ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

ポケモンから学ぶハースストーン

ポケモンといえば、国内のみならず全世界的に絶大な人気を誇る任天堂のビッグタイトルです。1996年から始まるこのシリーズは、未だに勢いを失うことなく全世代から幅広い支持を受けています。

私も例にもれず、学校の友人と放課後、対戦に明け暮れていました。

初めの頃のナンバーは通信ケーブルを用いた対戦でしたが、時代が進むにつれてネット経由で全世界のユーザーと通信することができるようになり、それに合わせてレート対戦も導入されました。見知らぬプレイヤーと対戦できるというのはとても魅力的で、私もライトユーザーながら非常に楽しんでプレイしていました。

このレーティング戦で身につけたスキルが、現在のハースストーンのプレイスタイルに少なからず活かされている面があると感じています。これを言語化してみることで皆さんと共有できたらと思います。

 

ゲームとしてのポケモンについて

シナリオ編は、とても親しみやすいRPGです。道中出会うポケモンを仲間にしながら各所に点在するポケモンジムのリーダーに勝ち、ジムバッジをそろえた暁にポケモンリーグに挑み、チャンピオンを目指します。内容豊かでボリューミーなので、シナリオクリアを目指すだけでもゲーム内容としては大満足です。

アナザーコンテンツとして、シナリオで仲間にしたポケモンを使って他のユーザーと通信対戦する機能が設けられています。こちらも非常に作り込まれており、メインにして遊ぶに十分な奥深さを持っています。今回はこの対戦モードをメインに触れていきたいと思います。

 

対戦モードでは、お互い6体のポケモンを用意し、その中から相性を考慮し好きな3体を選んで戦わせます。

ポケモンには水、炎などのタイプHP、素早さ等6種のパラメータ、プレイヤーが覚えさせた4つの技が設定されています。

プレイヤーごとの色を出す方法として、固有パラメータにボーナスのような形で追加される努力値ポケモンごとに2,3種類用意され、条件を満たすことで長所が更に伸びる特性ポケモンに与えておくことで様々な追加効果を発揮するもちものが用意されています。

ゲームのマンネリ化を防ぐ、いわばRNG要素として、各技に命中率確率によるパラメータの増減や状態異常の付加、一定確率で普段以上のダメージを与える「きゅうしょにあたった!」というシステムが設けられています。

プレイヤーはこれらの要素を把握した上で巧みに組み合わせ、戦術として用いて勝利を目指します。

 

ハースストーンとの共通点

こじつけのような点も多分にありますが、ポケモンとハースストーンには似た要素があるように思います。

ここで、ポケモンをハースストーンでいうヒーローであると解釈します。

特性や持ち物等である程度差別化された段階のポケモンは、ハースストーンではデッキタイプという段階であると考えます。

4つの技によって環境に合わせてチューニングされた段階のポケモンは、ハースストーンにおける30枚のカードによって構成されたデッキを指します。

命中率、急所等のRNG要素は、ハースストーンではおなじみの発見、トップデッキを含むその対戦中に手札に引き込まれたカード等、あらゆるランダム要素に置き換えます。

 

ハースストーンとの比較

ポケモンは、お互い6匹のポケモンを見せ合った上で、相手が選出して来るであろう3匹を予測しながら自分の戦わせる3匹を選びます。つまり、デッキを1つに決めてからマッチングするハースストーンと違って、マッチング後相手のヒーローの選択肢を見た上で、用意していたデッキから使用する3つのデッキを選べるのです。

主軸の3匹を用意し、その組み合わせに対して強いポケモン達をメタった3匹を裏選出として控えておくのが基本戦術でした。

素の能力が強いポケモン、つまりカードプールの影響で地力の強いヒーローがヘイトを集めることはハースストーン同様ありましたが、上述のシステムのおかげで相性の観点からマッチング自体に不満の声が上がることはあまりなかったように思います。

 

この点から私がハースストーンで心がけていることは、メタにあっている事を前提として、勝ち筋が複数あるデッキを使う事です。

例えば、アグロデッキは相手のライフを削りきることに特化したデッキです。コンセプトが一点特化なためとても純度が高いですが、受けきることを狙ったデッキと当たった場合、ほとんどの場合凌がれて負けてしまいます。勝ち筋にはプレイングよりもどれだけ理想ムーブができたか、相手が解答を引けていなかったかといった要素のほうが影響しやすいため、勝っても負けても後味の悪いゲームになりがちです。ハースストーンでマッチングに対する不満が散見されるのは、このような相性をプレイングで覆せないマッチが連続してしまう事が原因であると思っています。

対して、勝ち筋がいくつかあるデッキならば、ひとつが通らなさそうだと判断した時点でサブプランにシフトすることで、為す術無く負けてしまうという事態を避けることができます。もしサブプランで勝ちきることができなかった場合も、初めからサブプランを選んでいた場合どうなっていたか等、前向きな反省点が残ります。マッチングの時点で勝敗が予想できるマッチが減り、カードゲームの醍醐味である試行錯誤を満喫することができます。

 

RNGの観点からも比較したいと思います。

ポケモンの場合、命中率はパーセンテージとして明記されています。確率による追加効果の発生は、ゲーム内では数字として明記されていなかったように思いますが、攻略情報を参照すると一定の確率に設定されていることがわかります。ハイドロポンプが当たる確率は80%、10まんボルトによってまひが発生する確率は10%等、プレイヤーは数字と体感を結びつけて具体的に確率を把握することができます。

 

一方ハースストーンでは、確率を明示しにくいランダム要素が多く、実際数字が明記されているRNG要素も一握りです。そのため、RNGが関わる結果は全て「運だけ」といった感想になってしまいがちです。

ハースストーンに慣れてきたプレイヤーは、相手が使用したカードが発見産であるとか、トップデッキのカードであるとかを見分ける余裕が出てくると思います。これらのような手段から現状に対する完璧な解答となるカードを引かれた場合、単に相手の運がいい、あるいはそれを引かれてしまった自分の運が悪いと思ってしまいがちです。

上記の例で解答がクラスカードだった場合を考えます。発見の場合、中立のカードよりクラスカードが選択肢に含まれる確率が非常に高いということが分かっています。現状のカードプールにある中立、クラスカードの枚数が分かれば、相手がどれほどの確率でそのカードを引き当てたのか把握することができます。具体的な数字を示せず申し訳ないのですが、やはり解答がクラスカードの場合かなりの確率で引くことができるというのが私の体感です。

同様に解答がトップデッキだった場合を見てみます。確かにそのターンに求められるカードを丁度そのターン山札から引き込めたのは運がいいといえます。しかし、相手がドローしたのはそのターンだけでなく、ゲーム開始から毎ターンドローの試行回数を稼いできているのです。ターンが進む、つまりドローが進むほど山札は減っていき、目的のカードにアクセスできる確率は上がるため、後半であればあるほどトップデッキで解決する状況は多くなるでしょう。該当ターンまでに目的のカードを引く確率は外部サイトで調べられるようなので、気になった方は調べてみてください。

 

ポケモンのように具体的にとはいきませんが、おおまかに確率を把握しておくことで、リスクをケアするにしても自分のトップデッキを頼るにしてもある程度根拠のある選択をとることができているように思います。

ハースストーンにおいては、低確率ながら無条件で2倍ダメージを受ける急所というシステムがないぶん良心的であるとまで思っています。