ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

2/11 ハースストーン甲子園

kaoruさん主催のスタンダードフォーマットのチーム戦大会、ハースストーン甲子園に参加した。

チーム戦による大会の参加は3度目だが、今回は同じ出身地のメンバーとともに戦うことができ、いつになく楽しめた。勢いに乗って優勝までたどり着いてしまった。

今回は、この大会に参加した記録を残したいと思う。

 

主催のkaoruさん、実況・解説の蒼汁さん、oyatsuさん、運営に関わる方々、とても貴重な時間を過ごすことができました。このような機会を頂きありがとうございました!

 

 

チーム結成

Twitterでハースストーン甲子園開催の知らせを見た私は一目で惹かれ、すぐに参加を決意した。

とりあえず出身地である山形の代表として応募し、他の応募者達と一緒にチームを組む算段でいた。しかし、いつまで経っても山形県の代表者応募がなく、本当にチームが組めるのか徐々に焦り始めた私は、応募締め切りが近づいてきた頃、hs仲間の「paradox」さんにそれとなくhs甲子園についての話を振った。まだ彼をチームに誘うつもりはなかったが、彼はワイルドで4サーバー1位を達成しており、各国の強豪プレイヤーが招待されるワイルド大会に出場し、成績上位に上り詰めるほどの実力者である。ワイルドを制覇するだけでは飽き足らず、スタンダードでも名を轟かせるという野心を抱いており、近頃はスタンダードも精力的に攻略していた。そんな彼がチームに加わってくれたらどれほど心強いだろう、という下心を隠しつつ声をかけたところ、彼のほうから一緒に出場することを申し出てくれた。山形は彼にとって縁のある地だということで、チームメイトとしてこの上ない存在だったので、二つ返事で了承した。

3人一組のチーム戦だったため、あと一人メンバーを探さなければならなかったのだが、paradoxさんも、なぜか私も、ワイルドプレイヤーが周りに多く、気軽に声をかけられるプレイヤーが思い当たらなかった。そんなとき、ふと私のhsのフレンド欄にいた「こくとー」という名前に目が止まった。彼は、ある有名hs配信者のチャット欄に頻繁に現れていたプレイヤーで、そのセンスあるコメントに私はいつも感心していた。ラダーでたまたま対戦したことをきっかけに私が彼のゲームをしばしば観戦させてもらう仲になり、彼の独創的なデッキと人間味溢れるプレイを見ながら、いつか話をしてみたいと思っていた。ちょうどいい機会だったので声をかけてみたところ、初めは参加にとても消極的だった。しかし、押せばいけると直感した私は猛プッシュを仕掛け、無事仲間に引き入れる事に成功した。このときは忘れていたのだが、彼も山形県が出身地だということを以前聞いていた。こうして偶然にも山形ゆかりのプレイヤーが3人集まることとなった。

 

準備

paradoxさんとこくとーさんは直接の接点がなかったため、私がパイプのような役割を務めながら準備を進める形になった。本当は大会の前に一度集まり、持ち込むデッキの相談や調整を一緒に行う予定だった。しかし、それぞれの都合がなかなか合わず、結局大会当日まで一堂に会したことはなかったように思う。このような状況でも微塵も不安を感じることがなかったのは、信頼のおけるメンバーが集まってくれたおかげだ。

デッキに関しては、私が環境でかなり立ち位置のよさそうな武器ローグ、paraさんが得意な自傷zoo、こくとーさんが直近のメタで頭角を現し始めて来ていた復活プリーストを持ち込むということでまとまった。調整は図らずも各自で進めることになってしまったが、paraさんは準備期間で嫌になるほど練習していたし、こくとーさんは日頃からスタンダードを触っている経験値があり、メタに関して卓越した知識を持っていた。この中では私が最も足を引っ張りそうな立ち位置にいると考えていたが、特段練習に打ち込むようなことはなかった。それは、hsを始めてからの総合経験値はそこらのプレイヤーには負けないという自負と、やはり二人のメンバーに寄せる信頼が絶大だったという部分が大きいと思っている。ワイルドで回していた武器ローグの経験値を大きな土台にして、デッキリスト公開制による情報とカードゲームの総合力をもとに勝負を仕掛けるつもりでいた。

 

 大会本番

改めて出場者の面々を確認すると、どこも強豪プレイヤーから成っているチームばかりで、少なくとも私は及び腰で挑んだ試合ばかりだった。

毎試合ラスボスと対峙するような絶望感、恐怖感を抱きながら戦った。

ただ、ゲーム中は雑念を振り払い目の前の展開に集中できる私の元来の特性と、いつでも相談できる頼もしいチームメイトの存在のおかげで、常に勝ち筋を見据えたプレイをできたと思っている。

以下、簡単にゲームの展開を記録していきたい。

ルールは、決勝戦までは先鋒、中堅、大将として3デッキの順番が事前に決まっているBo3。決勝戦のみ先鋒、中堅、大将の順番が事前に決まった勝ち残り戦。

 

ブラケット及び各チームのデッキリストこちらから

 

第1ラウンド vs 神奈川B

○ 先鋒 ローグ vs プリースト

× 中堅 プリースト vs ローグ

○ 大将 ウォーロック vs ウォリアー

 

復活プリ対ハイランダープリは必敗ということで、このマッチは全力で避けたかった。

また、私の武器ローグとparaさんの自傷zooはアグロローグ以外なら相手をできそうだという予想を立てた。

実際のマッチは最悪の展開にはならず、第1ラウンドをとることに成功した。

中堅の試合は、ドロースペルからの火力でちょうど削りきられる接戦だったため、悔しさの残るラウンドとなった。

 

第2ラウンド vs 群馬

× 先鋒 プリースト vs ローグ

○ 中堅 ローグ vs メイジ

○ 大将 ウォーロック vs パラディン

 

ローグは依然アグロ型で、こちらのどのデッキも厳しそうだった。

メイジはアグロデッキどちらかを当てれば勝てそうだったため、誰かをローグの犠牲にして残りのゲームを取りに行くという作戦で挑んだ。

第2ラウンドも危なげなく勝ち取ることに成功したが、プリーストが第1ラウンドと全く同じ展開でジャストリーサルを食らってしまった。精神的にダメージが大きそうだったので、次のゲームでは仮想敵に当たれることを祈りながら進んだ。

 

第3ラウンド vs 岐阜

○ 先鋒 ローグ vs パラディン

○ 中堅 ウォーロック vs デーモンハンター

− 大将 プリースト vs ローグ

 

ウォロがデモハンの相手をできなさそうだということで、これを避ける方向で考えた。

デモハンは最後に来そうだったためプリを当て、残りをローグとウォロで相手しようという算段で挑んだ。

ウォロは厳しい相手だと予想したデモハンを踏んでしまったが、会心のぶんまわりと細心の注意を払ったプレイで勝利をもぎ取ることに成功した。

相手のローグは私と同じ中速タイプの武器ローグだったが、一生ローグと当たっているこくとーさんに回すことなく決着がついてよかった。

 

第4ラウンド vs 愛知A

× 先鋒 ローグ vs ローグ

○ 中堅 プリースト vs ウォリアー

○ 大将 ウォーロック vs デーモンハンター

 

このラウンドは、ローグ→デモハン、プリ→ウォリ、ウォロ→ローグという形で理想の当たり方が決まっていたように思う。あとはお祈りしてオーダーを見るだけだ。

実際のゲームでは、プリをウォリに当てることには成功した。

私は、相手のコンボローグに3T12/12エドウィンを立てられ、昏倒を引けずに負けてしまったが、残りの二人が堅実なプレイによりゲームを拾ってくれたため、チームとして勝ち上がることができた。

ここまで上がってこられた時点で既に想定外の出来事だったため、配信卓で決勝に挑むという事実に全員が驚愕していた。

 

第5ラウンド vs 福岡

*この決勝のみ勝ち残り戦

 

○ ローグ vs ドルイド

○ ローグ vs ローグ

× ローグ vs パラディン

○ プリースト vs パラディン

ウォーロック vs N/A

 

このラウンドは勝ち残り戦ということで、速いデッキで敵を倒して、討ち漏らしを残りのメンバーで片付けるというプランを立てた。受けの広そうなローグを最初に出し、残りをプリーストで、最後に代表のparaさんが構えるという形になった。

 

一戦目、武器ローグvsトレントドル。

後攻3T、電光刹花からグローフライの群れで4体の2/2トークンを出されることになったが、ミニオンを並べながら2枚の死角からの一刺しを使えたため致命傷にならずに済み、テンポよくカードを切っていくことで盤面を制圧して勝利。

 

二戦目、コンボローグ。

こちらはマナ通り終始きれいに動き続けることができた。

相手は4Tハンドをほとんど吐いて秘密の通路を打つことで、エドウィンの勝ち筋を見ていたようだが、引くことに失敗してリソース差が開き、こちらが勝利することができた。

 

三戦目、聖典パラディン

こちらは短期決戦にしか勝機がないと踏み、終始フェイスを削るプレイを一貫した。

しかし、相手のプッシュも強く、あと1点というところで勝利を譲ってしまった。

 

四戦目、復活プリvs聖典パラ。

徹底して盤面の打点を削ぎ、ペン投げ野郎をイルシアによって落としてリソース勝ちするというプランのもと、コントロール戦を仕掛けた。

相手もコントロールタイプのプリーストに慣れているようで、知恵の聖典をこちらのミニオンに打って除去することで手札を圧迫し、トップのカードを燃やしてキーパーツのイルシアを落とすというプレイを選択してきた。合計3枚ほど燃やされたが、死の災厄1枚が少し痛かったくらいでミルによるダメージは大きくなく、イルシアで永続火力であるペン投げ野郎を落とし勝利。

 

所感

冒頭でも書いたとおり、チーム戦ルールの大会には複数回参加しているが、今回がダントツで楽しかった。

真剣に勝利を見据えながらも、険悪なムードになることなく終始和やかに進められたのが、私のプレイスタイルに合致していた結果だと思う。素晴らしいチームメイトに恵まれて幸運だった。

考え得る限り最高のチームを組めた自信はあったが、一方で対戦相手が強豪揃いで尻込みしていたため、私個人としてはまさか最後まで勝ち進むことができるとは思っていなかった。これが三位一体となった時のパワーなのだろう。カードゲームではなかなか味わえない貴重な体験をさせてもらった。

また、カジュアル大会では珍しいしっかりとしたスタイルの配信が用意され、しかも実況解説には公式キャスターが起用された。このゲームの競技シーンに興味のあるプレイヤーなら彼らに自分のゲームを見てもらうのはまさに夢のような体験だろう。いい思い出になりそうだ。

今回の大会に対する感想は、なにもかも「最高」の一言に尽きる。またこのような大会があれば、ぜひ参加したいと思う。