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ハースストーンプレイヤーの備忘録

突撃!探検同盟 ナーフ所感

playhearthstone.com

少し前から、運営がナーフについての発表を匂わせていたようですが、ついにその全貌が公開されました。普段はナーフに関して悲しく感じることが多いのですが、今回に関しては非常にポジティブな感想を持つことができました。せっかくなので書き留めておきたいと思います。

 

 

召術師の招来

このカードは、非常にカードパワーが高く、多くのプレイヤーのヘイトを集めていました。しかし、このカードは現在のメイジの数少ない武器のひとつであり、これを取り上げてしまうとメイジが戦線から姿を消してしまう事が懸念されました。

このことを考慮すると、このカードに関するナーフはとても妥当なものに感じます。

特にサイクロンメイジには痛い調整になるでしょう。山の巨人+招来を以前までの最速ターンである6ターン目前後に打つことができても、理想的な動きができているアグロ相手には間に合っているかどうかというところでした。また、コントロール相手、特に仮想敵であるウォリアーに関しても、最速招来コンボに対する解答は用意されうるので、勝利への決定打にするには不安が残りました。これが1ターン遅くなることで、よりこのコンボの脅威は薄れることになります。

現在の環境で一定数存在するハイランダーメイジに関しては、この調整によって受ける影響は少ないように感じます。もちろん招来コンボも有力な勝ち筋のひとつですが、サイクロンメイジに比べ中型ミニオンを多く有するため、巨人に頼らずとも盤面を形成することができます。今までよりさらに対コントロール戦におけるダメ押しとしての側面が強くなるでしょう。

 

ルナのポケット銀河系

このカードは、最速巨人+招来で決着のつかない対ウォリアー戦でメイジの勝利を決定づける、まさに切り札としての役割を担っていました。このマッチでは必ずしも5マナルナポケを最速で使用せずとも十分その役割を果たすのに間に合っていました。以前のバフ調整によるルナポケの強化は、ウォリアー以外とのゲームに強く影響を及ぼすものだったと思います。

しかし、ほとんどのヒーローはそもそも最速招来コンボをきれいに返す術を持たないため、それだけで十分勝ちを見出すことができていました。ここに実用レベルになったルナポケが加わることで、メイジだけ別次元のコスト踏み倒しゲームをすることになってしまいました。

今回の調整で以前のコストに戻されても、求められる役割をしっかり果たすだけのパワーを持ったカードになると思います。ウォリアーをはじめとするコントロールデッキが多ければ今まで通り採用されるでしょうし、それより速いデッキが流行れば自然と抜けていくでしょう。

 

狂気の天才ドクター・ブーム

コントロールウォリアーには7ターン目の動きがないことに加え、一度使用すれば圧倒的なアドバンテージを生み出してくれるためほとんどのマッチで初手にキープすることが可能でした。もし7ターン目に使用できなくとも、8T変身+シールドスラム9T変身+ヒーローパワーと、さほど無理せず変身することができていました。

これが9マナのカードとして調整されることで、変身が遅れるとともに変身ターンの動きがかなり制限されるカードとなるので、初手キープが一考の余地のあるものになると思います。ブーム自体が生み出すアドバンテージには変化ありませんが、これだけで十分に意義のある調整であると感じます。メカが急襲を持つターンが遅くなるため、盤面で戦うデッキでも対抗することができるようになるかもしれません。

 

倍増する腕

このカードに関しては、私は使用したことがないので使用感は分かりません。

2ターン目ノースシャイアの聖職者に対してこのカードを使用するムーブは、特に盤面で戦うデッキに対して非常に強力だったと思います。センジン・シールドマスタのスタッツから分かるように、3/5は4,5マナ相当のスタッツです。カードを2枚使用し、計3マナ払っていることを考慮しても、2ターン目に3/5ミニオンが置かれるのが脅威であることは想像に難くありません。「2マナ2/2突撃×2」という見方をしても、かなりカードパワーが高かった事が分かります。

3マナに調整されることであまり見ないカードに戻ってしまいそうですが、このカードは調整がシビアなカードで仕方がないようにも思います。

 

バーンズ

長期間に渡り環境上位に君臨し、メタ形成の一端を担っているビッグプリーストのキーカードです。このデッキの存在のために、中速デッキは軒並み環境に居づらくなっていました。

このカードに調整が入ったところで中速デッキとの相性差が改善されるわけではないように思いますが、デッキパワーが落ちた結果環境から数が減り、ミッドレンジデッキに対する間接的な貢献が期待できます。

今となってはビッグプリーストひとつが環境にふたをしているわけではないようにも思いますが、運営がユーザーの声に耳を傾けてくれたことを嬉しく思います。ワイルドをやってみようかなという気持ちにさせてもらえました。

 

最後に

今までの調整では、勝率が飛び抜けているデッキに含まれるカードのいずれかを調整することで、デッキ間のパワーバランスを整えるという調整の仕方が続いていました。

今回の調整では、ユーザーにも問題視されているパワーカードに対して直接手が加えられています。

いずれも各デッキのキーカードであるため、テキストには変更が加えられず、マナコストの増加によって調整されています。明らかに使い勝手は落ちますが決して実用レベルを逸していないというようなものが多く見受けられ、採用の是非を主として検討の余地が残された調整のように思います。

しかし、これは裏を返せば比較的影響力の少ない調整であるという見方もできます。

相性差のみ変動し、環境デッキの変化はあまり見られないかもしれません。

いずれにせよ、今回のナーフはユーザーの声がしっかり反映されたものであることが分かるいい調整だという感想を持つことができました。

今後のメタの変化を楽しみに思います。