ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

Tokai LSS158SEB

前回の記事では、購入したEpiphoneのLes Paul Specialについて取り上げた。Gibsonの廉価版メーカーのような位置づけながらコストパフォーマンスは優れているようで、近年のモデルも評判がいい。特に問題がなければそのまま使ってみようと思っていたのだが、諸般の理由により納得することができなかったため、後継機探しを続けることにした。見つかった後も、レギュラーチューニング用のギターが一本あると便利だし、パーツをアレンジしてみたい欲求もあるため、お試し用のギターが一本あると心強い。売りに出す選択肢は選ばないことにした。

このような経緯から、毎日Epiphoneのスペシャルを弾きながらも他メーカーのスペシャルタイプを探し続けていた。Les Paul SpecialのTV Yellow系の色は国内で非常に人気が高く、新品は疎か中古品ですらそれほど数が出回っていないため、新品を探すのは困難を極めた。

そんな折、ついに探していた条件に合致する個体を見つけることになる。明け方に目が覚め、ぼんやりしながらデジマートでレスポールタイプの新品のギターを眺めていたところ、黄色いスペシャルの画像が目に飛び込んできた。それがLSS158SEBだった。

SEBというのは、Tokaiの独自のボディ構造の名称で、通常の横方向にカットした木材の間に縦方向にカットした木材を挟むという構造になっている。ピアノの構造から着想を得た、音の伝達効率に着目したつくりらしい。

音の鳴りは通常モデルと比較していい方向へ変化することが想定されるが、それがレスポールの音から遠のくことは懸念点として容易に想定された。しかし、私がレスポールスペシャルに求めるのはあくまでBUMP OF CHICKENの音であり、必ずしもGibsonの本物と同じ音である必要はない。近年青く再塗装されたTokaiのギターが使用されている楽曲は、確認できるだけでトーチ、ハルジオン、fireflyがある。これらの楽曲に近い音が出せるなら、本家同様の音が出せず残念どころかむしろ嬉しい。

というわけで、ページを開いた瞬間からこのギターを購入せずにはいられないと思った。とはいえ高額な買い物になるため、念のためスペックを見たところ、既に交換が必要だと分かっていたブリッジの他に、ペグ、トグルスイッチノブ及びコントロールノブを装飾的な意味で交換しなければならないことが分かった。少し悩んだが、この機を逃せば次にまたTokaiのLSS SYWに出会えるのがいつになるか分からないと思い、パーツに関してはなんとかなるだろうと購入を決めた。

届いたギターがこれだ。一目見た瞬間その美しさに目を奪われた。Epiphoneのような濃い黄色ベタ塗りよりも、薄いラッカー塗装で杢目が見えている方が好みだ。Epiphoneのものに感じた細部への違和感も、この個体には全く問題が見られなかった。

握ってみた感触は、比較的軽く、ネックも細い。これまで重くネックの太いオールドタイプのギターしか触っていなかったため私の感覚には偏りがあるが、それらに比べてかなり弾きやすい。

肝心の音は、やはり全く違って聞こえた。音の粒がはっきりしていて抜けがよく、サステインも感動するくらい伸びやかだった。GibsonのStandardと比較してノイズを全く感じないのも驚いた。恐らく導電塗料が塗られている影響で、Tokaiの細やかな配慮に感服する思いだった。

このギターを購入した後に、本家GibsonレギュラーラインのLes Paul Specialを見つけたのだが、TokaiのLSSを購入していてよかったと思えるクオリティだった。ベストに近い選択をしたと思っているGibsonのLes Paul Standard '50sよりも満足度が高い。試奏を重ねた訳でもないので個体差の影響は分からないが、国産ギターの真髄に触れたような気がしている。

しかし、後悔している点もある。それはセミオーダーをしなかったことだ。当時は存在を知らなかったため仕方なかった部分もあるが、事前に東海楽器についてもう少し調べていればセミオーダーシステムに辿り着いていたかもしれない。そうすれば、ペグやノブ類、ブリッジ、塗装まで自分好みの状態で作成してもらうことができただろう。納品までかなりの期間を要するようだが、ショップにいつ並ぶか分からないギターを待つよりははるかに安心して待っていられる。

現時点ではレスポールタイプのギターはもう購入する予定がないが、機会があったらスペシャルのブルーバーストのようなギターをオーダーしてみたい。

レスポールスペシャル

先日入手したGibsonのLes Paul Standardに続き、EpiphoneのLes Paul Specialを購入した。

ギターを購入したのは、BUMP OF CHICKENのカバー演奏をするためで、まずはリードギターを鳴らせるようにスタンダードから先に手に入れた。しかし、BUMPの初期の曲は藤君がリードを弾いている曲も多く、その場合主旋律はスペシャルで奏でられているのではないかと思う。そのため、カバーするうえでスペシャルは不可欠であるだろうから、二本目の購入にはやや時期が早いかもしれないが、思い切ってスペシャルを手に入れることにした。

一本目からとんでもないギターを購入してしまったせいで、いいギターだということは分かっているのだが、質の相場が分からず必要以上に丁重に扱っているような気がしていた。いくら高級なギターとはいえ弾くために買っているので、大切にするあまり通常の演奏ができなくては本末転倒である。気軽に触れるギターで扱いに慣れる意味でも、もう一本のギターは必要であるように思われた。

とはいえ、ゆくゆくはスペシャルの方もギブソンの本物を手に入れたいと思っているため、まずはギブソンスペシャルから在庫を探した。ギブソンではもう常設のモデルではなく、加えてTV Yellowは国内人気が高いらしい。新品どころか中古の在庫も数えるほどしかなかったため、ひとまず購入は見送り、次に生産が再開されたときにまた購入を検討することにした。

次の候補は、Tokai製のスペシャルだ。藤君本人もブルーバーストに塗装しなおしたものを使用しており、評判はとてもよかった。だが、現在は生産停止中らしく、本家同様入手が困難なようだったため、残念ながら候補から外れてしまった。

スペシャルは、ブリッジが特殊なつくりをしていて、オクターブチューニングができない。そのため、ピッチを正確に合わせるためにはブリッジを交換する必要がある。この問題が予め解消されているモデルが国内メーカーから販売されていた。BacchusやBlitzのものだ。これらは、他のレスポールと同じようにテイルピースとブリッジがそれぞれ実装されており、弦交換はスタンダードと同じような感覚で行えそうだった。しかし、オクターブチューニングを可能にする方法は、本家のモデルに搭載されているバーブリッジをバダスブリッジに付け替える方法もあり、こちらの方が楽器の鳴りに干渉せずに済みそうだったため、バダスブリッジを用意することに決めた。

ラップアラウンドタイプのブリッジでいいなら、本家の次に評判のいいエピフォン製のモデルも候補に挙がる。唯一の不満は塗装が本家と微妙に異なっているところだが、他の多くのコピーモデルもそうだったため、目を瞑って購入することにした。

実際に届いたものを使用してみたところ、弾き心地はまずまずだった。スタンダードよりも軽く、ネックの太さもスタンダード並みかそれより若干細い。なにより、一番の購入の動機だったP-90の音色は、期待通り鳴っているようだった。エピフォンのギターに購入時に張られている弦は質が低いらしく、それにより弾き心地や音色に若干違和感をもたらしていることが想定されるが、弦を張り替えれば解決するだろう。

ギブソンのギターと決定的な違いを感じたのは、ギターを開封したときの匂いだ。ギブソンのギターは甘いような香りがするのに対し、エピフォンのギターは無機質な香りがした。別で購入したハードケースが接着剤の匂いでいっぱいになっていたことも相まって、現状臭いはあまりよくない。香り付きの湿度調整剤などを使って改善を試みたい。

ギブソンのギターと比べればエピフォンのギターの価格はリーズナブルで、格段にギターに触りやすくなった。もともと欲しかったモデルということもあり、もともと高かったギターに対するモチベーションが更に上がっている状態にある。スタンダードの方はBUMPのキーに合わせて半音下げてあるが、スペシャルはレギュラーにして昔聴いていた音楽を思い出しながらフレーズをつまんで練習している。リズム楽器とは違い音色がついているため、一人で練習しても楽しく感じる。ストラトタイプのギターやベースも欲しいところなのだが、まずはこの二本を弾き倒して、ギターを上達していきたい。

エレキギターデビュー一週目

ふと思い立ってレスポールを購入してから一週間が経った。ギターを手に入れてからは毎日触っており、徐々に弾き慣れてきている感覚がある。

手元に残っていた『ユグドラシル』のバンドスコアを参考に、『ロストマン』を課題曲に設定して練習を進めている。クラシックギターを弾いていた経験のおかげで、指弾きであれば8割程度弾けるところまできた。しかし、クラシックギターの役割はほとんどバッキングのようなものだったため、主旋律パートの運指などに不慣れな部分を感じる。

BUMP OF CHICKENの曲らしく、アルペジオが随所で奏でられているのだが、ピックで弾くのがとても難しい。私としてはオルタネイトピッキングで弾き切りたいため、その練習をしているのだが、一向に弾けるようになる気配がない。演奏動画を見る限りオルタネイトである必要はないようだが、慣れておいて損はない奏法だと思っている。当面はオルタネイトピッキングに慣れることが目標になりそうだ。

 

エレキギターは、当然ながらクラシックギターアコースティックギターとは違い、単体ではほとんど演奏を楽しむことができない。最低限アンプに繋いで音を鳴らす必要がある。また、ギターは木製の楽器なので、保管方法にも気を使う必要がある。そのような演奏環境を整えるために購入したアイテムを書いておきたい。消耗品に関しては、今後アップデートを重ねていくうえで役に立つだろうと思う。

 

アンプ、エフェクター

父が使用していたものを譲ってもらったため、細かい仕様等は調べておらず、よく分かっていない。アンプはFenderのStudio Valve Drive、エフェクターはマルチのGT-100のようだ。エフェクターには今のところあまりこだわりはないが、アンプはMarshallのものを使いたいと思っているので、本格的に音を鳴らすようになったら購入を検討したい。

ヘッドホン

JTSのHP-565。モニタヘッドホンが欲しいなどのこだわりはなく、イヤホンに取り付けられる標準プラグの変換アダプタがあれば事足りたのだが、せっかくなので購入してみた。密閉型で眼鏡との相性が悪いため、やはりイヤホンに切り替えようか悩んでいる。

シールド

VOXのVGS-30。中音域に強いモデルらしくレスポールに合いそうだと思い選択した。コスパがいいシールドとして紹介されており、価格は非常に安い。これを基準に以降のシールドの特性を測ることができそうだ。

ピック

Fenderの白いティアドロップのMedium。白いティアドロップであればなんでもよさそう。ギターはGibsonなのにピックはFenderなのが面白い。

ストラップ

ERNIE BALLの黒の最も安いもの。現行のレスポールはストラップピンが大きいらしく、ややつけるのに苦労する。長さもしっくりくる位置が見つからず、模索中。

ストラップブロック

ストラップと同じERNIE BALL製。今のところ派手に動くパフォーマンスをする予定はないが、ギターを大切にしたいと思う気持ちからストックを持っておくことにした。

湿度調整剤

FERNANDESのDr.Dry。ギターケースに入れておけば、湿度を50%前後に保ってくれるらしい。はたして必要なのか疑問だが、ギターの保管に最適な温度は25℃前後、湿度は55%らしく、温度管理は難しいのでせめて湿度だけでも整えようと思い購入してみた。香料つきのものも気になっているため、しばらく保管してみてギターに目立った不調が現れなければ、調整剤の新調を前向きに検討したい。

 

現在保有しているアイテムはこんなところだ。他に必要だと思っているものは、カポタスト、交換用の弦、指板保湿用のオイル、金属パーツのくすみ落とし。

ギターパーツの交換は考えていない。パーツをカスタマイズするというよりは、ストラトタイプやレスポールスペシャルタイプといった別型のギターの購入を考えている。

特に、レスポールスペシャルは今後ギターを続けるうえで必ず購入することになると思っているギターだ。というのも、BUMPのレコーディング、特に初期のアルバムに関しては、藤君がリードを担当していたり、ヒロがレコーディングに参加していなかったりする曲がある。それらは恐らく藤君のスペシャルで演奏されているため、CD音源を再現しようとするならP-90のピックアップが必要になると思われる。最初の一本はGibsonのギターを持ちたかったが、二本目以降は本家のものでなくともいい気がしている。黄色いレスポールは国内人気が高いらしいので、EpiphoneやTokaiなどのスペシャルタイプの市場を注視していきたいと思う。一本目のスタンダードは、購入時期はかなりよかったようだが、色に若干妥協した面があったため、スペシャルは外見も含めてこだわっていきたいと思う。ブルーバーストのものがあれば最優先で購入したい。

エレキギター購入

先日、ふと思い立ちエレキギターを購入した。

私が敬愛するBUMP OF CHICKENのギタリストが使用しているモデルである、ギブソン製のレスポールスタンダードだ。

 

エレキギターを始めようと思った理由はふたつある。ひとつは新しい趣味を持ちたいと考えていたこと。ふたつ目は、学生時代の部活動に関して未練が残っていたことだ。

自分よりひとつ歳上の先輩が高校の軽音部に入り、彼のライブを欠かさず見に行ったことから、彼の高校、部活に入ることに憧れていた。もしかしたら一緒にバンドを組むことだってできるかもしれない。しかし、私の進路を決める際、親を始めとする周囲の意見はそこよりもひとつ上のレベルの高校に入るべきというものが全てだった。2番と3番のような差であれば周囲もさほど執着しなかったのかもしれないが、不幸なことにひとつ上に行くと県内トップの進学校というランクになってしまうため、学の無い親にもレベルの差が理解できてしまった。結果、レベルの高い高校に行くように半ば強制された。

結局私は、憧れの先輩とは違う高校に進学することになったのだが、部活動では絶対にバンドをやると決めていた。しかし、体験入部期間が始まりいざ軽音部を探してみると、ない。血の気が引くような思いをしたような覚えがあるが、ないものを嘆いても仕方がないため、吹奏楽部、いわゆる(ブラス)バンド部に入部するか、習っていたドラムは諦めクラシック音楽を演るような部活で弦楽器を学ぶかの2択から、ましな方を選ぶことにした。吹奏楽部では馴染めなさそうだったため、ガットギターを始めることにするのだが、消極的な選択法だったこともあり最後まで虚無感を背負ったまま高校の部活動を終えることになった。

大学には、高校時代果たせなかったバンド活動をすることをモチベーションに進学した。高校と違い、バンド活動をしているサークルがない大学は聞いたことがなかったため、学校選びに失敗する不安はなかった。無事に軽音部に入り、気の合いそうなバンドメンバーにも恵まれ、やっと望んでいたバンド活動が始まるかと思ったが、そう上手くはいかなかった。それまでの失敗が自分にとって大きすぎて、理想が高くなってしまっていたのかもしれない。バンドには、私と同じように大学からのバンドデビューを夢見て部活に入ってきたギタリストがいて、彼がかなりの曲者だった。とんでもない主張を強引にかつ悪気なく通すタイプで、バンドでコピーする曲は彼の選んだ曲に支配され、私の本命は全て後回しにされた。そのまま学年が上がり、バンドとしても徐々に箔がついてきた頃、今度はコピーではなくオリジナル路線に切り替えたいという話が浮上してきた。明確なきっかけがあったわけではなかったと思うが、恐らくベーシストが高校から軽音部で活動しており、一通りのコピーは済ませていたのが大きかったと思う。私のやりたい曲はひとつも演奏できておらず納得し難かったが、先輩方に持ち上げられバンドの雰囲気が浮ついていたこともあり、流れに逆らえずオリジナルバンドとして活動することになってしまった。

体のいいバンドの解散理由として「音楽性の違い」という言葉が揶揄されるが、実際に音楽性の違いに悩まされてみるとそのストレスはとんでもなく大きかった。部活関連の面倒なしがらみが増えたこともあり、中学時代から憧れ続けたバンド活動だったにも関わらずその頃からモチベーションは下がる一方だった。

 

この期間の未練を未だにひきずっている。これを解消するのは、ドラマーとしては難しい。ドラムはどこまでいってもリズム隊に過ぎず、単体で演奏してもあまり面白くない。やはりバンドとしてグルーヴを生み出すことに大きな魅力のある楽器だ。だが、今の自分にもう一度バンドを組む力は残っていないと思っている。そのため、今までずっと虚無感を背負い続けてきた。

何がきっかけだったのかよく分かっていないが、動画サイトで演奏系の動画を頻繁に見ていた私は、ふと自分がエレキギターを始めるという発想に辿り着いた。今思えば、もっと早くに浮かんでいてもいいようなものだが、自分はドラマーであるというアイデンティティが、私が思っている以上に強固なのかもしれない。

この発想は恐らく長年の未練を断ち切る解決策になり得る。私のバンド活動に対する根本的なモチベーションは、私の好きな音楽を自分の手で鳴らしてみたいという気持ちであり、バンドを組むことが必須では無さそうだからだ。ドラムの場合は上述の理由から単体で満足感を得ることが難しいが、ギターであれば楽器隊の中で最も表現力が高いだろうから、期待している充足感を得られると思われる。

高校で得たギターのスキルは、オープンコードとバレーコードのフォームと指弾きのやり方程度で、ロックで多用するパワーコードのようなフォームやピックの扱い方などについてはよく理解していない。そのため、ほぼ一からのスタートとなるだろう。知的好奇心にはさほど衰えを感じていないが、余暇の使い方が下手になっているような感覚があるため、焦らず地道に練習を継続していきたい。

 

購入するギターを選ぶ上で、真っ先に思い浮かんだのは黄色いレスポールスペシャル。時点で同型のブルーバーストだ。どちらもBUMPのギターボーカルが使用しているもので、アイコニックなギターとなっている。このギターは選択するうえで少しばかり問題があった。ブリッジが特殊なつくりをしており、私が欲しい音を鳴らすためにはブリッジを交換する必要があること、加えてブルーバーストにする場合は、オリジナルのカラーラインナップには用意されていないため、別途塗装を依頼する必要があること。そして、突き詰めた場合このギターはバッキングの音しか鳴らせないだろうということだ。リードを演るなら、それに合わせてギターを用意する必要が出てくる。コピーするうえで力を入れたいのはリードギターになるだろうから、悩んだ末スペシャルの購入は見送ることにした。

となると、欲しいギターは自ずと見えてくる。レスポールスタンダードの1959年モデルだ。全く同じものの新品を手に入れようとすると桁違いの金額になるため、中古の購入を検討することになる。しかし、私はネットで買うことを前提にしており、中古の購入にはリスクが伴うと思っていた。金額面も考慮して、現行のモデルから1959年製に近いスペックのギターを選ぶことにした。

そうして決めたのが、Gibson USA Les Paul Standard 50s Heritage Cherry Sunburst。新品で、2022年製らしい。

スペックは1959年モデルにまあまあ近いらしく満足なのだが、色味に若干妥協点がある。Tea BurstやHoney Burstのような、もう少し薄い色の方がイメージに近かったのだが、私が求めているスペックを持つギターの中には生憎そのようなカラーがなかった。とはいえ、Cherry Sunburstもレスポールを象徴するようなカラーで、私がよく聴いているバンドのアーティストも使用している。使っているうちに愛着が湧くだろうと思い、この色に決めた。薄っすらとした虎目も選択肢の中では最も奇麗なものを選んだと思っており、気に入っている。

重さと握り心地が懸念点だったが、今のところどちらも感触は悪くない。弾き慣れてきたときにどのような印象に変わっているか楽しみだ。

今後は、このギターとともに叶わなかった希望を拾っていきたい。気が向いたら、このブログでも綴っていこうと思う。

BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee 宮城公演 Day2

BUMP OF CHICKENの結成25周年記念ツアーであるSilver Jubileeに参加してきた。あまりに凄すぎて下手に言語化することが憚られるほどだったが、この日は私の人生において有数の大イベントになる予感がするため、日記的な意味も込めて一連の思い出を記録しておきたい。ないとは思うが、ネタバレを嫌うにも関わらずこのページにたどり着いてしまった場合、以降の文は読まないことをお勧めする。

 

 

チケット入手

私がこのバンドを知った頃には既にアリーナ規模のツアーばかりになっていた。アリーナでの演奏はそこでしか得られない高揚感があるし、最近の曲は広い会場の方が映える感じがするためそれはそれでいいのだが、マイク伝いでしか声が聞こえず、会場の広さから音が反響するため音楽を聴くという意味ではベストな場所ではないと思っている。小さい箱に慣れた元軽音部としても、ライブハウスで彼らが鳴らす音に思いを馳せながら昔のライブ動画をネットで漁る日々だった。だから、今回のライブハウスツアーの発表はまさに青天の霹靂だったし、応募したチケットが当選したときは夢を見ているような気分だった。

 

当日まで

今まで参戦したBUMPのライブは全て、アルバム発売後のツアーだった。そのため最新譜を聴きこんでおけば間違いないという安心があったのだが、今回のツアーは趣が違った。バンドが節目を迎えたことの記念として企画されたツアーで、セットリストのコンセプトが全く予想できなかった。私は普段音楽鑑賞をするときはBUMPの曲しか聴かないので、全ての曲を覚えている自信はあった。しかし、会場でライブ独特の空気感に飲まれてしまうことを考えると、BUMP恒例の歌詞変えを楽しむ余裕を持つためには曲を無意識下まで染みこませておく必要があると考えた。それを実現すべく持っているライブ映像やCD音源をフル活用して当日に備えた。

 

公演当日

箱の入場開始時間は18時だったが、ライブグッズ購入用の整理券の番号が若かったため、午前中のうちに仙台に着くように出発した。13時頃にはライブハウスに到着していた。地下鉄の駅を出てすぐのところにライブハウスがあり、周りはBUMPのグッズを身に着けた人たちでいっぱいだった。初めての場所だったが謎の安心感を覚えた。

無事グッズを購入した後は、公演開始までかなり時間があるため、暇をつぶす必要があった。周辺を歩いてみたところ特にめぼしい場所は見当たらなかったため、一度仙台に戻って散策することにした。

私は以前仙台に住んでいたことがある。そのため、仙台市内の土地勘は残っていた。当時の記憶を頼りに駅周辺をぶらぶらしていると、住んでいた頃の感覚が蘇り、懐かしい気分になった、同時に、当時とは違った景色が目につくようになった。バイト終わりに通っていたラーメン屋が無くなっていたり、通っていたCDショップが小さくなっていたりといった風景を見て、感傷的な気分になった。

ちょうどいい時間まで暇を潰し、再度地下鉄にて会場へ向かった。感染症対策として時間前に会場前で並ぶことは避けるようアナウンスされていたため時間ギリギリに到着したのだが、会場前には既に準備万端の人たちがたくさんいた。逸る気持ちは痛いほど理解できる。辺りは暗くなっており、仕事終わりらしき人たちが時々通りかかるような場所だったため大騒ぎしながら待っているような人はいなかった。そのため、今回のツアーをきっかけに知り合ったような二人組が思いの丈をぶつけ合うように語り合っているのが隣からはっきり聞こえてきて、共感の嵐だった。やはり同じ趣味を持つ人同士で好きなことについて語り合う時間は何物にも代えがたい。

時間になり開場すると、スタンディングの前の方から順に入場が始まった。自分は列の流れがよく分からず出遅れたのだが、前に並んでいた人が快く通してくれて感動した。大した出来事ではないように思えて実は凄いことだ。

ホールに入ると、ステージ上にでかでかと掲げられた垂れ幕が目に飛び込んだ。動画で何度も見た、バンドのロゴが入ったものだ。アリーナでのライブでは、後ろにあるスクリーンなどの関係で用意されないことが多い。それを間近で見られただけでもう心の琴線に触れるものがあった。会場の空気感を満喫しつつ、開演を待った。

 

開演

なんと入場曲はThe Whoの『A Quick One, While He's Away』だった。ライブハウス時代の映像を見る限り昔は決まってこの曲で入場していたようだが、私がライブを見るようになってからはめっきり使用する機会が減ってしまった。まさかここで聞けるとは思っておらず、演奏前なのに既に涙腺をやられた。メンバーが位置に着いた後、藤君がギターを高く掲げる恒例の仕草も、BGMが相まって一層かっこよく見えた。

ここから演奏が始まる。一曲一曲感じたことを言葉にしていってもいいのだが、それでは興が醒める思いがするので、全体的に感じた印象を中心に書いていきたい。

セットリスト

1. アカシア

2. K

3. 天体観測

4. なないろ

5. R.I.P

6. Flare

7. 66号線

8. クロノスタシス

9. 透明飛行船

10. SOUVENIR

11. 花の名

12. アルエ

13. GO

14. ray

En1. スノースマイル

En2. ガラスのブルース

 

今回の公演では、時勢を鑑みて声出しは禁止となっていた。私はBUMPと一緒に歌いたいというよりBUMPの演奏をしっかり聴きたいと思うタイプなので、今まで積極的に声を出すことはなかった。しかし、今回ばかりは久々のライブであり、初参戦の箱ライブでありということで声を出せないのがもどかしい気持ちになった。昔は藤君の方から合唱や手拍子が禁止されていたため、当時からは考えられないような状況だ。

MCに対する反応も全て拍手に制限されたわけだが、不思議と意思疎通できているような感覚だった。ひとえに藤君の卓越した共感力と言語化能力の賜物だと思う。紅白に出場するような大物バンドでさえはるばるやってきた土地で会場と心を通わせるのには苦戦することがあるのだが、BUMPにおいては拍手に込められた意図を読み取り、言語化し、ユニークな返答を返すという並外れた芸当を平然とやってのける。彼らの懐の深さを身に染みて体感した。このように超人的な一面を見せたかと思えば、男子高校生の何気ない会話のようなふわふわした話題で会場を和ませることができるのもこのバンドの魅力だ。彼らが話すたびに会場の雰囲気が柔らかくなっていくのを感じた。

 

自分の経験的に、BUMPのライブでは情報過多に陥り、押し寄せてくる感情をうまく処理しきれなくなることが分かっていた。そのため、前日にあったDay1のセットリストで予習して、少しでもライブを楽しめるようにと準備していた。もちろんツアー中の曲目の入れ替えはあるが、自由枠は一部のみだという考えに基づいた行動だ。しかし、蓋を開けてみれば私の予測は見事に裏切られた。アンコール含めた16曲中Day1と同じ曲はわずか6曲のみで、もはや同じツアーとは思えないくらい別物だった。昨今のSNS事情を考慮してのことかと推察するが、メンバーへの負担が懸念される。音が鳴り始め予想が裏切られるたびに、気持ちが昂るとともに4人への感謝の気持ちでいっぱいになった。

 

セットリストは、心なしかライブハウス映えする曲が多いように感じた。会場が一体となって盛り上がるような打ち込み全開の曲は最近のものに多く、昔の曲はギターをかき鳴らし歌声を乗せるシンプルなバンドサウンドのものが多かった。そのため、昔の曲を織り交ぜるだけで4人を強く感じられるのだが、箱がその感覚を増長させたのかもしれない。肉声が届くほどの距離で歌われる歌、鳴らされる音たちは格別だった。

今回演奏された曲たちの中には、是非ライブで聴きたかったが半ば諦めかけていたものも含まれていた。『K』や『アルエ』はBUMPファンなら知らない人はいないくらいの名曲だが、いかんせん古くもう演奏されないのではないかと思っていた。今と昔では歌い方が大きく変化しており、当時の曲の演奏は難しいのではないかと考えられるからだ。当然ながら当時の熱量をそのまま再現というわけではなかったが、現在のBUMP OF CHICKENのスタイルにしっかり落とし込まれ、圧巻の演奏だった。思いがけず涙腺をやられてしまった。

『透明飛行船』もライブで聴くことは諦めかけていた曲の一つだ。この曲は収録されているアルバム『COSMONAUT』の中でも個人的ランキング上位に入るくらい好きな曲だが、このアルバムの曲はどれもアレンジが細かく、ライブで演奏するのは難しいような印象がある。この曲も例外ではなく、記録を見る限りアルバムツアー以来10年間ライブでは演奏されていなかったようだ。そんな曲を今回聴くことができた気持ちは、筆舌に尽くしがたい。

『天体観測』と『ガラスのブルース』のパフォーマンスに関しては、触れざるを得ない。どちらもBUMPのほぼ全てのライブで演奏されてきたのではないかと思うくらいお馴染みの歴史ある曲だ。『ガラスのブルース』に至っては、バンド結成当初からずっと歌い続けられている曲で、未だに色褪せない様には感服する。

当時は手拍子も合唱も嫌っていた彼らも、今では観客側にマイクを向け、歌の一部を観客に委ねるまでになっている。いずれの曲も、大サビ前の一節が観客の歌う部分とされている。しかし、今回は観客の声出しを禁止されているため歌うことはできない。昔のライブを追体験したい私としては以前のようにこの部分も彼らが歌ってくれることを期待していた。だが、一方でそれは叶わない希望だろうという予測も持っていた。BUMP OF CHICKENはそういうバンドだ。

Day1のセットリストを見る限り、『ガラスのブルース』は演奏されなかったようだ。もはや『ガラスのブルース』は彼らだけの曲ではなく、観客の声が出せるようになるまでお預けなのかと思っていた。それだけに、アンコール2曲目に鳴らされた音を聴いた時の感動はひとしおだった。そして迎えた大サビ前、やはりというべきか。藤君は例の一節を歌わなかった。この瞬間を私は一生忘れないだろう。

 

所感

私とBUMPの曲との出会いは、2006年頃のことだった。当時仲良く遊んでいた一歳上の知り合いにつられて、近所の音楽教室でドラムを習い始めたのだが、そこで開かれる発表会で彼が叩いたのが『天体観測』だった。当時はそこまで音楽に傾倒しているわけではなかったので、一聴してもあまり引っかからなかったのを覚えている。ドラムが特徴的なフレージングだったため、面白い曲程度の認識だった。

それから少し経ち、上の世代の影響で少しずつ音楽を聴き始めるようになると、あのとき聞いた『天体観測』のことを自然と思い出した。今はなきiPodに、当時主流ではなかったダウンロード形式で『天体観測』のみ一曲入れた。当時は曲のレパートリーが少なかったため、この曲ばかり聴いていた。

BUMPの曲はストーリー性があるものも多く、当時流行っていたFLASHで有志により映像がつけられることもあった。ネットで見つけた『K』や『ラフ・メイカー』の動画を見て泣き笑い、学校でも話題になっている中どや顔でBUMPを語る経験を経てどんどんこのバンドにはまっていった。

当時は、『天体観測』を星を観る二人の歌だと捉えていた。しかし、音楽雑誌のインタビューで藤君が話している内容などを見るにこの歌は「雨の唄」らしい。この話を見た当時は意味をよく理解できなかったが、時が経ち更にこのバンドの曲に触れていく中で理解できるようになった。BUMPの初期の曲には、言葉遊びや叙述トリックのような、仕掛けが施されたものがある。真意がありながら多様な解釈が可能で、作詞者本人もそれを認め委ねているというスタイルに感銘を受け、心酔するようになっていく。

卓越した言語センスは当時から変わらず今も健在で、私が追いかけ続けている理由の一つだ。歌詞もそうだし、歌について話しているときも、藤君は言葉の隅々まで気を配り、一言一言大事そうに丁寧に紡いでいく。音楽性をはじめとしてBUMPには絶えず変化してきた部分があるが、そういったスタンスは昔からずっと変わらないおかげで、いつまでも信じてついていけているような感覚がある。

今回のライブでも、これまでのBUMPになかった新しい趣の曲たちを聴きながら、昔からぶれない彼らの芯に間近で触れて、その思いを新たにすることができた。それと同時に、彼らを狭い箱で見て、もはやこの規模に収まる器ではないことを悟った。パフォーマンスも語りも、懐が深すぎて小さな箱で演るにはもったいない。彼らが言うように、どんな会場であろうとだろうと彼らと私たちとの1対1×αの関係性は変わらないと思っている。彼らと私たちがどれだけ離れていようと、私たちが会場に足を運ばなかったとしても彼らはちゃんと音楽を届けてくれる確信がある。

今回のライブは、私にとっても特別な意味を持つものになるだろう。彼らが音楽をやめるまで、やめた後も私の耳が聞こえなくなるまで、彼らの音を追い続けたい。

JAPAN OPEN 2022 スイスラウンド8-1

突然の告知のもと開催されたMTGアリーナの大会、JAPAN OPEN 2022に参加した。

MPLのひりついた大会模様などを眺めながら、自分もカードが集まったらMTGの大会に参加してみたいと常々思っていた。始めてからかなりの時間が経った今、ようやくゲームプレイに困らない程度の資産を形成することができつつある。ちょうどこのタイミングで大型大会開催の告知があったため、お祭り感覚で参加してみることにした。幸いtop64に残れたため、今日だけでなく明日も続きのマッチがあるのだが、参加時点ではまさか決勝トーナメントまで残れるとは思っておらず、2敗時点でドロップするまでのスイスの成績を簡単にまとめようと思っていたので、予定通り記憶の新しいうちに1日目の雑感を記録していく。

 

 

デッキ選択過程

今回の環境は、ローテーション直後かつ新弾リリース直後ということで混迷を極めた。黒以外のデッキは主要カードを失っていたり、追加カードにめぼしいものが少なかったりする中、黒はスタン落ちによるダメージが比較的小さかったことに加え、新カードにも一線級のものが多いことから、黒が環境を定義する色となった。黒単が成立するほど黒にはパワーカードが勢ぞろいしているわけだが、黒単が支配しているわけではなく、黒のいいとこどりをしながら、打消しや火力、フィニッシャーを肉付けしていく形で様々なタイプのデッキが開発されることとなった。

目に見えて大きな変化が現れたのは環境初週に開催された大会でジャンドミッドレンジが優勝したタイミングだ。リリアナによるハンデスをリアニメイトの手段にすることを狙ったデッキで、リリアナの使用率が非常に高かった初期環境に嚙み合っていた。

同時に結果を出していたのがグリクシスミッドレンジで、ジャンドのような大ぶりなアクションを叩きつけてくるデッキに対してカウンターで応戦するという形で青の強みを発揮するデッキだ。マナベースが若干不安定なことを除けば、前環境と同じような振る舞いをすることができるため、一定のシェアを占めることは容易に想像できた。

こうした流れの中で、私が最初に目を付けたのがグリクシスミッドレンジだった。前環境でも触ったことがあったため、当時の感覚を活かしながら戦うことができるのではないかと考えた。しかし、3色デッキには両面ランドを失ったことが大きなデメリットとして響き、当時ほど動きが安定しないようだった。使うなら、アグロデッキをどう捌くかを考えてリストを練る必要があった。

大会が近づくにつれて、グリクシスの評判が上昇してきていることを察知した私は、ミラーマッチの懸念について考慮せざるを得なくなった。基本的にミッドレンジミラーは序盤からテンポよく動いたほうが勝つゲームになりやすいと思っているため、先手後手と序盤の引きに勝敗が大きく左右される。この差を取り返すには、他のプレイヤーと差別化できるくらい一手を正確にプレイするか、逆転の起点となるカードを採用する必要があると考えている。しかし、本番まで日がなく、急ごしらえのリストでは勝ちきれないし、差別化できるようなプレイも発見できそうにないと感じた。そのため、グリクシスミラーは避け、このデッキに優位に立てそうなデッキを探すことにした。

ここで目を付けたのが、今回使用した黒単だ。このデッキはグリクシスに有利がついているというデータがあったため、有利になるメカニズムはよく分からなかったがとりあえずこのデッキを使う方針で調整を進めた。

これが調整後のリストだ。参考にした元のリストから変更した点がいくつかある。

大きな変更点は、メインからヴェリアナを抜いたことだ。ヴェリアナは3マナのクリーチャーがプレイされた返しにそれを生贄に捧げさせる動きが強いのだが、ヴェリアナ環境ではこのカードに対する対策が進み始め、しっかり序盤から動いてくるデッキが増えた。横並びに対しては真価を発揮できないカードなので、有効に使うためには盤面を整えておくというお膳立てが必要となる。しかし、このような活躍の場が限定されたようなカードはミッドレンジデッキと相性が悪く、3マナのアクションとしてはクリーチャーをプレイするほうが強い場面が多い。さらに、プラス能力のディスカードは、カードを早々に使い切って相手にだけディスカードを強要するのが理想だが、このデッキの場合リソース勝負を仕掛けることも多いため、ディスカードが自分に重くのしかかってくる可能性もある。デッキとの相性を考慮して、メインから抜くことにした。

ふたつ目は、隠し幕の不採用だ。1マナ域を増やすことで相手のヴェリアナを避けることができ、3マナ払えば相手の手札の脅威を取り除きつつアタッカーになるというカタログスペックの高いカードだが、今の環境でその動きは悠長に感じた。特に変身タイミングに除去を合わせられるのが最悪で、ディスカードが起動しないためマナの払い損になってしまう。やはりミッドレンジらしく3tは3マナのカードをプレイしたいと思い、隠し幕の採用は断念した。

みっつ目は、魂転移の採用だ。追放除去が少なくなった影響で、黒がらみの除去への対策としてPIG能力持ちが現れている。それらを後腐れなく対処する手段として魂転移を厚く取っている。エンチャントとアーティファクトをコントロールしていれば両モード選択可能になる点も見逃せない。このデッキではしばしばこの効果がアクティブになる場面が発生する。

最後に、マナフラ受け用の土地枠について触れたい。もともと《道路脇の聖遺》の枠には《廃墟の地》が入っていた。多色環境のため、相手の多色ランドを割れば色が出なくなり、あわよくばランデスを狙いたいというような意図があると思う。しかし、この土地のバリューは相手のデッキタイプに大きく依存し、例えばミラーであればほとんどが基本土地のためただの無色マナになってしまう。それよりは、マナフラ受けとしてカードを増やせる聖遺の方が汎用性が高いということで入れ替えることにした。

《セレスタス》はあってもなくてもいい。もとのリストに入っていた名残で使っており、マナジャンプすることでスムーズに《絶望招来》を打てたり、ロングゲームに強くなったりするが、基本的には短期決戦を目指す方が勝てるデッキのようなので、攻め札に入れ替えてもいい。

 

スイスラウンド戦績

1 5Cアグロ                          2-1 ○

2 黒単                                  2-1 ○

3 黒単                                  2-1 ○

4 ラクドスミッドレンジ     1-2 ×

5 エスパーミッドレンジ     2-0 ○

6 グリクシスミッドレンジ 2-1 ○

7 マルドゥミッドレンジ     2-1 ○

8 黒単                                  2-1 ○

9 グリクシスコントロール 2-1 ○

 

所感

大会環境はグリクシスが多数との読みは当たっており、マッチしたグリクシスにはきちんと勝つことができたため、デッキ選択は悪くなかったと言える。

ただ、持ち込んだ黒単は2番目に使用数の多いデッキで、今回はグリクシスより対戦回数が多くなってしまった。結局ミッドレンジミラーが発生したため、これならミラーを割り切ってグリクシスで楽しんだ方がよかったかもしれない。黒単でミラーを全勝できたのは構築に起因するところが大きいと思うので、リストで差をつけられたという意味では黒単の調整は成功している。

どのデッキもプレイヤーの創意工夫が垣間見え、非常に面白いゲームばかりだった。細い糸を通すような捲り方をしたゲームもあり、一瞬でも気を抜いていたら負けていたかもしれない。

戦績としては、期待以上のものになった。強豪プレイヤーも多数参加している大規模大会で勝ち残れたというのは、今後マジックを続けていく中で大きな財産になると思う。

決勝トーナメントは気負わずに楽しみ、今後のプレイに活かせるような経験値を吸収したいと思う。

SNC レアカードコンプリート

もうすぐHBGシーズンが終了し、来る新拡張『団結のドミナリア』やセットローテーションへの期待が高まる中、時季外れではあるがSNCのレアカードをコンプリートするに至った。今までレアをコンプリートしたセットは全てリミテッドのプレイを介していたが、SNCシーズンからの構築イベントの仕様変更により、構築戦のみのプレイでも効率的にパックが集められるようになったということで、どれくらい集まるようになったのか確かめてみた。スタート地点をはっきり記録しておらず、あくまで目安にしかならないのが残念だが、今後アリーナを遊ぶペースづくりの参考程度にはなるだろう。

 

イベント戦周回開始時点での資産目安

メタゲームチャレンジの報酬30パック分と、マスタリーやランク報酬から50パック弱、ドラフト券消化分の5パックを合わせて約80パック分+α程度からのスタートだと思われる。主要なカードは既に作成してあり、デッキを組むのに困るレベルではなかったが、普段使わない色に未作成の環境カードが点在していたため、ローテーション後の環境も見据えて集めておくことにした。

 

周回数及び獲得パック数

これがイベント戦の総ゲーム数。1周5マッチかかるため、参加数は53回だと分かる。

このうち、完走数は16回。これは獲得プレイインポイントが64ポイントであることから分かる。完走時のパック報酬は3パックなので、この時点で48パックは獲得している計算。

残りはほぼ全て2パックだと思われる。つまり、74パック程度獲得していることになる。

合わせて112パックというのが、今回のイベント戦周回で獲得したパック数になる。開始時点での所持パック数と合わせて、およそ200パック集めたことになる。

パックからは未所持のレアが排出されるが、レア枠が神話レアやワイルドカードに変化するパックも一定数ある為、パックからのレア獲得数は200よりも少ない。

ニューカペナのレアカード数は60種類、240枚のようだ。200枚弱をパックから、残りをクラフトやICRにより入手したと考えると、若干ずれているような気もするがそんなものだろう。

 

雑感

マスタリーや期間限定イベントでのパック報酬を考慮すると、イベント戦では大体100パックちょっと手に入れれば拡張のレアをほぼコンプリートできそうだ。

周回ペースとしては、1日あたり4勝、つまり2マッチ勝つことを目標にする程度だった。休日など時間のある日は上乗せすることもしばしばあったが、大体その日のデイリークエストをイベント戦でこなすくらいの感覚だ。HBGシーズンずっとスタンダードイベントを回し続けたようなイメージだが、HBGシーズンは普段よりも短いシーズンだった。平常通りであれば周回ペースにもう少しゆとりが生まれるだろう。

参加費は全てジェムを使って払っていた。ジェムで払うほうが若干割安だからだ。ジェム収支はとんとんくらいだと思われる。道中わずかな増減はあったが、それほどぶれずに元のジェム量くらいで落ち着いた。

ゲーム内通貨の収支及び一定パック数獲得までにかかるイベント参加回数は、若干勝率に依存するところがある。今回は時期が良かったのといいデッキを見つけられたのが幸いし高勝率をキープできた。稼ぐことを目的にイベント戦をプレイする場合は、雑多に強いデッキを持ち込むことが前提になるだろう。ここは私のプレイスタイルと食い違わないため問題なさそうだ。

 

下環境のカードも本格的に集め始めた今感じることだが、やはりカードはその拡張が最新弾であるシーズンに集めきってしまうのがよい。後から追いかけて集めるのは少々骨が折れる。ワイルドカードにもだいぶ余裕が出てきているため、コンプリートまではいかずとも、毎拡張80%前後くらいを目安にレアカード集めに励みたい。