ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

MTGA記7

イニストラード:真夜中の狩りが実装されて1ヶ月が経った。既に次弾発売まで既に1ヶ月を切っていることに戦慄している。

今期も例に漏れずドラフトが非常に楽しく、存外勝てる環境だった。しかし、下振れを連続で引いてしまったため、今後の資産形成が滞るリスクを嫌い新弾まで挑戦は控えめにしようと思う。だから、中途半端なタイミングではあるがいつものように今環境の感想を書いていきたい。プレミアドラフトについての話になる。

 

今環境のキーワードは、降霊、及びフラッシュバックだ。前者は死亡したクリーチャーを墓地から裏面で唱えられる能力、後者は一度目より重いフラッシュバックコストを支払うことで同じエフェクトのスペルを墓地から再詠唱できる効果である。これらを使えばリソースが尽きにくい、つまりマナフラッドを受けやすいデッキを簡単に組むことができる。息切れを気にせずデッキを前に寄せることができるため、環境は高速になっている。

高速になっている理由はそれだけではない。クリーチャーのタフネスが全体的に控えめで、アタックは2あれば十分戦えることが2マナクリーチャーの価値を高めている。2,3マナ域をいつも以上に厚くし、ドローゴーするターンを作らないことが肝心だ。

 

いくら降霊、フラッシュバックがテンポロスなくアドバンテージを稼げると言っても、後半のリソースを墓地の再利用に依存していると、墓地対策カードにより痛い目を見ることになる。戦墓の大群を始め、プレイアブルな墓地追放がプールに存在するため、墓地リソースは過信できない。攻めの降霊フラバに受けの墓地対策が睨みを利かせるきれいなメタゲームはリミテッドの環境とは思えないほど美しい。

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降霊、フラッシュバックの墓地追放に対するデザインのされ方も秀逸だ。

フラッシュバックは、即時効果が売りのスペルに対してついている能力なため、効果は同じでも2回目のコストは高めに設定されている。墓地追放にとってはこのタイムラグが猶予として機能する。

降霊はクリーチャーに与えられる能力で、裏面のマナレシオは標準的なものになっている。即時性のあるスペルとは異なり、クリーチャーは召還酔いや除去スペルなど、機能するために越えなければならないハードルが複数ある。裏を返せば、降霊持ちのクリーチャーにはフラッシュバックスペルと比較して対処する手段が多く残されているということであり、これを鑑みると降霊コストが安いのも合点がいく。

 

MTGアリーナでは、普段からマスタリーパス購入用のジェムを残した上での立ち回りを心がけているが、今シーズンは序盤からジェムに余裕があったため、プレミアドラフトを存分に回した。

その中で得た収穫が、2マナ域の重要性、及び5マナ以上のファッティの脆弱性に自ら気づけたことだ。前者はゲーム中の感覚から、後者は満足に戦えたデッキリストの傾向を分析した結果認識した事柄である。

低コスト帯の重要性に関しては、私が提唱する前に知り合いが記事に軽く書いていた。特段意識下にはなかったとはいえ、これが無意識に残っていたため引っ張られた可能性もある。だが、そうだったとしても改めて自分の感覚として確認できたことは進歩だと思っている。

ファッティが不要であることに関しても、低コスト帯が重要であることを踏まえれば、論理的に導くことのできる事柄であるかもしれない。しかし、私としてはマナフラッドを受ける優秀なギミックのおかげでフィニッシャーを厚く取る必要が薄くなった結果、より序盤戦にデッキのスロットを割けるようになったという解釈を当てはめたので、この発見は意味のあるものだったと思っている。この時点ではまだビッグドロップに関して触れた記事を見ていなかったため、低コスト帯の重要性よりも気づいた喜びが大きかった。

 

今期のドラフトは、知り合いのリミテッド巧者によるカード寸評をもとにカードの点数を割り出してピックしている。特に、緑の影野獣の目撃、風変わりな農夫は彼の評価に基づきいち早くその強さを把握できたカードだ。コンバットメインになりやすい緑を多く組み込んだため、上記のマナカーブの適応が早く済んだのかもしれない。このような話をフラットに議論できる仲間ができたのは初めてのことで、そのありがたさを噛みしめながらMTGを遊んでいる。

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自力の方も恐らく着実についており、ドラフトの勝率は少しずつ上がっていると思う。とはいえ、リミテッドを遊び続けるには下振れを引いたときにも動じない量のジェムを保持することが肝心だということに気づき始めている。どこかの環境を貯蓄期間に充てるか、大勝して十分なジェムを稼ぐのかは難しい選択だが、その辺りのマネジメントも楽しみながら今後もこのゲームを続けていきたい。