ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

自分本位、相手本位

デッキを組むときは、まず自分が使いたいカード、決めたいコンボを軸に構築を考えていくのではないかと思います。これが自分本位の考え方です。

そうして完成したデッキを試したあと、期待通りの役割を果たしてくれないカードや、過剰なコンボパーツ等が浮き彫りになっていきます。これらはしばしば、流行デッキや苦手なデッキに対する対抗札、メタカードに入れ替えられます。このように、相手を基準に考えることが相手本位の考え方です。

対戦ゲームで勝つためには、この2つの考え方を同時に用いる事が大切です。

カードゲームでは、デッキによって両者間の優位性は異なりますが、いずれも欠かすことはできません。

 

f:id:stelmosfire:20190624165534p:plain

 この場面を見てみます。

相手のハンターは1T目追跡術を使用し、ターンを回してきました。

こちらの1T目の動きを考えます。

手札には2マナカードが3枚もあるため、コインを切っていずれかをプレイしたいところです。

 

*ここで先に自分本位のプレイを考えると、私の場合このターン最大打点を出したいので、フロストボルトを相手のフェイスに打ちます。

続く2T目の相手の動きを考えると、相手の最も強い動きは2マナのミニオンをプレイすることです。仮にミニオンをプレイされた際、こちらも2マナミニオンをプレイして応戦します。こちらのミニオンは召喚酔いで動けないため、そのままターンを渡します。相手の2マナミニオンが先に召喚酔いが醒めるため、相手主導の展開が予想されます。

 

*今度は先に相手本位のプレイを考えます。上述の通り相手は2T目2マナミニオンをプレイしてくることが想定されるので、対応できるように先手を打っておきたいです。

フロストボルトは、その2マナミニオンに対する除去札としても機能するため、ここでは温存します。

となると、こちらの動きはいずれかの2マナミニオンをプレイすることになります。

結論から述べると、ここでのベターな選択肢はリバー・クロコリスクをプレイすることです。

2マナミニオンの標準スタッツは2/3 or 3/2です。

相手がプレイするミニオンが前者の場合、2/3のクロコリスクとヒーローパワーで、2/1が残る一方トレードをすることができます。

後者だった場合は、相打ちした後3/2スタッツを持つブラッドフェン・ラプターをプレイできます。

また、腐肉食いのハイエナのように、特殊な効果を持つ代わりにスタッツが低い2マナミニオンが採用されるヒーローに対しては、2/3は強力な牽制札になります。

f:id:stelmosfire:20190624225557p:plain

3Tのことまで考えると、ハンターの3T最強の動きは獣の相棒です。ヘルス4のミニオンが出てくる事を考えると、アタック3のミニオンとヒロパで取りたいのでやはり3/2は2/3より後出ししたいです。

 

f:id:stelmosfire:20190624181819p:plain

相手本位の考え方でプレイした結果です。

予想に反して、相手は2/3に魔力の一矢を当て、合わせて森林オオカミをプレイしてきました。先に3/2をプレイしていたら一矢によって「1マナ:2マナ」トレードされていたところ、2/3で1マナカードを2枚吸う事に成功しました。3/2も安全に着地させることができます。

このように、相手の行動も加味して自分のプレイを選んだ方が、そのプレイに意味づけができますし いい結果になりやすいと思っています。

 

 原則としては、相手本位でプレイを考えたあと、その範疇で自分本位のプレイを最大限すり合わせて通します。相手本位のプレイを考える際は、常に理想ムーブをされる前提を置き、それをケアするように動くのがポイントです。妥協してしまうとあとからリカバリーすることが困難になりますが、最悪の事態を想定しておけば柔軟に対応することができるためです。

しかし、毎ターン相手から理想ムーブを決められては、いずれ対応しきれなくなってしまいます。対応できなくなってしまったときは、相手の想定ムーブを1段階弱いものに切り替えます。

例えば、フリーズメイジミラーの戦いで、相手に9T目アレクストラーザをこちらにむけて使用された場面を考えます。こちらのライフは15なので、続く10T目にファイアボールx2+フロストボルトで負けてしまいます。

こちらは回復手段がなく、上記の理想ムーブを想定すると為す術がないため、フロストボルトは持っていないという仮定に切り替えます。相手のバーストはファイアボールx2+ ヒーローパワーの13点ダメージなので、相手の盤面の打点が2点未満になるように調整します。

この過程を繰り返すことでゲームは続いていきます。お気づきの通り相手本位のプレイとは負け筋を潰していくプレイなので、これを続けてしまうと時に自分の勝ち筋が消えてしまうことがあります。主にジリ貧になってしまう場面です。ですから、自分のデッキの勝利プランが潰えてしまうことが想定される場面では、ある程度割り切って自分本位に動くことが許されます。

 

自分/相手の優位性は、ゲーム展開だけでなくデッキタイプによっても左右されます。

遅いデッキほど相手本位のプレイの重要性が高く、早いデッキは自分本位のプレイに重点を置くことが必要になります。

遅いデッキはライフレースで勝つのではなく、相手の攻めに耐え抜くことを勝ち筋とします。攻めを捌くには、限られた除去札で相手の攻めを的確に返していく必要があるので、自然と相手本位の考え方になります。

反対に早いデッキの場合は、盤面制圧もそこそこに、ライフを削りきることを勝ち筋とします。後半にもつれ込むほどリソース勝負で不利になってしまうので、相手に合わせるのではなく自分の強い動きを押しつけていく戦い方が求められます。

 

相手本位のプレイをするためには、予め相手の手のうちを知っておく必要があります。自分の使うデッキはもちろん、対峙するであろうデッキは全て、回し方まで含めて把握しておくのが理想です。

最近は情報サイトも充実し、配信サイトでもHS配信が複数見られます。これらを利用すれば、実際にデッキを組んだり回したりせずともセオリーは学ぶことができます。

 

相手本位のプレイの考え方を知っていると、自分のプレイングを振り返る際に大いに役立ちます。マリガンから始まり、相手のAoEをどこまでケアするか、あるいは割り切るか、もしくは相手のバーストをどこまでケアするか、あるいは割り切るかといったところが勝敗の分岐点になりやすいからです。悩んだところを振り返って次のゲームに活かせば、自ずと勝率はついてくるでしょう。