていました。このマッチでは必ずしも5マナルナポケを最速で使用せずとも十分その役割を果たすのに間に合っていました。以前のバフ調整によるルナポケの強化は、ウォリアー以外とのゲームに強く影響を及ぼすものだったと思います。
しかし、ほとんどのヒーローはそもそも最速招来コンボをきれいに返す術を持たないため、それだけで十分勝ちを見出すことができていました。ここに実用レベルになったルナポケが加わることで、メイジだけ別次元のコスト踏み倒しゲームをすることになってしまいました。
今回の調整で以前のコストに戻されても、求められる役割をしっかり果たすだけのパワーを持ったカードになると思います。ウォリアーをはじめとするコントロールデッキが多ければ今まで通り採用されるでしょうし、それより速いデッキが流行れば自然と抜けていくでしょう。
狂気の天才ドクター・ブーム
コントロールウォリアーには7ターン目の動きがないことに加え、一度使用すれば圧倒的なアドバンテージを生み出してくれるためほとんどのマッチで初手にキープすることが可能でした。もし7ターン目に使用できなくとも、8T変身+シールドスラム、9T変身+ヒーローパワーと、さほど無理せず変身することができていました。
これが9マナのカードとして調整されることで、変身が遅れるとともに変身ターンの動きがかなり制限されるカードとなるので、初手キープが一考の余地のあるものになると思います。ブーム自体が生み出すアドバンテージには変化ありませんが、これだけで十分に意義のある調整であると感じます。メカが急襲を持つターンが遅くなるため、盤面で戦うデッキでも対抗することができるようになるかもしれません。
倍増する腕
このカードに関しては、私は使用したことがないので使用感は分かりません。
2ターン目ノースシャイアの聖職者に対してこのカードを使用するムーブは、特に盤面で戦うデッキに対して非常に強力だったと思います。センジン・シールドマスタのスタッツから分かるように、3/5は4,5マナ相当のスタッツです。カードを2枚使用し、計3マナ払っていることを考慮しても、2ターン目に3/5ミニオンが置かれるのが脅威であることは想像に難くありません。「2マナ2/2突撃×2」という見方をしても、かなりカードパワーが高かった事が分かります。
3マナに調整されることであまり見ないカードに戻ってしまいそうですが、このカードは調整がシビアなカードで仕方がないようにも思います。
バーンズ
長期間に渡り環境上位に君臨し、メタ形成の一端を担っているビッグプリーストのキーカードです。このデッキの存在のために、中速デッキは軒並み環境に居づらくなっていました。
このカードに調整が入ったところで中速デッキとの相性差が改善されるわけではないように思いますが、デッキパワーが落ちた結果環境から数が減り、ミッドレンジデッキに対する間接的な貢献が期待できます。
今となってはビッグプリーストひとつが環境にふたをしているわけではないようにも思いますが、運営がユーザーの声に耳を傾けてくれたことを嬉しく思います。ワイルドをやってみようかなという気持ちにさせてもらえました。
最後に
今までの調整では、勝率が飛び抜けているデッキに含まれるカードのいずれかを調整することで、デッキ間のパワーバランスを整えるという調整の仕方が続いていました。
今回の調整では、ユーザーにも問題視されているパワーカードに対して直接手が加えられています。
いずれも各デッキのキーカードであるため、テキストには変更が加えられず、マナコストの増加によって調整されています。明らかに使い勝手は落ちますが決して実用レベルを逸していないというようなものが多く見受けられ、採用の是非を主として検討の余地が残された調整のように思います。
しかし、これは裏を返せば比較的影響力の少ない調整であるという見方もできます。
相性差のみ変動し、環境デッキの変化はあまり見られないかもしれません。
いずれにせよ、今回のナーフはユーザーの声がしっかり反映されたものであることが分かるいい調整だという感想を持つことができました。
今後のメタの変化を楽しみに思います。
闘技場4500勝までの軌跡
以前から闘技場に関する日記記事を書きたいと思っていたが、機会を逸してしまっていた。
このブログには備忘録と銘打ちながら、今までの記事の内容を攻略めいたものにしていたこともあり、この記事で初めて備忘録らしいブログの使い方をしてみたいと思う。
闘技場累計勝利数4500勝をキリ番であるとし、ここまでの記録を取っておきたい。
ゲームを始めた頃は記録を取っておらず、取り始めてからも少しの間、謎のプライドから3勝以下の結果を記録していなかったため、正確なデータはもっと低いものになる。サーバーはアジア。
闘技場への合計入場回数は732回
合計勝数は4149
平均勝数は5.66 (勝率66%)
稼いだゴールドは88960(平均122)
稼いだダストは8290(1回あたり11)
入手したパックは753個
入手したノーマルカードは136枚 / ゴールデンカードは116枚
ヒーロー使用率TOP3
ローグ130回 メイジ128回 プリースト110回
始めた頃はメイジが好きだったため、見かけたら必ずピックしていた。どの環境でも決して弱ヒーローではなかったため幸運だったと思う。しばらくしてローグが最も強いヒーローであると知り、恐る恐る練習し始めた。プリーストが3位に食い込むのは珍しいのではないかと思う。
最も使用していないのはシャーマンで9回。
ヒーロー別平均勝数TOP3
納得の面々。パラに関しては、強かった時期のみ回していたため試行回数が足りず、多少上振れた数字になっていると思う。
シャーマンのみ平均5勝に届かず、平均3.89勝を記録している。
対面ヒーローTOP3
メイジ1163回 パラディン1027回 プリースト824回
ローグはこれらの半分ほどで、上位にいないのが意外だった。ライフ管理がシビアでテクニカルなヒーローだからだろうか。私が回していた時期にはムラがあるため、その影響かもしれないがプリーストが多いのも意外。ただ、戦法的には最も気持ちよくなれるヒーローであるため、ラダーの憂さ晴らし目的だと思えば納得がいく。
最も少ないのはウォリアーで336回。残念だがどの環境でも不遇のヒーローであった。
1回あたりの勝ち数分布
4勝が最も多く、99回。続いて3勝が82回、6勝が81回。
12勝は43回、0勝は15回。
平均勝数を上げるには、4勝から6,7勝に山を持ってくる必要があると思っている。人より0勝回数が多いため、7,8勝フィニッシュをボーダーと考え取り組みたい。
私は、闘技場報酬でゴールデンレジェンドを入手することを夢見ている。レジェンド/ゴールデンレジェンドが報酬に含まれる8勝以上を達成した回数は206回、この中からレジェンドを4回入手することに成功している。私には8勝を超えることも一苦労な上、超えても報酬でレジェンドが当選するのはごく低確率なようなので、これからも気の遠くなる回数闘技場を回す必要がありそうだ。
あくまで刺激満載なゲームを楽しむことを主目的として、気長に狙っていきたい。
初めて握ったデッキ
私はこのゲームを始めてだいぶ経ちますが、初期の頃使っていたデッキのことは未だに覚えています。それだけ作成も実践も試行錯誤していたのだろうと思います。
この記事では私がゲームを始めた頃使っていたデッキについて振り返りながら触れていきたいと思います。
ゼロコストメイジ
私がこのゲームを始めてから初めて握ったデッキは、Trumpのゼロコストメイジでした。
攻略サイトを覗いたところ、基本カードのみで組めるデッキが見つかったので組んでみました。チュートリアルと同じヒーローであるメイジのデッキだったので、なじみやすかったのを覚えています。
デッキの説明欄に書いてあったとおり、ランク20まではすんなり到達できました。
ちょっと頑張ってランク18まで来ると、とたんに勝てなくなりました。相手のデッキの質がぐんと上がっていて、とても太刀打ちできませんでした。
初めのうちは勝利ボーナスでゴールドを稼ぐことが目的だったので、ランクが止まることに関しては特に構いませんでした。しかし、だんだん勝ってランクを上げたいと思うようになったので、まずデッキを見直すことにしました。
同じメイジのデッキで、比較的上位にいるデッキを探したところ、ピンと来たデッキはフリーズメイジでした。
フリーズメイジ
このデッキは、勝率こそ一定以上の数値が見込めたものの、初心者が手を出すべきデッキではありませんでした。エピックやレジェンドカードが多く高価でしたし、プレイ難度も非常に高く、熟練者でさえ最善のプレイをできる人は一握りだと言われていたようなデッキだったのです。
しかし、私はコントロールデッキ特有の一発逆転のゲーム展開に魅了されていたので、足りないカードはなんとなく他のカードで補って上のようなリストを作成しました。
このリストは、完成型のフリメのリストと比較して、レジェンダリーだけでブラッドメイジ・サルノス、ソーリサン皇帝、大魔術師アントニダスの3枚が足りていません。
初心者にはレジェンドカード1枚クラフトするのも非常に大きな負担だったので、なけなしのダストを使ってアレクストラーザ含む4枚から1枚だけクラフトすることにしました。
初心者から見て、サルノスはその強さが全く分からなかったので真っ先にクラフト候補から外しました。
ソーリサンは非常に強力なキーカードであることは認識できていましたが、アドベンチャーカードでクラフトはできず、ゴールドもかつかつだったため採用は見送りました。
アントニダスは、とても強いカードだし使っている相手も気持ちよさそうにしているな、ということは分かっていました。しかし、ライフを15点にするアレクがいれば、ファイボ×2+フロボで勝てることを知っていたので、どう考えてもアレクがいればアントニダスは要らないだろうという結論に至り、アレクストラーザを作成することにしました。
マッドサイエンティストというアドベンチャーカードも足りていませんが、ドローソースで補って低資産フリーズメイジを完成させました。
さっそく回してみると、フリメを回している気分にはなれますが、やはりそのものを使っているという実感はわかず、戦績も全く振るいませんでした。しかし、目新しいデッキだったので非常に新鮮で、資産を捻出して頑張って作ったこともあって愛着がわいており、しばらくはこのデッキを練習していました。
フェイスハンター
フリーズメイジでそこそこゴールドを稼いだ頃、このデッキは時間がかかり勝利ボーナス稼ぎには向いていないと悟り、新たなデッキに挑戦することにしました。
その頃、情報サイトで初心者に強く薦められていて、動画サイトでもプレイ動画が盛んに投稿されていた、フェイスハンターを作成してみることにしました。
それまで稼いでいたカードを分解すれば、ほとんどのカードは作成可能な状態だったので、フリーズメイジのようにデッキパワーが下がる心配も少なかったです。
このデッキは当時非常にパワーの高かったアグロデッキで、このことは採用カードの多くが一斉ナーフされていることから分かります。当時は、
レプラノーム → 2/1
鬼軍曹 → 2/1
ナイフ・ジャグラー → 3/2
鉄嘴のフクロウ → 2マナ
魔力のゴーレム →4/2「突撃。雄叫び:敵にマナクリスタルを1個付与する。」
という状態でした。
グレイブズーカ、マッドサイエンティストがアドベンチャーカードだったので他のカードに置き換えていました。
デッキリストの説明欄やプレイ動画内では、全てのカードをひたすら相手フェイスにぶつける、ということだけが強調されていました。それだけで勝てるのか半信半疑でしたが、回してみると本当に勝ててしまうデッキでした。
数日回しただけで、それまで絶対たどり着けなかったランク15を楽々越え、あっという間にランク10に到達してしまったことを覚えています。私にとって初めて結果を出せたデッキになりました。
快勝できて気持ちよかった反面、これはカードゲームでやる必要があるのだろうかというもやもやした気持ちも少しありました。それまで使っていたゼロコストメイジでのフェイスorトレードの選択や、フリーズメイジでのAoEを打つかもっと引きつけるかというような駆け引きをしているときの方がよっぽどカードゲームをしている感覚になれましたし、フェイスハンターはそれをないがしろにしているように感じたからです。
最後に
現在のメタにはフェイスハンターのようなアグロがおらず、メイジやウォリアーがのさばる歴代でも屈指のコントロール環境であると思います。ゲーム時間は長いですし、RNGで勝敗が決した時の虚無感は特に強いですが、私個人としてはさほど不満も感じていません。
しかし、アグロにヘイトが集まる環境の方が一般的なカードゲームとしては健全なようですし、プレイング面からも資産面からもコントロール環境は初心者には厳しいだろうと考えられます。そのあたりは今後の調整、新拡張の方向性に期待したいです。
この記事を読んでくれている初心者の方がいれば、私の経験から、勝つことと楽しむことは分けて考えた方がいいですが、初めのうちは楽しむことを優先してほしいということを伝えたいです。デッキリストのカード全てをコピーしなくても雰囲気は感じられるので、資産が許す限り気に入ったデッキをどんどん触っていって欲しいと思います。
ミルデッキ
他のHSプレイヤーのブログを巡っていると、当時開発したデッキやレジェンドに到達したデッキ等を感想とともにまとめたような記事が散見され、とても楽しく読ませてもらっています。
私も常々書いてみたいと思っていたのですが、今は特筆するようなデッキを持ち合わせていないので、一昔前のデッキではありますが明確に私のプレイングの基礎を築いてくれたといえるものを記録してみようと思います。
ミルウォリアー
私のHSプレイ史上5本の指に入るくらい最も練習したデッキです。
リストに1枚くらい誤差がありそうですが大枠はこのようなものを1番長く使用していました。
マッチアップやそれに基づくテックカードも記載しておきたいところですが、もはや過去の環境の話になってしまったので、ここでは大まかにデッキの雰囲気だけまとめておきたいと思います。
このデッキは、死人の手札を有効に使用することにより自分だけファティーグを避け、相手のリソースを捌ききった後ファティーグダメージ差で勝つことを主な勝ち筋とするデッキです。
相手のデッキを減らしていき、ライブラリアウトによって勝利するようなデッキがミルと呼ばれています。
コールドライトの託宣師×2、死人の手札×2、かかって来い!+α(いずれかの2マナ除去札)
このような6枚のカードを最後に残せると、コールドライトの託宣師(以下オラクル)×2+(かかって来い!or除去)+死人の手札できれいに10マナループが完成し、簡単にファティーグ勝ちすることができます。
しかし、実際にこのループが完成することは稀で、マッチアップや状況に合わせて柔軟に勝ちを拾いにいくことが求められる、非常に難しいデッキでした。
学び
ミルウォリアーの練習の過程で得た感覚は、非常に有用なものでした。
このデッキは、マッチアップによって必要なカード、腐るカードの区別が明確についていました。
例えば、ミラーマッチでは乱闘、止めの一撃を早めに使っておかないと使うタイミングを失ってしまい、そのままループに入りこれらが不必要に増殖する事態が起こりました。キーカードはオラクルと死人の手札のみです。
しかし、ビッグプリースト相手には、乱闘、止めの一撃はキーカードで、死人の手札で増やしながら使うべきカードでした。反対にこのマッチでは暴食ウーズや待ち伏せのガイストが明らかに弱いカードです。
マッチアップごとの必要カードを吟味する過程で、カードの価値を再確認することができました。例えば、私にとって止めの一撃のような確定除去は非常に強く、相手の切り札を除去できる場面まで温存しておきたいカードでした。しかし、このカードはあくまで2マナのカードなので、対象にダメージを負わせる手間を考慮しても3マナミニオンを処理できるだけで十分なアドバンテージを稼いでいるということに気づいたのです。
必要カードのみならず、ゲームの勝ち筋もマッチアップによって多様でした。ミルという名前がついてはいますが、必ずしもオラクルによるミル勝ちを狙う必要はありませんでした。
新兵パラディンのようなアグロ相手には、2枚の死人の手札でループを作る必要はなく、除去札を増やしていなすだけでリソース勝ちすることができました。
一方ミラーでは、オラクル以外のカードをいち早く使い切り、オラクルのみでループを完成させて先にファティーグ勝ちを狙うのが主な勝ち筋でした。
HSのプレイ歴は長い方だと自負していますが、マッチアップごとに勝利プラン及び必要カードを選択し、それに合わせてマリガンを変えられるようになったのはこのデッキに慣れた最近のことでした。
ミルローグ
このリストは、段取り×2が足りていません。
私がミルデッキに興味を持ったきっかけです。もっと最適なリストがありますが、私が最も練習していたときのカードプールだと、このようなリストが限界でした。
オラクルを使い回しながらデッキ切れ付近まで凌ぎ、フィニッシュターンでシャドウブレード+オラクル複数枚を使ってファティーグダメージを使いバーストを出すのがこのデッキの狙いです。
ミルウォリアーと違い、限られた除去札で戦うしかないため、リソース差で勝つことはできません。よって、アグロ相手であっても専らファティーグ勝ちを狙うことになります。
オラクルは影隠れ等のバウンスカードにより即座に使い回すことができるため、こちらのドローに合わせて相手にオーバードローを強要させ、擬似的にカードを除去する戦術をとることもできました。
相手にオーバードローをさせるデッキだと思っているプレイヤーも多いらしいのですが、フィニッシュ以外のオラクルはこちらのドローソースとしての側面が強く、オーバードローはあくまで副次的な効果です。
中盤戦の感覚は、オラクルによってお互いのドローを加速させることを通じて試合展開を早め、増えすぎた手札の切り方に困っている相手をよそ目にこちらは段取りによる疑似マナ加速でアドバンテージを得るといった形です。
勝ち筋は異なるものの、勝ちまでの過程はミルウォリアーと通じるものがあり、先に練習していたこのデッキのプレイ経験がミルウォリアーのプレイにも活きました。
最後に
これらのデッキは、かなり癖の強いコントロールデッキです。しかし、プレイできるようになると必ずやカードゲームに対するより深い理解を得られるだろうと思います。
ミルローグは、形を変えて現在のワイルドでもカウンターデッキとして活躍しているようです。もし興味のあるプレイヤーがいれば、ぜひ試しに触ってみて欲しいと思います。
挑発ミニオンのフェイス or トレード
ミニオンで相手フェイスを詰めるのか、相手ミニオンとトレードして盤面を作るのかという選択は非常に悩ましく、どちらを選んでも裏目がある事が多いので、リスクの低そうな方を選ぶといった方法でしか行動を決定できません。
しかし、挑発能力を持ったミニオンのフェイス or トレードは、他のミニオンと比べて基準を設けやすいです。
挑発ミニオンの役割
挑発ミニオンの役割は、自陣にいる仲間ミニオンを相手ミニオンの攻撃から守ることです。これによって、盤面からの継続打点を確保し、試合展開を有利に進めていきます。
また、ライフを詰められている状況で致死圏に追い込まれることを防ぐ役割もあります。この役割は、挑発ミニオンでしか担うことができないため、序盤の選択肢のあるターンには非挑発ミニオンからプレイしていくことを心がけたいです。
現在、闘技場のプールで猛威をふるっている代表的な挑発ミニオンにタール・クリーパーが挙げられます。3,4Tに5点を出すのは難しく、多くの場合カード2枚分とのトレードを強要します。
このカードは、3Tにプレイしても十分な活躍を期待できますが、特に自陣が空であるときは、他のミニオンカードから先にプレイしたいです。
空の盤面に挑発ミニオンを置いても、自分のヒーローのライフしか守ることができません。それでも十分な仕事をしてはいますが、やはり打点の出るミニオンを守る使い方の方が挑発ミニオンに価値を持たせることができます。
また、タール・クリーパーの場合は特に顕著ですが、挑発ミニオン自体のアタックはあまり高くなく、トレード性能は低めに設定されている事が多いです。歴史愛好家のような、即座に処理することを求められるミニオンをプレイされた際、こちらからミニオンを使った処理は仕掛けづらくなってしまうので、3T選択肢がある場合は、3 3/4を先置きし、相手の3/4をアタック+ヒーローパワーで処理できるような盤面にしておけると心強いです。
挑発のフェイス or トレード
挑発ミニオンは、相手フェイスを詰める前提で考えを始めます。
盤面では、相手はミニオンをこちらの挑発にぶつけるしかないため、結局相手側からミニオンを挑発に当ててきます。このとき、こちらから挑発を使ってトレードを仕掛けてしまうと、ただただ挑発によるフェイスへの打点を損してしまっているということが分かると思います。
まずトレードを仕掛けることを考えるのは、挑発を持っていない周りのミニオンからです。周りのミニオンは、挑発が突破されない限り相手ミニオンの攻撃対象にはなりません。しかし、もちろん挑発ミニオンは攻撃対象になってしまうため、挑発ミニオンを生き残らせたい場合は周りのミニオンを使うなどして相手の打点を削る必要があります。サイズの大きい挑発で、今後有効な打点源になってくれそうな場合等は、生き残らせることを検討したいです。
挑発ミニオン以外によるトレードが済み、自陣の挑発ミニオンの攻撃によって相手の盤面を空にできる場合は、挑発によるトレードを検討します。主に、鬼軍曹をはじめとするバフで挑発ミニオンが倒れてしまいそうなときです。
このようなシチュエーションでは、こちらからトレードして盤面を空にしておくことで、バフを腐らせ有利に試合展開を進めることを見込めます。特にパラディン相手には有効なプレイになるでしょう。
また、ローグには病魔の運び手という、ミニオンに猛毒を付与するカードが存在します。
このカードはかなりパワーが高く、多くのプレイヤーがピックしていることが想定されるので、特にローグが相手であるときは挑発をトレードに回すことになっても念入りに盤面処理をしておきたいです。
ここまでのプレイは、盤面だけを見た場合のプレイです。
相手の手札には、除去スペルや急襲ミニオンが控えている場合もあります。特に除去札が確定除去である場合、あるいは急襲ミニオンによって一撃で挑発が倒されてしまう場合は、1:1以下の交換になってしまい挑発のバリューを十分にいかせないことが考えられます。あまり相手のライフが削れておらずゲームが長引きそうなときは、確定除去をケアする場合トレードに回る方が安全な選択になります。残り数ターンで決着をつけなければならないような状況では、バリュー勝負を捨て、フェイスを詰めにいくプレイも考慮したいです。
所感
私は、アグロ、ミッドレンジ、コントロールの3タイプにデッキを大別した時、ミッドレンジデッキが一番好きですし手になじむデッキだと思っています。
一般的に、ミッドレンジはアグロに強く、コントロールに弱いという特徴を持つデッキタイプのようです。
しかし、ハースストーンではこのように簡単な相性表には当てはまらない事が多いです。各デッキタイプの中にも、幅広い特徴を持つデッキが存在しているためだと思います。
私はこのミッドレンジタイプの中でも、アグロとコントロール両方を見ることのできるものが好きです。特定のデッキ相手に特化しているわけではないので、引き運やプレイング次第ではどのデッキにも負ける可能性があります。しかし、マッチングした瞬間に結果が見えているゲームが苦手なので、どのデッキ相手にも五分前後で渡り合えるデッキの方が性に合っていると感じます。
私が触ってきたデッキの中でこのようなタイプに当てはまっていたように思うデッキリストは、ミッドレンジハンター、ドラゴンウォリアー、ドラゴンプリーストです。
参考リスト。うろ覚えですが、コアカードからニュアンスをくみ取ってもらえたら嬉しいです。
いずれも、挑発ミニオンを含み、中盤のミニオンの質が特によく、フィニッシャーを数枚持っているというデッキです。
これらのデッキは、挑発ミニオンを始めとするアグロメタのカードのおかげで、早いデッキも捌くことができました。遅いデッキ相手にも、質のいいミニオンをテンポよく出し、圧力をかけていくことで、相手の除去札を枯らし、フィニッシャーで止めをさすというきれいなゲームプランを通すことができていました。
しかし、やはりドローが噛み合わなかったり、相手の除去札の切り方が的確だと、競り負けてしまうこともしばしばありました。このような紙一重のところで戦っているという感覚がとても楽しかったのを覚えています。
しかし、持ち出した上のデッキがどれもしばらく前のデッキであることから分かるように、久しくこのようなミッドレンジデッキを触れていません。直近で最も好みに近かったのはズルジンの入ったミッドレンジハンターでしたが、このデッキは中盤のミニオンが薄く、私の印象としてはコントロール色が強かったので好みとは少し離れていました。
参考リスト
私はメタ読みには疎いので、ミッドレンジデッキが増えない原因がメタのためであるのかは分かりませんが、前拡張では招来メイジやコントロールウォリアーの存在で中速デッキは十分に活躍しきれないだろうとは思っていました。また、カードプール的にも中盤のグッドスタッツが不在であるように感じていました。
しかし、今年初めのスタン落ちによってDKがワイルドカードになり、今拡張でカードプールが広がった結果、ようやくミッドレンジデッキの活躍の兆しが見えてきたように思います。
現在最も上記3種のようなデッキを組みやすいのはウォリアーではないかと思っています。もともと中盤のミニオンの質は悪くなく、デッキ外リソースではありますがフィニッシャーも用意できていたヒーローに、今拡張でいくらかの挑発カードが与えられました。アグロ耐性はばっちりですし、ドクター・ブームのヒーローカードのおかげでコントロール相手にも長期戦をしかけることができます。
一方このヒーローは、与えられているカードがコントロールデッキに採用するのに適したものも多く、コントロールデッキを組んだ方が高いパフォーマンスを期待できる事が考えられます。特に、現在ならどのデッキであっても入れ得であろうヒーローカードが、7マナ払って盤面には一切干渉しないターンを挟む見返りに、それ以降圧倒的なアドバンテージを稼ぐというコントロールデッキにおあつらえ向きの性質をしている事が気にかかります。デッキを組むからにはいい戦績を期待したいので、ウォリコンを超えられるかが試金石となりそうです。
もう一人、ハンターもミッドレンジデッキが組めそうだと感じます。
これらのカードは、まさに私が求めていた中盤のグッドスタッツミニオンです。上のミッドレンジハンターのリストと数枚入れ替えれば、私の好みには大きく近づきそうです。
問題は、どのカードも活躍するシチュエーションが限定的であることです。特に荒野のブラッドスティンガーが十分にパワーを発揮するには、メタが噛み合っている事が条件になります。
テンポよくミニオンを展開していきたいミッドレンジデッキにおいて、プレイの状況を選ぶカードはできるだけ少なくしておきたいので、特殊構築を組むなどして解決したいです。
ミッドレンジハンターには挑発ミニオンが少ないので、上のようなデッキが持つ方法でアグロをさばくことは難しいです。しかし、現在は当時なかった「急襲」のキーワード能力を持つカードが存在します。挑発は突撃に対しても有効で、先置き可能ですが、除去や沈黙によって打点吸収の役割を持てなくなってしまいます。対して、急襲は突撃に対して無力で、既に展開されているミニオンに対して後出し的にプレイする必要がありますが、打点削減の役割を確実に担ってくれます。考え方によっては、急襲を挑発の代わりに使う事も可能なので、環境をみて柔軟に動きたいです。
まだ新拡張のカードを全ては把握できていないので、これ以外にもミッドレンジデッキが出てくるヒーローがいることを期待しています。
私は、デッキ構築の経験はほとんどありませんが、強烈に覚えているものがひとつだけあります。
上の例に挙げたドラゴンプリーストがスタン落ちで使えなくなったとき、落ちたカードを抜いて調整していった結果以下のようなリストに落ち着きました。
このリストは、トッププレイヤーが実績を残したリストと一枚違いでした。ブック・ワームが上級回復ポーションになっていたと記憶しています。リストがほとんど同じなので、カードの採用理由も分かりますし、ブック・ワームも上級回復ポーションも採用のメリット、デメリットを理解した上でなおブック・ワームを選択できたので、非常に満足のいくデッキ構築経験になりました。
新たなデッキタイプを創造したわけではないので、このようなことは珍しくないと思いますが、それでも構築初心者が自信をつけるのには十分なできごとでした。
今期は、拡張パックを闘技場で十分稼いだあと、手になじみそうなデッキが開発されていなければ、デッキ構築にチャレンジしたいと思っています。もしデッキを組んでみたいという方がいれば、とても楽しいのでぜひ一緒にチャレンジしてみてほしいと思います。
ランク戦 / 闘技場
私は、時々ハースストーンのライブ配信をしています。始めた頃は闘技場配信がメインでしたが、しばらくしてから気分でランク戦の配信もするようになりました。
闘技場配信からランク戦配信に切り替えた頃、闘技場のプレイを見に来てくれた視聴者の方から、「ラダーって何が楽しいの?」というようなコメントをもらいました。
おそらく本気で聞いているわけではなく、アリーナプレイを期待して覗いた配信での話題提供程度の質問だったのだと思います。私も緩く解答したつもりでしたが、それにしてもとっさにはきれいに言語化できず、しどろもどろになったことを覚えています。
そこで、この記事を使って改めて構築戦、ドラフト戦それぞれの特徴をまとめてみたいと思います。
ランク戦
構築戦の魅力を一言で表すと、好きなデッキを使えるというところに集約するのではないかと思います。
9人のヒーロー選択から始まり、デッキタイプの決定、採用カードの吟味と、試合に入らずともこれだけで無限に時間を費やせます。
ゲームの内容に関しても、ドラフト戦とは一線を画します。これだけ長い歴史を持ち、カードプールもかなり広いこのゲームといえど、プレイヤーによって洗練された結果、戦える一線級のデッキは数が限られています。対峙したヒーロー、もしくは使用カードを数枚見れば、相手のデッキタイプを推測することは容易です。
相手のデッキタイプが分かると、その後のゲーム展開を頭の中で組み立てていくことができます。理想の展開に、実際のゲームの展開を少しでも近づけていく過程が構築戦の最も楽しいポイントだと思っています。
カードゲームなので、使いたいときに丁度そのカードが手札にあるとは限りません。
また、相手も切り札を通すために先に小粒のカードを並べて除去を強要してくるかもしれません。
しかし、相手の使用してくるカードは予想がついているため、どのカードに対してどのカードを当てる必要があるのか、事前に想定しておくことができます。
目の前の状況を打開するために除去を使ってしまうのか、もしくは温存しないと今後返せなくなるために他の動きでごまかすのか、はっきりとした駆け引きをできるところが醍醐味です。
構築戦ではカードプール内から自由にカードを使ってデッキを組むことができますが、かえって使用できるカードが制限されてしまっているように感じているプレイヤーも少なくないと思います。
ランクを上げるためには対戦で勝つ必要があるため、プレイヤーは同じカードプール内でもより強いカードを使用します。
すると、対戦相手が使用するカード、デッキはほとんど見慣れたものになっていきます。強いデッキを使う対戦相手と対等に戦うには、こちらも同程度のパワーレベルを持つデッキを使用しなければならないため、自ずと限られたカード群から使用カードを選択している感覚になってしまいます。このことから来る飽きを解消できるのが闘技場です。
闘技場
ドラフト戦は、予想もつかない試合展開が一番の魅力です。
ドラフトの名の通り、ゲーム側からランダムに提示される3択の中からデッキへの採用カードを1枚ずつ選んでいく方式がとられているため、採用基準が構築戦とは大きく異なるカードもあります。構築戦ではあまり見ないカードも使う事ができ、カードの新たな側面や魅力に気づくことができます。
予め相手の採用カードが割れている構築戦とは違い、ドラフト戦では相手のデッキリストはわかりません。構築戦と比べて、手札にあるかどうかではなくピックできたかどうかというような曖昧な駆け引きになりますが、ここから来る最後までスリル満点のやりとりが闘技場の醍醐味です。
相手が使用するカードは、はっきりそれとは予測できないため、ミニオンであればそのマナ帯の標準スタッツ、呪文であれば採用率を基準に予測するといいと思います。
例えば、6ターン目であればこのマナ帯の代表的なバニラスタッツのミニオンはボルダーフィストのオーガです。
実際にトレードするかは別として、このミニオンをボードの打点で倒せるように、合計6,7点分くらいのミニオンを召喚しておきたいです。これだけ打点があれば、挑発持ちのミニオンをプレイされても、バニラミニオンよりはスタッツが低めに設定されている事がほとんどなので突破することができます。
AoEのケアも、この方針を前提にすると考えやすいです。バニラミニオンを倒せるクロックを盤面に用意した上で、それ以上展開する必要があるのか(リーサルターンが早まるか)考慮すると、悩む時間を減らせるのではないかと思います。
想定されるAoEが、フレイムストライクのようなダメージを与えて除去する呪文だった場合は、それを受けても生き残るミニオンを1体でもプレイできれば心強いです。
AoEの怖いところは、1枚で複数のカードを除去されることもそうですが、それをきっかけに攻めが途切れてしまうことです。1体ミニオンが残るだけでもその後の展開を有利に運べるので、ミニオンが残るよう上手く調整したいところです。
AoEで除去されるミニオンは、カード3枚分を目安にしたいです。それより多く巻き込まれてしまうと、アドバンテージを取り返すことが非常に厳しくなってしまいます。3枚未満だと、そもそも相手はAoEを打たず、ミニオンをプレイすることで盤面を取ってくる可能性が出てきます。解決を先延ばしにするだけになってしまうので、打たせるべきタイミングで打たせておきたいです。
ミニオンの数ではなくカードの枚数なので、シルバーハンドの騎士による2/2といった、ついでに召喚されるトークンに関してはノーカウントです。このような1枚で複数ミニオンを並べるカードでかさ増しして、AoEを誘う動きも悪くありません。
ただし、除去呪文を手札に握れている場合はこの限りではありません。ダメージを与える呪文であれば、その呪文の打点分盤面にミニオンを出さなくてもよくなりますし、確定除去であれば、相手のAoEをケアして過剰な展開を避けることも選択肢に入ります。
私のイメージですが、構築戦はデッキ構築よりもプレイングに重点を置かれやすいのに対して、ドラフト戦ではカードピックに関する知識が重要なモードだと思っています。
構築をメインでプレイしているプレイヤーは、ドラフト戦に苦手意識を持っている事も少なくないと思います。
しかし、現在は闘技場でのカードの強さを点数化しているサイトや、ピックを補助してくれるツールが利用できます。ピックの壁を越えれば、構築戦で磨いたプレイングスキルを存分に生かせる実戦が待っているので、慣れるまでこれらを利用してみて欲しいと思います。私は、ドラフト戦のプレイに多少慣れてきた今でも愛用しています。
最後に
ランク戦と闘技場は、どちらも特徴的な魅力を持っています。しかし、苦手意識を持ってしまっているがために、片方のモードでしか遊んでいないというプレイヤーもみかけます。ですが、苦手だからという理由でやらないというにはもったいないほどどちらも楽しくて奥が深いモードです。続けていれば自然と要領はつかめてくるので、ぜひ両方のモードを楽しんで欲しいです。
どちらのモードも互いに必要なスキルが異なるため、適当な期間で交互にプレイすれば、丁度いい息抜きになるのではないかと思います。
また、資産面でも互いに補完関係にあります。ランク戦の勝利報酬で稼いだゴールドを使って闘技場に入場し、ランク戦で必須となる拡張カードを割安で手に入れるといった具合です。初めだけ少し頑張れば、ゲーム内通貨だけでやりくりできるほど資産が貯まっていくことでしょう。