ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

ミルデッキ

他のHSプレイヤーのブログを巡っていると、当時開発したデッキやレジェンドに到達したデッキ等を感想とともにまとめたような記事が散見され、とても楽しく読ませてもらっています。

私も常々書いてみたいと思っていたのですが、今は特筆するようなデッキを持ち合わせていないので、一昔前のデッキではありますが明確に私のプレイングの基礎を築いてくれたといえるものを記録してみようと思います。

 

ミルウォリアー 

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参考リスト

私のHSプレイ史上5本の指に入るくらい最も練習したデッキです。

リストに1枚くらい誤差がありそうですが大枠はこのようなものを1番長く使用していました。

マッチアップやそれに基づくテックカードも記載しておきたいところですが、もはや過去の環境の話になってしまったので、ここでは大まかにデッキの雰囲気だけまとめておきたいと思います。

 

このデッキは、死人の手札を有効に使用することにより自分だけファティーグを避け、相手のリソースを捌ききった後ファティーグダメージ差で勝つことを主な勝ち筋とするデッキです。

相手のデッキを減らしていき、ライブラリアウトによって勝利するようなデッキがミルと呼ばれています。

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コールドライトの託宣師×2、死人の手札×2、かかって来い!+α(いずれかの2マナ除去札)

このような6枚のカードを最後に残せると、コールドライトの託宣師(以下オラクル)×2+(かかって来い!or除去)+死人の手札できれいに10マナループが完成し、簡単にファティーグ勝ちすることができます。

しかし、実際にこのループが完成することは稀で、マッチアップや状況に合わせて柔軟に勝ちを拾いにいくことが求められる、非常に難しいデッキでした。

 

学び

ミルウォリアーの練習の過程で得た感覚は、非常に有用なものでした。

 

このデッキは、マッチアップによって必要なカード、腐るカードの区別が明確についていました。

例えば、ミラーマッチでは乱闘止めの一撃を早めに使っておかないと使うタイミングを失ってしまい、そのままループに入りこれらが不必要に増殖する事態が起こりました。キーカードはオラクルと死人の手札のみです。

しかし、ビッグプリースト相手には、乱闘止めの一撃はキーカードで、死人の手札で増やしながら使うべきカードでした。反対にこのマッチでは暴食ウーズ待ち伏せのガイストが明らかに弱いカードです。

 

マッチアップごとの必要カードを吟味する過程で、カードの価値を再確認することができました。例えば、私にとって止めの一撃のような確定除去は非常に強く、相手の切り札を除去できる場面まで温存しておきたいカードでした。しかし、このカードはあくまで2マナのカードなので、対象にダメージを負わせる手間を考慮しても3マナミニオンを処理できるだけで十分なアドバンテージを稼いでいるということに気づいたのです。

 

必要カードのみならず、ゲームの勝ち筋もマッチアップによって多様でした。ミルという名前がついてはいますが、必ずしもオラクルによるミル勝ちを狙う必要はありませんでした。

新兵パラディンのようなアグロ相手には、2枚の死人の手札でループを作る必要はなく、除去札を増やしていなすだけでリソース勝ちすることができました。

一方ミラーでは、オラクル以外のカードをいち早く使い切り、オラクルのみでループを完成させて先にファティーグ勝ちを狙うのが主な勝ち筋でした。

HSのプレイ歴は長い方だと自負していますが、マッチアップごとに勝利プラン及び必要カードを選択し、それに合わせてマリガンを変えられるようになったのはこのデッキに慣れた最近のことでした。

 

ミルローグ

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参考リスト

このリストは、段取り×2が足りていません。

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私がミルデッキに興味を持ったきっかけです。もっと最適なリストがありますが、私が最も練習していたときのカードプールだと、このようなリストが限界でした。

 

ラクルを使い回しながらデッキ切れ付近まで凌ぎ、フィニッシュターンでシャドウブレード+オラクル複数枚を使ってファティーグダメージを使いバーストを出すのがこのデッキの狙いです。

ミルウォリアーと違い、限られた除去札で戦うしかないため、リソース差で勝つことはできません。よって、アグロ相手であっても専らファティーグ勝ちを狙うことになります。

ラクルは影隠れ等のバウンスカードにより即座に使い回すことができるため、こちらのドローに合わせて相手にオーバードローを強要させ、擬似的にカードを除去する戦術をとることもできました。

相手にオーバードローをさせるデッキだと思っているプレイヤーも多いらしいのですが、フィニッシュ以外のオラクルはこちらのドローソースとしての側面が強く、オーバードローはあくまで副次的な効果です。

中盤戦の感覚は、オラクルによってお互いのドローを加速させることを通じて試合展開を早め、増えすぎた手札の切り方に困っている相手をよそ目にこちらは段取りによる疑似マナ加速でアドバンテージを得るといった形です。

 

勝ち筋は異なるものの、勝ちまでの過程はミルウォリアーと通じるものがあり、先に練習していたこのデッキのプレイ経験がミルウォリアーのプレイにも活きました。

 

最後に

これらのデッキは、かなり癖の強いコントロールデッキです。しかし、プレイできるようになると必ずやカードゲームに対するより深い理解を得られるだろうと思います。

ミルローグは、形を変えて現在のワイルドでもカウンターデッキとして活躍しているようです。もし興味のあるプレイヤーがいれば、ぜひ試しに触ってみて欲しいと思います。

挑発ミニオンのフェイス or トレード

ミニオンで相手フェイスを詰めるのか、相手ミニオンとトレードして盤面を作るのかという選択は非常に悩ましく、どちらを選んでも裏目がある事が多いので、リスクの低そうな方を選ぶといった方法でしか行動を決定できません。

しかし、挑発能力を持ったミニオンのフェイス or トレードは、他のミニオンと比べて基準を設けやすいです。

 

挑発ミニオンの役割

挑発ミニオンの役割は、自陣にいる仲間ミニオンを相手ミニオンの攻撃から守ることです。これによって、盤面からの継続打点を確保し、試合展開を有利に進めていきます。

また、ライフを詰められている状況で致死圏に追い込まれることを防ぐ役割もあります。この役割は、挑発ミニオンでしか担うことができないため、序盤の選択肢のあるターンには非挑発ミニオンからプレイしていくことを心がけたいです。

 

現在、闘技場のプールで猛威をふるっている代表的な挑発ミニオンタール・クリーパーが挙げられます。3,4Tに5点を出すのは難しく、多くの場合カード2枚分とのトレードを強要します。

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このカードは、3Tにプレイしても十分な活躍を期待できますが、特に自陣が空であるときは、他のミニオンカードから先にプレイしたいです。

空の盤面に挑発ミニオンを置いても、自分のヒーローのライフしか守ることができません。それでも十分な仕事をしてはいますが、やはり打点の出るミニオンを守る使い方の方が挑発ミニオンに価値を持たせることができます。

また、タール・クリーパーの場合は特に顕著ですが、挑発ミニオン自体のアタックはあまり高くなく、トレード性能は低めに設定されている事が多いです。歴史愛好家のような、即座に処理することを求められるミニオンをプレイされた際、こちらからミニオンを使った処理は仕掛けづらくなってしまうので、3T選択肢がある場合は、3 3/4を先置きし、相手の3/4をアタック+ヒーローパワーで処理できるような盤面にしておけると心強いです。

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挑発のフェイス or トレード 

挑発ミニオンは、相手フェイスを詰める前提で考えを始めます。

盤面では、相手はミニオンをこちらの挑発にぶつけるしかないため、結局相手側からミニオンを挑発に当ててきます。このとき、こちらから挑発を使ってトレードを仕掛けてしまうと、ただただ挑発によるフェイスへの打点を損してしまっているということが分かると思います。

 

まずトレードを仕掛けることを考えるのは、挑発を持っていない周りのミニオンからです。周りのミニオンは、挑発が突破されない限り相手ミニオンの攻撃対象にはなりません。しかし、もちろん挑発ミニオンは攻撃対象になってしまうため、挑発ミニオンを生き残らせたい場合は周りのミニオンを使うなどして相手の打点を削る必要があります。サイズの大きい挑発で、今後有効な打点源になってくれそうな場合等は、生き残らせることを検討したいです。

 

挑発ミニオン以外によるトレードが済み、自陣の挑発ミニオンの攻撃によって相手の盤面を空にできる場合は、挑発によるトレードを検討します。主に、鬼軍曹をはじめとするバフで挑発ミニオンが倒れてしまいそうなときです。

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このようなシチュエーションでは、こちらからトレードして盤面を空にしておくことで、バフを腐らせ有利に試合展開を進めることを見込めます。特にパラディン相手には有効なプレイになるでしょう。

また、ローグには病魔の運び手という、ミニオンに猛毒を付与するカードが存在します。

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このカードはかなりパワーが高く、多くのプレイヤーがピックしていることが想定されるので、特にローグが相手であるときは挑発をトレードに回すことになっても念入りに盤面処理をしておきたいです。

 

ここまでのプレイは、盤面だけを見た場合のプレイです。

相手の手札には、除去スペルや急襲ミニオンが控えている場合もあります。特に除去札が確定除去である場合、あるいは急襲ミニオンによって一撃で挑発が倒されてしまう場合は、1:1以下の交換になってしまい挑発のバリューを十分にいかせないことが考えられます。あまり相手のライフが削れておらずゲームが長引きそうなときは、確定除去をケアする場合トレードに回る方が安全な選択になります。残り数ターンで決着をつけなければならないような状況では、バリュー勝負を捨て、フェイスを詰めにいくプレイも考慮したいです。

所感

私は、アグロ、ミッドレンジ、コントロールの3タイプにデッキを大別した時、ミッドレンジデッキが一番好きですし手になじむデッキだと思っています。

一般的に、ミッドレンジはアグロに強く、コントロールに弱いという特徴を持つデッキタイプのようです。

しかし、ハースストーンではこのように簡単な相性表には当てはまらない事が多いです。各デッキタイプの中にも、幅広い特徴を持つデッキが存在しているためだと思います。

私はこのミッドレンジタイプの中でも、アグロとコントロール両方を見ることのできるものが好きです。特定のデッキ相手に特化しているわけではないので、引き運やプレイング次第ではどのデッキにも負ける可能性があります。しかし、マッチングした瞬間に結果が見えているゲームが苦手なので、どのデッキ相手にも五分前後で渡り合えるデッキの方が性に合っていると感じます。

私が触ってきたデッキの中でこのようなタイプに当てはまっていたように思うデッキリストは、ミッドレンジハンター、ドラゴンウォリアー、ドラゴンプリーストです。

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参考リスト。うろ覚えですが、コアカードからニュアンスをくみ取ってもらえたら嬉しいです。

 

いずれも、挑発ミニオンを含み、中盤のミニオンの質が特によく、フィニッシャーを数枚持っているというデッキです。

これらのデッキは、挑発ミニオンを始めとするアグロメタのカードのおかげで、早いデッキも捌くことができました。遅いデッキ相手にも、質のいいミニオンをテンポよく出し、圧力をかけていくことで、相手の除去札を枯らし、フィニッシャーで止めをさすというきれいなゲームプランを通すことができていました。

しかし、やはりドローが噛み合わなかったり、相手の除去札の切り方が的確だと、競り負けてしまうこともしばしばありました。このような紙一重のところで戦っているという感覚がとても楽しかったのを覚えています。

 

しかし、持ち出した上のデッキがどれもしばらく前のデッキであることから分かるように、久しくこのようなミッドレンジデッキを触れていません。直近で最も好みに近かったのはズルジンの入ったミッドレンジハンターでしたが、このデッキは中盤のミニオンが薄く、私の印象としてはコントロール色が強かったので好みとは少し離れていました。

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参考リスト

 

私はメタ読みには疎いので、ミッドレンジデッキが増えない原因がメタのためであるのかは分かりませんが、前拡張では招来メイジやコントロールウォリアーの存在で中速デッキは十分に活躍しきれないだろうとは思っていました。また、カードプール的にも中盤のグッドスタッツが不在であるように感じていました。

 

しかし、今年初めのスタン落ちによってDKがワイルドカードになり、今拡張でカードプールが広がった結果、ようやくミッドレンジデッキの活躍の兆しが見えてきたように思います。

 

現在最も上記3種のようなデッキを組みやすいのはウォリアーではないかと思っています。もともと中盤のミニオンの質は悪くなく、デッキ外リソースではありますがフィニッシャーも用意できていたヒーローに、今拡張でいくらかの挑発カードが与えられました。アグロ耐性はばっちりですし、ドクター・ブームのヒーローカードのおかげでコントロール相手にも長期戦をしかけることができます。

一方このヒーローは、与えられているカードがコントロールデッキに採用するのに適したものも多く、コントロールデッキを組んだ方が高いパフォーマンスを期待できる事が考えられます。特に、現在ならどのデッキであっても入れ得であろうヒーローカードが、7マナ払って盤面には一切干渉しないターンを挟む見返りに、それ以降圧倒的なアドバンテージを稼ぐというコントロールデッキにおあつらえ向きの性質をしている事が気にかかります。デッキを組むからにはいい戦績を期待したいので、ウォリコンを超えられるかが試金石となりそうです。

 

もう一人、ハンターもミッドレンジデッキが組めそうだと感じます。

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これらのカードは、まさに私が求めていた中盤のグッドスタッツミニオンです。上のミッドレンジハンターのリストと数枚入れ替えれば、私の好みには大きく近づきそうです。

問題は、どのカードも活躍するシチュエーションが限定的であることです。特に荒野のブラッドスティンガーが十分にパワーを発揮するには、メタが噛み合っている事が条件になります。

テンポよくミニオンを展開していきたいミッドレンジデッキにおいて、プレイの状況を選ぶカードはできるだけ少なくしておきたいので、特殊構築を組むなどして解決したいです。

ミッドレンジハンターには挑発ミニオンが少ないので、上のようなデッキが持つ方法でアグロをさばくことは難しいです。しかし、現在は当時なかった「急襲」のキーワード能力を持つカードが存在します。挑発は突撃に対しても有効で、先置き可能ですが、除去や沈黙によって打点吸収の役割を持てなくなってしまいます。対して、急襲は突撃に対して無力で、既に展開されているミニオンに対して後出し的にプレイする必要がありますが、打点削減の役割を確実に担ってくれます。考え方によっては、急襲を挑発の代わりに使う事も可能なので、環境をみて柔軟に動きたいです。

 

まだ新拡張のカードを全ては把握できていないので、これ以外にもミッドレンジデッキが出てくるヒーローがいることを期待しています。

 

私は、デッキ構築の経験はほとんどありませんが、強烈に覚えているものがひとつだけあります。

上の例に挙げたドラゴンプリーストがスタン落ちで使えなくなったとき、落ちたカードを抜いて調整していった結果以下のようなリストに落ち着きました。

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このリストは、トッププレイヤーが実績を残したリストと一枚違いでした。ブック・ワーム上級回復ポーションになっていたと記憶しています。リストがほとんど同じなので、カードの採用理由も分かりますし、ブック・ワーム上級回復ポーションも採用のメリット、デメリットを理解した上でなおブック・ワームを選択できたので、非常に満足のいくデッキ構築経験になりました。

新たなデッキタイプを創造したわけではないので、このようなことは珍しくないと思いますが、それでも構築初心者が自信をつけるのには十分なできごとでした。

 

今期は、拡張パックを闘技場で十分稼いだあと、手になじみそうなデッキが開発されていなければ、デッキ構築にチャレンジしたいと思っています。もしデッキを組んでみたいという方がいれば、とても楽しいのでぜひ一緒にチャレンジしてみてほしいと思います。

ランク戦 / 闘技場

私は、時々ハースストーンのライブ配信をしています。始めた頃は闘技場配信がメインでしたが、しばらくしてから気分でランク戦の配信もするようになりました。

闘技場配信からランク戦配信に切り替えた頃、闘技場のプレイを見に来てくれた視聴者の方から、「ラダーって何が楽しいの?」というようなコメントをもらいました。

 おそらく本気で聞いているわけではなく、アリーナプレイを期待して覗いた配信での話題提供程度の質問だったのだと思います。私も緩く解答したつもりでしたが、それにしてもとっさにはきれいに言語化できず、しどろもどろになったことを覚えています。

 そこで、この記事を使って改めて構築戦、ドラフト戦それぞれの特徴をまとめてみたいと思います。

 

 

ランク戦

構築戦の魅力を一言で表すと、好きなデッキを使えるというところに集約するのではないかと思います。

9人のヒーロー選択から始まり、デッキタイプの決定、採用カードの吟味と、試合に入らずともこれだけで無限に時間を費やせます。

ゲームの内容に関しても、ドラフト戦とは一線を画します。これだけ長い歴史を持ち、カードプールもかなり広いこのゲームといえど、プレイヤーによって洗練された結果、戦える一線級のデッキは数が限られています。対峙したヒーロー、もしくは使用カードを数枚見れば、相手のデッキタイプを推測することは容易です。

相手のデッキタイプが分かると、その後のゲーム展開を頭の中で組み立てていくことができます。理想の展開に、実際のゲームの展開を少しでも近づけていく過程が構築戦の最も楽しいポイントだと思っています。

カードゲームなので、使いたいときに丁度そのカードが手札にあるとは限りません。

また、相手も切り札を通すために先に小粒のカードを並べて除去を強要してくるかもしれません。

しかし、相手の使用してくるカードは予想がついているため、どのカードに対してどのカードを当てる必要があるのか、事前に想定しておくことができます。

目の前の状況を打開するために除去を使ってしまうのか、もしくは温存しないと今後返せなくなるために他の動きでごまかすのか、はっきりとした駆け引きをできるところが醍醐味です。

 

構築戦ではカードプール内から自由にカードを使ってデッキを組むことができますが、かえって使用できるカードが制限されてしまっているように感じているプレイヤーも少なくないと思います。

ランクを上げるためには対戦で勝つ必要があるため、プレイヤーは同じカードプール内でもより強いカードを使用します。

すると、対戦相手が使用するカード、デッキはほとんど見慣れたものになっていきます。強いデッキを使う対戦相手と対等に戦うには、こちらも同程度のパワーレベルを持つデッキを使用しなければならないため、自ずと限られたカード群から使用カードを選択している感覚になってしまいます。このことから来る飽きを解消できるのが闘技場です。

 

闘技場

ドラフト戦は、予想もつかない試合展開が一番の魅力です。

 ドラフトの名の通り、ゲーム側からランダムに提示される3択の中からデッキへの採用カードを1枚ずつ選んでいく方式がとられているため、採用基準が構築戦とは大きく異なるカードもあります。構築戦ではあまり見ないカードも使う事ができ、カードの新たな側面や魅力に気づくことができます。

予め相手の採用カードが割れている構築戦とは違い、ドラフト戦では相手のデッキリストはわかりません。構築戦と比べて、手札にあるかどうかではなくピックできたかどうかというような曖昧な駆け引きになりますが、ここから来る最後までスリル満点のやりとりが闘技場の醍醐味です。

 相手が使用するカードは、はっきりそれとは予測できないため、ミニオンであればそのマナ帯の標準スタッツ、呪文であれば採用率を基準に予測するといいと思います。

例えば、6ターン目であればこのマナ帯の代表的なバニラスタッツのミニオンボルダーフィストのオーガです。

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実際にトレードするかは別として、このミニオンをボードの打点で倒せるように、合計6,7点分くらいのミニオンを召喚しておきたいです。これだけ打点があれば、挑発持ちのミニオンをプレイされても、バニラミニオンよりはスタッツが低めに設定されている事がほとんどなので突破することができます。

AoEのケアも、この方針を前提にすると考えやすいです。バニラミニオンを倒せるクロックを盤面に用意した上で、それ以上展開する必要があるのか(リーサルターンが早まるか)考慮すると、悩む時間を減らせるのではないかと思います。

想定されるAoEが、フレイムストライクのようなダメージを与えて除去する呪文だった場合は、それを受けても生き残るミニオンを1体でもプレイできれば心強いです。

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AoEの怖いところは、1枚で複数のカードを除去されることもそうですが、それをきっかけに攻めが途切れてしまうことです。1体ミニオンが残るだけでもその後の展開を有利に運べるので、ミニオンが残るよう上手く調整したいところです。

AoEで除去されるミニオンは、カード3枚分を目安にしたいです。それより多く巻き込まれてしまうと、アドバンテージを取り返すことが非常に厳しくなってしまいます。3枚未満だと、そもそも相手はAoEを打たず、ミニオンをプレイすることで盤面を取ってくる可能性が出てきます。解決を先延ばしにするだけになってしまうので、打たせるべきタイミングで打たせておきたいです。

ミニオンの数ではなくカードの枚数なので、シルバーハンドの騎士による2/2といった、ついでに召喚されるトークンに関してはノーカウントです。このような1枚で複数ミニオンを並べるカードでかさ増しして、AoEを誘う動きも悪くありません。

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ただし、除去呪文を手札に握れている場合はこの限りではありません。ダメージを与える呪文であれば、その呪文の打点分盤面にミニオンを出さなくてもよくなりますし、確定除去であれば、相手のAoEをケアして過剰な展開を避けることも選択肢に入ります。

 

私のイメージですが、構築戦はデッキ構築よりもプレイングに重点を置かれやすいのに対して、ドラフト戦ではカードピックに関する知識が重要なモードだと思っています。

構築をメインでプレイしているプレイヤーは、ドラフト戦に苦手意識を持っている事も少なくないと思います。

しかし、現在は闘技場でのカードの強さを点数化しているサイトや、ピックを補助してくれるツールが利用できます。ピックの壁を越えれば、構築戦で磨いたプレイングスキルを存分に生かせる実戦が待っているので、慣れるまでこれらを利用してみて欲しいと思います。私は、ドラフト戦のプレイに多少慣れてきた今でも愛用しています。

 

最後に

ランク戦と闘技場は、どちらも特徴的な魅力を持っています。しかし、苦手意識を持ってしまっているがために、片方のモードでしか遊んでいないというプレイヤーもみかけます。ですが、苦手だからという理由でやらないというにはもったいないほどどちらも楽しくて奥が深いモードです。続けていれば自然と要領はつかめてくるので、ぜひ両方のモードを楽しんで欲しいです。

どちらのモードも互いに必要なスキルが異なるため、適当な期間で交互にプレイすれば、丁度いい息抜きになるのではないかと思います。

また、資産面でも互いに補完関係にあります。ランク戦の勝利報酬で稼いだゴールドを使って闘技場に入場し、ランク戦で必須となる拡張カードを割安で手に入れるといった具合です。初めだけ少し頑張れば、ゲーム内通貨だけでやりくりできるほど資産が貯まっていくことでしょう。

ゲーム遍歴

数多くのゲームをプレイした経験のある人ほど、新規のゲームを始める際に飲み込みが早いということがしばしばあります。これは、ゲームには進行する上でいくつかのセオリーがあり、異なるゲームであってもそれぞれ応用の利く部分があるためだと思っています。例えば、RPGであれば、序盤といえどある程度レベリングしなければ途中でつまずいてしまうことが多いといったものです。

ハースストーンをプレイする上で、プレイ経験が活きたと感じるゲームについて、振り返りながらまとめてみたいと思います。

ちなみに、今カードゲームに役立つ経験値を他ジャンルのゲームから手軽に吸収するには、ソーシャルゲーム無課金で攻略していくのがおすすめです。無課金攻略で必要になる限られた資源(スタミナや課金石)をいかに効率よくゲーム内ステータスに割り振るかといったスキルが、カードゲームで必要になるリソース管理の感覚に似ているためです。損得に敏感になるだけで、カードゲームでの戦い方の基本は抑えたといっても過言ではありません。

 

 

デジタルモンスターカードゲーム

私が最初に触れたカードゲームです。コレクションの楽しさを覚えました。

当時、カードを「スラッシュ」して読み込ませる要素のある、「ディーアーク」という携帯ゲーム機がありました。このゲーム機のために、多くのカードを所持していた方が有利に進めることができると思っていたためかなりの枚数カードを集めました。

実際には、スラッシュさせる前に入力するコードが正しければ、使用するカード自体はなんでもよかったようです。気づいてからは徐々に購入を控えるようになっていきました。

今改めて調べてみるとなかなか面白そうなゲームでしたが、当時は理解が難しくカードゲームとしてプレイしたことは一度もありませんでした。好きだったカードはデュークモンクリムゾンモードです。

 

金色のガッシュベル!! THE CARD BATTLE

カードゲームに魅力を感じたというよりは、このゲームに使われる「魔本」がかっこよかったためにコレクションしていました。

多くのカードゲームでは、ゲーム前にシャッフルされたデッキを山札とし、毎ターンドローするカードのランダム性に合わせてリアルタイムで戦略を立てていくというシステムになっています。

しかし、このカードゲームは上述した「魔本」という本型のカードホルダーに用意したカードを山札とし、意図した順でカードを使用することができるといったシステムが採用されていました。本をめくる枚数は相手も干渉できるため、必ずしも使用したいカードを「ドロー」できるわけではありませんが、このシステムはとても斬新で、戦略的に他のカードゲームとの差別化に成功していたように思います。

近所の公園のお兄ちゃん達と興じていましたが、例に漏れずお兄ちゃん達にレアカードを搾り取られてしまい、コレクターの私は萎えてフェードアウトしてしまいました。

虹色の魔本が一番好きでした。

 

ポケモンカードゲーム

このカードゲームでは、RNG要素としてコイントスが行われます。コイントスを練習していた私は、各種硬貨で遊ぶのは行儀が悪いと思い(硬貨がしっくり来なかった)、ポケモンカードの専用コインを使えば上達するに違いないと思い購入していました。

コレクションもゲームプレイもそこそこにやめてしまったので、最も熱の入っていなかったカードゲームかもしれません。おそらく集めていた時期がデジモンと近く、ルールを理解できるだけの知能を持っていなかったためだと思います。近年またブームが来ているのを見て、しっかり触っておけばよかったと後悔しています。

好きなカードはジュプトルでした。

 

デュエルマスターズ

私が初めてカードゲームにきちんと触れたタイトルです。学校で一定数のプレイヤーがいたため、対戦相手には困りませんでした。既に教訓を得ていたので、絶対に公園には持ち込みませんでした。

火,水,自然,光,闇の5色が「文明」としてカードに割り当てられ、それぞれの持つ特徴を考慮して単色あるいは複数の文明を混合してデッキが組まれます。

デッキは40枚、同名カードは4枚まで組み込むことができます。「シールド」と手札をそれぞれ5枚ずつ用意し、30枚の山札を使って対戦します。

カードゲームでは、速攻などのコンセプトや、コンボを軸としたテンプレデッキがあり、そのテンプレに必要なカードをカードショップで1枚ずつ買い集めるというのが効率的なカードの集め方のようです。しかし、私は大会に出るでもないカジュアルプレイヤーでしたし、財力もなかったため、パックから出たレアカードを軸に強そうなカードをかき集めてデッキを組んでいました。デッキ構築のおもしろさをここで知りました。

かなりの期間熱狂していましたが、あるときを境に、増え続けるギミックについていけなくなりぱたっとやめてしまいました。飽きが来たのだと思います。

好きなカードは挙げきれませんが、敢えて挙げるとするならば龍炎鳳エターナル・フェニックスです。このカードだけはヤフーオークションで単品購入しました。

 

ロックマンエグゼシリーズ

RPGで、1から6までシリーズが続いた作品です。4から6を一心不乱にやり込みました。

対戦では、ロックマンにスキルを使用させるために「フォルダ」(デッキ)に「バトルチップ」(カード)を30枚設定し、毎ターン開始時に最大5枚ロックマンに転送するというシステムが用意されていました。このフォルダシステムがカードゲームのデッキ構築と似ており、奥が深くかなりのめり込みました。

レアリティに依存しますが、同名チップは基本的に3枚まで同時編成できます。

バトルチップにはそれぞれ、A~Z,*のコードが割り振られており、ターン開始時に複数バトルチップを転送する場合は、全て同名のチップ、あるいは異種だが全て同一のコードを持つチップであることの条件がありました。*はどのコードにもなり得る万能コードです。

ゲームの性質上コードをそろえてフォルダを回転させた方が有利に進められるため、コードは2~3種類に統一しておくのが一般的でした。当然ながらコード間にはパワー的に優劣がありましたが、パワー差を覆すようなコンボを含むコードも存在したため、チップの特性を研究し新たな可能性を探るのが非常に楽しかったのです。さながらメタの研究のようでした。

デュエルマスターズで構築については若干知識があったため、なおさら楽しむことができました。近所では敵なしといったところまで腕を上げることに成功しました。

4から6までのシリーズの中では、難易度的に6が一番簡単でしたが、私は6が一番好きでした。バトルシステムも完成度が高く、シナリオもよくできていたためです。

好きなチップは「エレキソード」でした。

 

シャドウバース

おそらく国内では最大のシェア数を誇るDTCGです。PC版が出たタイミングで参入しました。

大まかなルールはハースストーンと大きな差がなかったため、非常に受け入れやすかったです。

差別点は、「進化」システムがある点、ライフの最大値が20である点、盤面の最大展開数が5である点でしょうか。

進化とは、「EP」というポイントを消費して行うことのできるフォロワー(ミニオン)強化の手段です。進化させたフォロワーは基本的にスタッツが+2+2され、急襲を得ます。フォロワーによっては進化時に発動する能力が与えられている場合もあります。例えば、進化時任意のフォロワーに3ダメージを与える、といったものです。この進化時効果に加え、後攻は先攻よりも1ターン早く進化可能ターンが回ってくることや、EPが1多いことが、ゲームの奥深さを増しているように思います。

ライフの最大値、盤面の展開可能数がどちらも控えめであるのは、スマホユーザーをメインターゲットとしたDTCGであったため、手軽さを追求した結果であると思います。マナレシオはハースストーンの感覚と大きな差がないため、非常にゲーム展開がスピーディです。

現在の調整はわかりませんが、以前はドロー以外のRNGを極力排除することを意識していたようで、ゲームの結果はよりデッキ相性、先攻後攻に左右されやすい状態でした。

デッキは40枚で、同名カードは全て3枚まで編成できます。最高レアリティカードも3枚ずつ入れられるので、コンプリートを目指すとなるとかなりの費用がかかります。反面、パック等の配布量がとてつもなく多いので、新規アカウントを作ってもデッキを用意することは容易いです。

好きなデッキはDRK環境のテンポエルフ、好きなカードはエルフナイト・シンシアです。

 

ドラゴンクエストライバルズ

こちらも国内で大人気のDTCGです。3x2の奥行きある盤面が特徴的です。

HSのヒーローパワーの代わりに、1マナ使用してテンションをためるコマンドがあり、3ゲージ分ためるとリーダー(ヒーロー)固有の能力を使用することができるシステムになっています。

なぜかこのゲームはやり込む前に撤退してしまったので、ランク戦は一度も触れませんでした。資産を稼ぐ目的でやっていた闘技場でゲームの雰囲気を味わったことになります。

闘技場のピックのシステムが独特で、5ピックごとにスライムの部屋、ファッティの部屋など、カードの特徴を選ぶことができました。ある程度ピックに出るカードも指定することができるので、より自分の意志をピックに反映させることができる点でいいシステムでした。

好きなカードはりゅうおうです。

 

各種ソーシャルゲーム

話題についていける程度に幅広いタイトルを触っていました。

ほとんど無課金でプレイしていたので、冒頭で述べたようにリソースの管理能力が磨かれたと思います。

ただし、多くのゲームがハースストーンプレイ後に触ったものなので、どちらかというとハースストーンでの経験がソシャゲのプレイに活きた形になります。

負け筋のケア

海外有名プレイヤーThijsのプレイ録画から、ある1戦を紹介したいと思います。

Thijsの使用デッキはホーリーラスパラディン、対戦相手の使用デッキはミッドレンジハンターです。

相手のデッキリストの詳細は分かりませんが、動画内での使用カードからおそらく画像のようなリストだと思われます。

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参考リスト

 

このパラディンは現在の環境ではプレイングがかなり難しいデッキに分類されると思います。私も使用したことがないので理解は浅いです。

しかし、この動画では逐一カードを切る理由を説明しながらプレイしてくれているおかげで、ゲームの展開においていかれるということはありませんでした。

他のデッキにも応用のきくプレイがいくつか見受けられたので、共有できたら嬉しいです。

以下、解説のようなネタバレが続くので、バイアスなく動画を見たい場合はぜひリンクから。これ以下の文は読まなくてよくなるほどいい動画です。

youtu.be

以下の画像は全てこの動画から切り抜いたものです

 

Thijsは一貫して、ドローを進めながらダメージを最小限に抑えるプレイをしていきます。

序盤からThijsのプレイが光りますが、この試合の大きな分岐点は動画の7:00からのターンであると思います。

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このターンは、平等+聖別で盤面を空にできています。マナをフルに使い切ることのできる動きですし、非常にきれいなプレイに思えます。私ならこのプレイを選択しています。

しかし、Thijsはそのプレイをしたとき、自分のライフが7になっていることを嫌いました。7点というのは、ハンターが殺しの命令+ヒーローパワーで容易に出せる点数なのです。2枚はケアできないところまで追い詰められているので、1枚だけでもケアする方法を模索します。

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そこで、カードゲームの鉄則「先ドロー」をしたところ、タイムを引くことができたのでこれを使って凌ぎました。

 

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もう1点、9:15からのターン、パラディンにはいくつか行動の選択肢があるように見えますが、Thijsはその中からミニオンをボードに出さずにスペルによってドローする事を選びました。理由は、前のターン相手がヒーローパワーのみ押してエンドしていることから、相手の手札には猟犬を放て!がありそうだと読んだからです。これを腐らせることで、相手に殺しの命令を5点で使用される可能性を減らしました。このターン3枚引いておけば、次の自分のターンが回ってきた場合確定リーサルです。

 

結局、Thijsの危惧した通り相手は殺しの命令を1枚手札に抱えていましたが、ケアしていたことによりリーサルは取られず、返しのターンで勝利することができました。

ちなみに、このゲームでThijsはトップデッキにかなり助けられているようにみえます。確かにそうですが、一度視点を変えてみたいところです。Thijsはこのゲーム中に多数のドローカード、サーチカードによりデッキを圧縮し続けました。これにより、ゲーム中に必要なカードを引ける可能性、あるいは既に引いている可能性が高まっています。ですから、必要なカードをトップで引けてもおかしくなく、むしろぎりぎりのタイミングまで引けなかったことが不運であるとまで見ることができると思います。

 

この動画から得られるものはたくさんあると思いますが、その中から上述の2点をまとめます。

1つ目は、1枚目の切り抜きから、ライフ管理です。今回の相手はハンターだったので、ハンターの持つ代表的なバーストである殺しの命令圏外のライフをなんとか維持しています。

むやみにライフを守る必要はなく、特にウォリアーやzooウォーロックは手札から打点を出しづらいので、盤面からの打点を耐えられるくらい残してライフで受けるというプレイも有効に働くことがあります。相手のデッキタイプに合わせて柔軟に動くことが求められます。

 

2つ目は、3枚目の切り抜きから、相手の手札の予測です。上の参考リストから見るに、ミッドレンジハンターには9マナ以上のカードは入っておらず、デッキタイプから考えても予想されるのはズルジンくらいです。よって、上の切り抜きの前のターン、相手はカードを意図して使わなかったか、もしくは条件を満たしておらず使えなかったということになります。

意図的に使用しないであろうカードは殺しの命令です。万が一除去に使う展開が想定されるので、リーサルターンまで隠しておくのが定石です。

使用に条件のあるカードは、大自然の報復猟犬を放て!凄まじき狂乱翼の暴風です。どれも盤面にミニオンがいないために使用できないカードです。

このほかに、殺しの命令を5点にするための低マナの獣を保持している可能性も考えられます。さらに、相手目線からトップでもう1枚の殺しの命令を狙うとなると、シャヴァーラを使ってリーサル圏外までヒールされてしまうためミニオンをプレイすることは悪手になるので、展開を控えたのかもしれません。

この中で、パラディン側が干渉できるカードは猟犬を放て!でした。最後までプレイされなかったので、本当に猟犬を持っていたかはわかりませんが、おそらくミニオンの展開を控えたプレイは功を奏しているでしょう。

ここまではっきり予想できなくとも、まだ1枚も使われていないカードについて考慮するだけでも有意義です。ただし、どこかのタイミングで使わせなければいつまでも窮屈な動きを強いられてしまうため、被害が大きくならない程度に割り切ることも時に必要です。

 

加えてもうひとつ。Thijsは愛されキャラなようで、よくチャット欄でいじられています。今回のゲームでも、敗色濃厚な場面でチャット欄から「敗北宣言しよう」だとかいじられていることがThijsの言動からわかります。私もチャット欄同様、ライフ7まで追い詰められた場面で半分諦め、手なりのプレイをしていたと思います。しかし、Thijsはそのような場面でもきちんと考えを巡らせ、勝ちへの細い糸を見事たぐり寄せてみせました。これは彼の強みであり、見習うべき姿勢です。

 

今回は、私が最近見た動画の中から白熱したものをピックアップしましたが、このような動画は他にも無数にあります。外国のプレイヤーのものが多いですが、日本人プレイヤーによるプレイ動画もたくさんあります。他者のプレイを見ることは、自分のプレイを裏付けたり、プレイングの伸び悩みを打開するきっかけになったりすることがしばしばあるため、お気に入りのプレイヤーを見つけて動画や配信を見るのはとてもおすすめです。

英語圏のプレイヤーの配信には言語の壁を感じるかもしれません。しかし、ゲームの話で使われるような英単語は限定的で、視聴しているうちになんとなくでも意味が分かるようになってきます。英語が母国語ではない配信者もいるため、分かりやすい英語で話してくれていることもあります。思っているほど壁は高くないので、覗いてみて欲しいと思います。

上記のリンクの動画は、Twitchというサイトでの配信の切り抜きです。長時間配信をしている配信者も多いので、全編見てみたい方はTwitchのサイトからビデオを探してみてください。YouTubeには上がらない負け試合も見ることができ、より深く学ぶことができます。

ランク戦の勝ち方

私は、毎月レジェンドランクに到達することを目標にランク戦を回しています。

つまり、ランク4あたりから月に20回とちょっと勝ち越すことを目指していることになります。

勝率50%がボーダーラインとなる対戦ゲームでこれだけ勝ち越すというのは大変なことで、毎月苦戦しています。

ランク5未満での戦いは、連勝ボーナスが設定されていますが、都合良く連勝できなければボーナスの恩恵を受けられないので労力には大差ないと思っています。

レート制に切り替わるレジェンド帯とは異なり、勝ち負けの価値が全て等価であるランク5~1のラダーは、常に気が休まらずプレッシャーを感じています。その分この重圧に耐えながらレジェンドランクに到達できたときの喜びは何度味わっても良いもので、高ランク帯で猛者達と対戦することをモチベーションにラダーに挑んでいます。

 

このラダーを勝ち上がるために必要だと感じていることについて書き起こしていこうと思います。目新しいような内容はないので、情報の補完、リマインダーに利用してもらえたら幸いです。随時書き直すことがあるかもしれません。

 

①強いデッキを使う

情報サイトに掲載されているTier2以上のデッキを使用することが理想です。

多くの場合Tier1デッキが最も勝率が高く出ますが、使用率が高いためにメタデッキも流行しやすく、使う時期によっては思うように勝率が伸びないこともあります。

Tier2には、人気度こそTier1に劣るものの、Tier1デッキに引けを取らないパワーを備えているようなデッキが分類されるそうです。理解度や、そのときのメタによってはこちらの方が勝率が出ることもあるので、Tier2以上から好みでデッキを選びたいです。

 

Tier3以下のデッキで勝ち越せないわけではありません。まだ発掘されていないメタ外のデッキが高勝率をたたき出し環境デッキ入りすることもあるでしょう。

しかし、このようなデッキを使いこなすには相当な理解度が要求されます。自分のデッキのみならず、全ての環境デッキに関する理解です。メタが固定化してからは幾ばくか回しやすくなると思いますが、やはり難易度は高いです。

 

使用デッキを絞るのか、という点も悩むところです。思うように勝てないときに、思い切って別のデッキに持ち替えてみようと思うことはしばしばあります。私は、どちらでもいいのではないかと考えています。

ひとつのデッキに固定することの意義は、デッキに蓄積される経験値効率を上げる、もしくは既に経験値のたまっているデッキを使う事で高いパフォーマンスを期待することです。

三すくみ状態のような理想的な環境であれば、デッキの流行はサイクルするはずです。もし今勝てないメタであったとしても、回し続けているうちに相性のいいデッキが多いメタにサイクルする可能性があるので、そこを狙って回し続けるという狙いも考えられます。

 

対して、使用デッキを切り替えることの狙いは現在のメタに合わせて勝ちに行くことです。朝,昼,夜等時間帯でプレイヤー層が変わるという説もあり、短期的に見るとメタの推移はめまぐるしいものなのかもしれません。しかし、短期間内のメタを読み解くことができれば、短時間での連勝を狙うことができ、効率のいいランク上げを期待できます。

また、気分転換するという点でも非常に有意義です。負けが込んだり、デッキに飽きてきたりすると、気づかぬうちにプレイの精度が落ちていることがあります。そのようなときは、自棄にそのデッキを使い続けるのではなく、異なるデッキに持ち替えることが効果的です。ここではハースストーン内での解決策を考えていますが、休憩を挟んだり別の趣味に移ることももちろんいい方法だと思います。

一方、デッキを替えるときは、例えば1戦ごとのようにあまりにも短いスパンで変更することは避けた方がいいと思っています。ウォリアーに負けたので次のゲームはハンターを使うというような切り替え方は、感情的になっていることが多く、次のゲームでローグにマッチングしてしまったときの精神的ダメージが大きいからです。持ち替えるのはある程度ゲームに時間が割けるとき、そこそこの回数ラダーを回して得た対峙ヒーローの割合を元に考えたいところです。

 

もう一点 

私がこのゲームを始めた頃は、リスト作成者の意図も分からないのにむやみにリストをいじるな、という話が散見されました。私もコピーリストを使うときは魔素を支払うことになってもそのまま使うタイプですが、カードの入れ替えには問題を感じません。むしろ、試したいカードがあるのにこの固定観念のために調整の楽しみを味わえないことの方がもったいないように思います。

入れ替え可能カードを見つけるこつは、複数人のリストを見比べて、差分のあった部分から役割の薄そうなカードをピックアップすることです。

 

②勝ち筋、負け筋を知る

各デッキは、マナカーブ通り動いたときの理想ムーブを軸に構成されています。これを元に、序盤つまり少ないドロー枚数で、確実に手札に引き込まなければならない低マナのカードを多めに、終盤つまりある程度ドローが進んでおり、必要な時に引けている可能性の高い高マナのカードを少なめに補いデッキが組まれていることが多いです。

わかりやすい勝ち筋は、上記の理想ムーブを相手に押しつけることです。この理想ムーブに必要なカードを引き込めなかったとき、あるいはその理想ムーブよりも速い動きをしてくる相手に対峙したとき、負けパターンに持ち込まれないように採用した、理想ムーブに準ずる動き(除去等)で凌いでいきます。これがおおまかなゲームの流れになります。

除去し続けていても光明が見えない場合には、どこかで割り切って攻めに転ずる必要があります。この分岐点を、勝ち筋を作ることと負け筋を潰すことを天秤にかけることで見出していきます。

 

理想ムーブが勝ち筋として機能するかどうかを把握することで、マリガンの基準が見えてきます。

機能する場合は、理想ムーブに必要なカードをキープし、その他のカードを返していきます。理想ムーブはオンカーブで設定されている事が多いので、低マナのカードをキープしておけば間違いありません。

機能しない場合、負け筋を潰すような、耐えるようなプランで戦うことになります。このとき、特定の対策カードが必要になる展開が想定されることが多いです。このようなカードは、例え高マナのカードであったとしてもゲーム中で必要になるため、ひけないことのないようキープを検討したいです。

このマリガン基準は下記の例を念頭に抽象化したものなので、例外があるかもしれませんが汎用性は高いように思います。

 

対サイクロンメイジのメカハンター

メカハンターの理想ムーブは、メカンガルーから展開を始め、超電磁をテンポ良く重ねていくことで継続的にダメージを稼ぎ削りきる動きです。

これがメイジ相手に通用するかというと、多くの場合通用しないでしょう。

現在のメイジは凍結スペルに加え挑発カードもいくらか採用されており、相手の主要な勝ち筋である巨人+召術師の招来コンボまで耐えられることが多いです。特に山の巨人+招来墓場の怪異を出されてしまうと、ハンターは挑発に打点を吸われてしまいライフレースが逆転してしまうことが想定されます。

この状況を打開しうるカードがヴェノマイザー+ミサイルランチャーです。メイジ側は、この6/6をデッキ内カードで除去する方法は招来しか持ち合わせていないため、招来を使われたとしてもこちらの盤面には6マナのミニオンが2体並ぶことになり、非常に優位な展開に運ぶことができます。

このコンボさえ決められれば勝ちが大きく近づくため、序盤のダメージ源はさほど重要ではなくなります。

メイジは魔力なる知性を持っているためコンボがそろう可能性が高いですが、ハンター側はドローソースに乏しいため、必要なカードを特にマリガンでそろえておきたいです。ですから、このマッチアップにおいては、6マナであるミサイルランチャーも初手に残すことが選択肢に入ります。

 

 ③視野を広く持つ

慣れていないデッキや選択肢の多いデッキを使っていると、自分の行動を決定するのに大半の時間を使うことになるかもしれません。しかし、自分側の盤面から、相手側の盤面まで含めて把握することができるようになると、より自分のプレイに理由を持たせることができ、反省もしやすくなります。

このゲームでは、相手がマリガンで何枚カードを残したか、手札のどの位置のカードを使用したか、どこに対象を指定しようとしているか(カーソルをのばしているか)、全て読み取れるようになっています。これらの情報を総合して判断すると、相手の手札をある程度予想することができます。この予想が、自分の行動を決定する手助けになってくれることがあるため、取るべき選択肢が分からないときこそ自分ではなく相手側の情報に目を光らせておきたいのです。

盤面だけでなく、相手の手札、相手の山札まで目を向けることができれば、ライフを削りきる勝ち方だけでなく、相手の手札を捌ききるプラン、ファティーグダメージまで見据えたライフ調整等、より多くの選択肢から勝ち方を選べるようになります。

デッキを回せば回すほど、どの相手のどの場面でどのカードを切るか、パターン化して覚えることができます。自分のターンはさっと終えられるくらいデッキの理解度を上げ、余った時間を相手の動きの観察やその後のゲーム展開の予測に充てられると、あたかもゲームを支配しているような気分になることができ、より深く楽しめるのではないかと思います。

 

④他者の視点を取り入れる

試合を重ねることで、各マッチアップへの解釈が蓄積し、プレイのセオリーが構築されていきます。これは、複数人の解釈が合わさるほどより多面的で強固なものにすることができます。より緻密なセオリーに基づいたプレイは、自信と勝利をもたらしてくれるでしょう。

他者の視点の取り入れ方は多様にあります。

フレンドに観戦してもらう、観戦させてもらうというのがひとつ。チャットや通話でリアルタイムにやり取りできるので、この方法はかなりの効果を期待できます。

配信サイトや動画サイトを利用し、配信者や投稿者のプレイから学ぶ方法もあります。これも、今日では多くの配信、動画投稿が行われているので手軽にできる方法です。

ラダーで対戦相手のプレイから学ぶという方法もあります。これは、こちらが使用しているデッキに対するプレイしか学べないうえに、対戦相手の使用デッキは指定できないのでいささか非効率ですが、意識していれば得られるものは少なからずあります。