ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

ドローソースの価値

特に闘技場をプレイしているとき、生の苦悩などのドローソースの役割について考えることが増えてきました。ここで思考整理のためにドローソースの強さについて一度書き起こしておくことで自身の成長の足跡になればと思い、記事にしてみます。

f:id:stelmosfire:20190619220410p:plain

 

 ドローソースの働き

ドローソースの働きは、手札を減らさずに何かアクションを起こすというものです。

上の例であげた生の苦悩であれば、1マナ払って生の苦悩のカードを消費する代わりに、ミニオンに1ダメージを与え、山札から1枚、つまり消費した生の苦悩1枚分のカードを補充できます。

手札の枚数がすなわち行動の選択肢となるカードゲームにおいて、手札が減らないというのは非常に重要なことです。

闘技場をイメージして頂ければわかりやすいかと思いますが、どの環境でもメイジやローグが比較的上位に位置しているのは、クラスカードの特性のみならず、カードを消費せずに行える行動であるヒーローパワーによって、盤面に干渉できるヒーローであることが一因になっています。

 

ドローソースの種類

ドローソースには大別して3種類のものが存在すると考えています。

①ハンドの枚数を減らさずに盤面に干渉するもの (戦利品クレクレ君)

f:id:stelmosfire:20190620220505p:plain

②ハンドの枚数を増やすが盤面には干渉しないもの (魔力なる知性)

f:id:stelmosfire:20190620220545p:plain

③ハンドを増やしつつ盤面にも干渉するもの (マーロック・テイスティーフィン)

f:id:stelmosfire:20190620221233p:plain

 

 

①に関して、盤面への干渉の仕方がミニオンとしてだった場合は、1マナ分ほど低いスタッツが設定されています。クレクレ君の場合、2/1は1マナミニオンの標準スタッツです。

ドロー能力が雄叫びか断末魔かによっても設定が異なります。初級エンジニアと比較すると、雄叫び能力で即時効果であるエンジニアの方が、1/1スタッツと盤面への干渉能力が低く設定されています。対して断末魔能力のクレクレ君は、タイムラグを考慮してか雄叫び能力のミニオンより若干盤面干渉力が高いです。

f:id:stelmosfire:20190620222916p:plain

一方、盤面干渉能力がダメージ付与あるいは回復、つまりスペルカードだった場合は、生の苦悩一閃の光を見るに若干マナ効率のよい効果が与えられています(スペルカードは全て、中立カードと比べてパワーの高いクラスカードに分類されるためかもしれません)。

f:id:stelmosfire:20190621134827p:plain



①のカードは、パワーの高いカードがデッキに組み込まれている際、それに早期にアクセスすることを狙って採用されることが多いように思います。構築で考えると、現環境の聖なる怒りパラディン等、コンボデッキによく採用される印象です。

 

 

②に関しては、複数ドローというよりは、ハンドの枚数を減らさず、加えて盤面に干渉しない分追加のドロー効果が与えられていると解釈しています。

魔力なる知性を基準として、条件付きですがマナ効率のよいご主人様の呼び出し等のカードも存在します。

f:id:stelmosfire:20190620230241p:plain

②のカードは、テンポロスがあまり響かない、あるいは後半巻き返せるような算段のあるデッキ、つまりコントロール寄りのデッキに多く採用される印象です。

 

 

③に関しては、①、②の性質を兼ね備えている代償として、マナレシオも低く、ドローも条件が付与されています。

テイスティーフィンでみると、4マナであるのに対してスタッツは2マナクラスである3/2、ドロー先がマーロックであるという条件がつけられています。

他には、ドロー手段に条件がつけられているカードとして苦痛の侍祭が挙げられます。

f:id:stelmosfire:20190620232424p:plain

 

③のカードも、ハンドを増やせる代わりにテンポロスが著しいため、構築ではコントロールデッキやコンボデッキに採用されやすい印象です。

 

ドローソースの性質

ドローソースの強みは、1試合で使う事のできるカードの総量が増えるという点が最大のポイントであると思っています。

カードゲームは、お互い1:1以上の交換を狙い続けてアドバンテージを取り合うゲームです。相打ちし続ければ接戦が続くところを、ドローを挟むことによって相手よりプレイできるカードの総量が上回ることで、相手に1:複数トレードを強要できる点がドローの利点です。

 

一方ドローソースの弱点は、それ自体は継戦能力を持たないことが大きいと思っています。

スペルはもちろん一過性の効果で継戦力を持たず、ミニオンも標準スタッツ未満に設定されているため、よくて相打ち、多くの場合一方トレードされてしまいます。

よって試合中のドローソースの強さは、後続のカードの強さに大きく影響されます。

仮にお互いデッキを全て引ききるゲームを想定した場合、ドローソースを2枚採用していれば、そのカードは戦力にはならないため28枚のデッキで戦うことになります。

対して、相手はドローソース1枚の29枚デッキだった場合、こま数では負けているためリソース勝負以外の勝ち筋を見据えなければなりません。

具体的には、ドローソースでアクセスしたカードを使い早期に物量で圧倒する、あるいは個々のカードの質で競り勝っていくといったことが考えられます。

しかし、闘技場ではその性質上選択肢に上がったカード群からしか採用カードを選べないため、なかなか思い通りのデッキにはなりません。ドローソースでのテンポロスを補うだけのパワーカードをピックできなければ、厳しい戦いを強いられます。

 

幸い現在の闘技場の環境では、ウォリアー、プリースト、ウォーロック(コントロール型)といった遅めのヒーローはさほど強くないようです。環境にこれらのヒーローが多いときは、リソース勝負になりやすいため、ドローソースのピックは慎重に検討したいところです。