ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

MTGA記 2

6月末のMAC対応と同時にMtGアリーナをプレイ開始してから現在まで、最初に作った赤単ひとつのみで構築戦をプレイしている。アグロデッキが好みではないはずの私がなぜ2ヶ月程も連続してこのデッキを握り続けることができているのか自分でも不思議だが、理由はいくつか思い浮かぶ。

 

まず、MtG自体私にとって目新しいカードゲームなため、自分が握るデッキに関わらず新鮮な刺激を受け続けられているということだ。相手が持ち込んでくるデッキ、そこから繰り出される新たなカード、そのカード達からなる強烈なコンボ。多くが初めての体験なので好奇心を刺激されるし、なかなか飽きが来ない。

 

もう一点、ゲームシステムが奥深いことだ。これも私にとって目新しいシステムだったため思考を巡らせる余地に塗れていたというだけで、つまるところ飽きが来ていないだけかもしれない。しかし、少なくとも今のところは考えるに値する事柄に溢れていて非常に楽しめている。

具体的には、マナ関連のシステムに大きな魅力を感じている。今回はこれらのシステムについて書いていきたいと思う。

 

 

土地

今まで触ってきたほとんどのDCGは、無色のマナが毎ターン1ずつ自動で溜まっていくシステムが採用されていた。そのため、マナチャージが滞ることによる事故はなく、比較的快適にプレイできていた。

 

一方、このゲームでは、土地と呼ばれるマナチャージ専用のカードをマナゾーンに置くことでマナを伸ばしていくシステムになっている。

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土地を十分引けなければ、マナが伸びず相手とのテンポアドバンテージ差がどんどん開いてしまうため、初期手札7枚のうち少なくとも2,3枚は土地である状態でゲームを開始できるよう、デッキの土地採用枚数を予め調整しておくのが一般的だ。

マナが十分数溜まるまでは、毎ターン土地とそれ以外のカードの少なくとも2枚ずつを消費していくことになる。これは、ミッドレンジのようなデッキできれいに動いていった場合、5Tあたりで手札が枯れる計算だ。それ以降はトップデッキで戦うことになるが、この段階で土地を引いてしまうと盤面に戦力として還元できないため、とてつもないハンデを背負ってしまうことになる。

土地が詰まることをマナスクリュー、土地が溢れることをマナフラッドと呼び、いかにこれらの事故を回避するかをひとつの構築基準としながらリストを調整していくのが今の自分にとって非常に面白い。現時点ではまずシステムをよく理解することに重点を置いており、デッキを大きくいじる段階まではたどり着いていない。

 

独特の土地というシステムによって事故を誘発し、ユーザー体験を損ねてしまうことを避けるために、マジックでは「占術」というシステムが用意されている。

これは、指定された枚数分山上からカードを見て、それぞれ好きな順番で山上か山下に置くことができるというものだ。

この能力を持つカードを多く採用することで、必要のないカードばかり引いてしまうといった事故の確率を軽減することができる。

 

まだ事故率に関しては理解が浅いため、カードが集まってきた段階でリストを思う存分いじるステップを設けてみたいと思っている。

 

マナの色

土地にはそれぞれ色が設定されている。呪文を唱えるときは、少なくともそのコストに唱えるカードと同色のマナを1種類含まなければならない。

多色を設定された土地もあり、いずれかの色として使う事のできる代償にタップ状態でプレイしなければならない等制限が設定されている。

 

単色デッキでは関係のない要素だが、多色デッキになった途端に各色土地の採用バランス、手札の土地をどの順番でプレイするかといった要素も考慮せざるを得なくなる。一気にゲームが複雑になるだろうが、トップを見越したセットランドが決まったときは、確率が根本的なテーマであるカードゲームを制したような気分になれそうな気がする。

 

土地の採用枚数

土地は、カードをプレイするためのエネルギーであるマナを用意するのに必須のカードだ。しかし、マナカーブの頂点となるコスト数以上に土地を引き続けてしまうと、余分なマナが増えていくことになる。つまり、多くのデッキでは一定のマナ数を境にトップの土地が腐り始めてしまうのだ。

マナスクリューを最大限避けながら、可能な限りマナフラッドも嫌ってデッキの密度を上げておきたい。

この考えのもと、5マナあたりをカーブの頂点としたミッドレンジデッキでは、デッキ60枚のうち24~25枚を土地に充てることが多いようだ。これを基準に、軽量クリーチャーで攻めるためさほど土地がいらず、マナフラッドを避けたいアグロの場合は19~22枚ほど、ランプを絡めたコントロールやビッグ系のデッキであれば27枚ほどを土地に割り当てることになる。

参考

マナベースを作り上げよう|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

 まとめ

カードゲームでは、テックカードをピン挿しするかあるいは複数枚積むかといった点で意見が分かれることが多い。これは、ゲーム中に使用する回数が一度で済むのか複数回プレイしなければならないのか、もしくは必要な場面で手札に引き込めている確率を上げるために採用枚数を増やすのかといった問題があり、有意義な論点だと思う。

対して、二十数枚のカードに関して、一枚単位での調整は誤差で済まされる程度でしか変化をもたらさないように見える。しかし、私はこの数%のために真剣に調整を施すことを求めるこのゲームのシステムが、確率を一つのテーマとするカードゲームにおいて非常に面白いと感じさせられた。各々の採用枚数だけでなく、土地を除いたデッキの枚数も自由に決定できるというのは、構築の幅を大きく広げてくれている。

 

マジックでは、他のカードゲームに比べ自分でデッキを組めるプレイヤーが多いと感じるが、この一因にデッキビルドシステムの懐が深いことがあるのではないかと思っている。私も最近は出回っているデッキリストをコピーしてそのまま使う事が多かったが、カードが集まってきたら採用枚数を変えたり、カードを入れ替えたりして調整を楽しんでみようと思う。