ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

MTGA 戦績メール

しばらく前から、シーズンごとに運営より戦績が送られてくるようになった。

私は他のDCGでそういったサービスメールを受け取れなかったことがあり、それと混同したせいかMTGAの戦績メールも受け取れていないものと思い込んでいた。しかし、ふと自分のメールボックスを漁ったところ奥底に埋もれていたものを発見できた。受け取りを諦めていただけに嬉しさはひとしおで、せっかくなので今まで送られた分を記録しておくことにした。

 

 

MIDシーズン

MID環境は、ドラフトがとにかく面白かった。1パックにおける収録割合が最も高いコモンにプレイアブルなカードが多く、色の流れを読めればデッキを組みやすかったというのが大きな要因だと思う。強レアに対する依存度が低かったのは間違いなく大きい。

青黒が最も強いカラーだったが、プレイヤーは皆それを知っており、競争率の高い色になっていたため、それを避けて緑を使っていた。コモンのフラッシュバックスペルが強力で、リソースの枯れないミッドレンジデッキを手軽に組むことができたからだ。「集会」がテーマだった白緑を目指してピックすることが多かった。favorite colorがGreenなのは恐らくこの影響だ。

このシーズンは平常よりもかなり短く、2か月ちょっとしかなかったように思う。ドラフトが存外面白かっただけに非常に残念だった。MIDのクイックドラフトが復刻するたびに触っており、今ではレアをコンプリートいている。

 

VOWシーズン

MID環境のドラフトが過去一楽しかった影響で、VOW環境もカード集めを兼ねてドラフトから触り始めた。しかし、環境理解が進むにつれて、全体的にカードパワーが抑えめであることに加え、一部のレアカードのパワーが高いことが発覚し、レアカードのプレイの有無にゲームの勝敗が左右されやすいことが発覚してきた。構築であればいくらでも対策できるのだが、ドラフトは比較的特定カード依存の展開を脱却するデッキを組むのが難しい。このゲーム体験があまり心地よく思えなかったため、構築イベントでカードを集めることにした。

当時スタンダードで強かったデッキは、イゼット天啓だ。《アールンドの天啓》を《感電の反復》でコピーし、複数回の追加ターン獲得により一気にライフを削りに行くデッキである。このコンボだけで勝てるため、残りのカードはコンボを集めるためのドローソース、コンボまで繋ぐための除去カード、コンボを確実に通すための打消しカードと、幅広く対応するためのカードを入れる十分なスロットがあった。隙がない上に、特に中速以降のデッキに対して強く、環境からそれが淘汰されている大きな原因になっているということからキーカードの《アールンドの天啓》とテンポ兼リソース獲得手段の《ゼロ除算》が禁止制定を受けることになった。

禁止制定までこのデッキを使っていた私は、スタンで新たな強デッキが発見されるまでヒストリックで遊ぶことにした。その時主に触っていたデッキはジェスカイコントロールだ。これらに共通するカラーである赤がfavorite colorになっている。

 

NEOシーズン

NEO環境では、資産形成がある程度安定し始めてきたことをうけて、無理にリミテッドをしなくてもいいと考えるようになり、構築により傾倒するようになった。

環境初期はオルゾフミッドレンジが強いという評判を聞きつけ自分も触ってみたが、それまで触っていたコントロール系のデッキと比べてスクリューや色事故の発生が目立つデッキタイプだったため、プレイ感が良くなかった。代替デッキとして、オルゾフに強い《絶望招来》を無理なく使える黒単コントロールを使って環境初期のメタゲームチャレンジを走った。

このデッキの使用感は悪くなかったが、経験上明らかにTierリスト上位に上がるようなデッキではないと感じたため、スタンで強いデッキが現れるまでヒストリックで遊ぶことにした。

基本的に構築イベントで資産稼ぎを兼ねてデイリーをこなすことをルーティンにしているのだが、このスタイルだとジェムの増え方が芳しくない。ラダーで予選ウィークエンドの権利をとり、勝利報酬のジェムを当てにしたほうがコスパがいいかもしれないと思い、ひと月だけラダーに専念してみることにした。ミシックまでは特に苦もなく到達したのだが、ミシックになってからのマッチではTierリスト外のいわゆる雑多デッキと当たり、仮想敵として想定していないため順当に負けて順位を吸われるという出来事が目立った。下がった順位を上げなおすのが大変そうだったので、ラダーはほどほどのところで諦めることにした。構築イベントと比べると短期的な報酬がないため、モチベーションの維持が困難に感じた。

構築イベントでは、アゾリウスコントロール、イゼットフェニックス、ゴルガリフードを気分で使い分けるような遊び方をした。中でもゴルガリフードのギミックがクリーチャー主体の雑多デッキにめっぽう強く、サイド後除去を手札破壊と交換することでコントロール相手の相性も改善するということで、ゴルガリフードを使う機会が多くなった。favorite colorがBlackなのはこれが影響している。

 

SNCシーズン

ニューカペナのリリースと同時に、複数のアップデートが行われた。そのうちのひとつとして、構築イベントのシステムの刷新があった。今まではICR形式でレア数枚といくらかのゴールドが報酬だったが、新形態ではパックといくらかのジェムに変わった。リミテッドプレイヤーの方が構築プレイヤーよりもカード資産が貯まりやすい状況を鑑みて、その差を改善するための仕様変更だったようだ。この変更のおかげで、私はリミテッドを触る必要がほとんどなくなった。

ニューカペナ実装後まもなく《痛ましい絆》がナーフされたことを受け、しばらくゴルガリフードからイゼットフェニックスへ持ち替えた。だが、ナーフ前のリストへ回帰する形で依然猛威を振るっている様子だったため、使い慣れたゴルガリフードで構築イベントをひたすら回した。今までヒストリックリーガルのパックを入手する手段はストアでの購入に限られていたため、イベント報酬でもらえるようになったのは非常に助かった。

構築イベントを完走するともらえるプレイイン・ポイントを20ポイント集め、ヒストリックにも概ね満足したところでちょうどこのデッキに2度目のナーフが入った。ニューカペナの終わり間際の出来事だったため、このシーズンはほとんどずっとゴルガリフードを回し続けていたことになる。favorite colorが黒になっているのもそれを物語っている。

 

スタンダード2022下半期総括

今振り返ってみても、例に漏れず非常に楽しい期間だった。

ラダーは、報酬の効率面から両面ゴールド以上、いずれかはプラチナ以上を目標に遊ぶことにしている。恐らくほぼ毎月達成できているが、義務感が大きいのでスタイルのために片面プラチナを目標にするくらいでもいいかもしれない。

対戦数は、目安として1日あたり4勝以上を目指している。daily wins goldの獲得効率を考えてのことだ。その甲斐あって、なぜか逃しているMIDシーズン以外はdaily wins gold獲得量上位99%に入ることができている。

quests goldは、取りこぼしの無いよう細心の注意を払ってプレイしている。特に、シーズンの変わり目は残りのクエスト量にかかわらず3つフルに更新されるため、事前に空にしておく必要がある。かなり気を配っているにもかかわらず獲得量上位99%に入れていないのは、750ゴールドが出る機会の少ない下振れシーズンであるかと思いきや、実はもう少し改善の余地がある。それは、500ゴールドのリロールの機会を増やすことだ。私は、500ゴールドのクエストを1度リロールして750に変わらなかったものはそのまま消化してしまっている。そのため、最初から750ゴールドのクエストが出た際にリロール権をふいにしてしまっている。この分を詰めれば、上位99%まで行ける可能性は十分にある。とはいえこのランキングにはさほどこだわっていないためこのままのスタイルで続けていこうと思う。

パック開封数は、シーズンが進むごとに増加している。パック獲得源は、メタゲームチャレンジや構築イベントのような、勝利数に比例した報酬が配られるイベントが主なため、おおよそイベント勝利数とパック獲得数が比例している。改めて上達を実感できて嬉しい。

特にSNC期間のパック開封数がぐんと増えているが、これは構築イベントの仕様変更によりICRやリミテのピックによるカードの入手機会が減少することを踏まえて、今まで開けずに持っていたパックを一気に開封したのがカウントされている可能性がある。そのような意味では、今期HBGシーズンのパック開封数が純粋な1シーズン中のパック獲得数の目安になりそうなので、戦績メールが届くのが楽しみである。

4シーズン分の振り返りをしてみて、概ね望み通りのプレイが叶っていることが確認できた。ゴールドやジェムのやり繰りに追われている印象を受けていたが、毎シーズン2万ジェム弱分程度は増えており、増加分としては少なくない量獲得できているようだ。現在はカードスタイルやスリーブなど、サプライを集めるために多額の費用がかかっている状態だが、追加実装のペースはそれほど急ではなさそうで、過去分の回収が追いつけば出費は抑えられる算段でいる。少ない元手でやり繰りするのも楽しいが、気兼ねなく対戦を楽しみたいため、サプライ収集の一段落を目標に今後もこのゲームを謳歌していきたいと思う。

謎のゲーム Magic Spellslingers

先日、Magic: The GatheringのIPを使用した新DCG、Magic Spellslingersのリリース情報をSNSにて得た。公式からのプロモーションが全く目に入らずなんとなく怪しさを覚えたが、Hearthstoneライクな新DCGらしい。MTGのデジタル化は既にMOとMTGAによって済んでおり、改めてDCGをリリースする必要性に疑問を覚えたことも怪しさを助長した。だが、私が親交のあるコアカードゲーマーが面白いとレビューしていることから、どのようなゲームなのか少し興味が湧いたため私も触ってみることにした。この記事では、数時間触った時点で抱いている第一印象のようなものを書き記していきたい。

ガワがMTGということで、基本的な用語はMTGのものを使っていくが、場合によっては複数のDCGの用語が混在する。可読性が低くなるだろうことを先に断っておく。

 

 

雑感

ゲームの印象は、「MTGのキャラクターが登場するHearthstoneのようなゲーム」という表現と全く同じものだった。類似点と相違点を表にでもまとめれば攻略記事っぽくなるのかもしれないが、あくまで感想を書くことが目的なので、それらの中で印象に残った点について述べていく。

MTGと後発のDCGを差別化する大きな要因は、カードタイプについてふたつあると思っている。土地とインスタントだ。

土地システムに関しては、MTGの要素が完全に撤廃され、後発DCGのものがそのまま採用されている。毎ターン自動でマナが増えていくシステムだ。先後問題に対応するためのハンデはHearthstoneと同様で、後手に一度だけ使えるマナひとつとカード一枚が与えられる。MTGでは後手にカード一枚が与えられるのみで、その理由はカードアドバンテージの価値が高いゲームであるということが考えられる。この推測は実際のゲーム体験にも即しており、個人的にはMTGのゲーム性の方が性に合っている。そのため、テンポゲームに寄っていることが窺えるテンポラリーマナ(コイン)の配布は、DCGに寄せたシステムを採用している以上当然のことながら、少しだけがっかりさせられる要素だった。

インスタントに関しては、Hearthstoneの「秘策」に酷似したシステムが採用されている。「罠」と呼ばれるそれは、予め必要マナを支払い、カード毎に設定された発動条件を満たした時に自動で発動するというものだ。罠を予約するためのマナの支払いは、罠が発動するまで相手に見えない。秘策との違いはこの辺りにあり、罠の警戒は浮いたマナを見てしなければならない。また、秘策の発動タイミングは完全に相手依存だが、罠はバットリ系であればメイン2で張ってからターンを渡すことで、任意のコンバットで起動させることができる(フェイズ感はMTGと近く、メイン1、戦闘、メイン2がある)。とはいえ、相手に戦闘をスキップされると罠は空振る為、結局相手依存と言えばそこまでだが。

 

ここまでは、後発DCGに寄ったシステムに関する内容に触れた。ここでは、MTGを彷彿とさせるシステムについて述べる。それは、ブロック型の戦闘だ。

Hearthstoneやその後続DCGの多くは、攻撃側が攻撃対象を自由に選ぶことができる。しかし、Magic Spellslingersでは攻撃側がアタッカーを指定した後、防御側がブロック先を指定することができる。ゲームテンポは悪くなるが、Hearthstone系DCGが抱えがちな攻防の強弱問題は緩和される。

ブロック型の戦闘システムにより緩和される攻め手側強すぎ問題だが、別の問題で悪化しているようにも感じる。それは、タップという概念がないせいで全てのクリーチャーが警戒持ちになっており、アタックのリスクが小さいことだ。防御側からすればチャンプせずに攻撃を通したところで返しは結局チャンプアタックなので、アタックし得、通し損の関係になっている。チャンプブロックを強要させられるストレスが大きいので、なんらかのブレイクスルーが生まれることに期待したい。

アタック側のリスクの小ささは、マルチブロックがないことからも感じさせられる。DCGの利点であるダメージ保存が採用されているためシングルブロックのみでもゲームにはなるが、アタックは非常に簡単に感じる。ゲーム自体はサクサク進むため悪いことではないが、やはり駆け引きの要素は薄れているように思う。

 

まとめ

ぱっと見で抱いた感想はこのような感じで、非常に遊びやすくなったMTG、あるいはルール変更を施したHearthstoneという印象を受けた。もちろんリリース初期のゲームであるため現在提示されているのは基本ルールに過ぎず、今後のアップデートによりこのゲームの色が現れてくるのだろう。しかし、私にとってはどのDCGも似たようなもので、続けるかどうかは周りのプレイヤーに依存することになると思う。現状羽振りも悪くなく、ゲームの面白みを感じることもできたため私の周りのカードゲーマーを長く惹きつけてくれることを期待したい。

もしこのゲームが気になっている人がいたら、ぜひ触ってみてほしいと思う。よく「このゲームは面白くないから触るだけ時間の無駄だ」みたいな主張が「善意」で発信されているのを目にするが、面白くないと感じたのはそのレビュワー当人の話であり、さらに面白くないゲームに費やした時間を無駄と捉えるかは考え方次第であると私は思っている。どのゲームでも同じだが、カードゲームに関するレビューにはまず間違いなくバイアスがかかっているため、それらに振り回されず自分の感性に従うのが最もアドバンテージを得られる選択肢だ。

無課金MTGA 2年経過時点での資産状況

前回記事公開からさらに1年が過ぎ、私のMTGA歴は3年目に突入した。2年費やしてもなおマジックには新たな発見が無数に眠っており、ゲームの奥深さ、面白さの恩恵を日々実感している。

ゲームのプレイスタイルは未だに資産集め中心になっている。カード資産はだいぶ余裕が出てきて、各フォーマットをプレイするのに必要なトップTierデッキであればすぐ用意できるようにはなった。しかし、このゲームにはカードスタイルやアバター、ペットなど魅力的なサプライが多数用意されるため、それらを買いそろえようとすると資金が足りなくなってしまう。1日1000ゴールド程度稼ぐとして1シーズンで9万ゴールドほど手に入るわけだが、現在マスタリーパスやイベント参加費に充てるジェムの貯蓄に回している状況で、気兼ねなくサプライを購入できるラインまで至っていない。当分資金に余裕を持たせることを目標に進めることになりそうだ。

 

 

資産状況

ゴールド:6350 ジェム:5750 未開封パック:HBG61

 

所感

1年前に書いた記事と比較したところ、明らかに資産が増えており、成果が可視化されて嬉しくなった。以前はワイルドカード、ジェム、ゴールドが増加どころか減少した状態でシーズンを跨ぐことが多々あったため、カード資産は増えているとはいえ金策に苦心する状態が続いていた。最近はシーズンを通した参加イベントの取捨選択などが確立してきたこともあり、資金のやり繰りが上達している。この調子で進めていきたい。

 

1年前との大きな違いは、構築イベント報酬がジェムとパックに変わったことだ。以前はゴールドと1,2枚のレアカードだった。

これにより、ゴールド→ジェムの変換とパックの獲得が構築戦で行えるようになった。構築イベント変更前は、ジェムへの変換とパック獲得をリミテッドに頼らなければならず、パックの開封タイミングに制限がかかるのが憂鬱だった。ドラフトのピックカードやイベント戦の報酬カード(ICR)は、所持上限を超えた分が微量のジェムに変換されるのに対し、パックのレア枠は重複を避けて排出されるため、可能な限りパックの開封は先送りにしたほうがいい。しかし、先送りにしたせいで構築用カードに余計なワイルドカードを割くのはもったいないので、適当なタイミングで見切りをつけてパックを剥くことになる。これが新体制ではリミテッドのピックやICRの入手の機会が減るため、好きなタイミングでパックを開けても損しにくくなった。地味にうれしいポイントだ。

さらに、構築イベントでは完走報酬としてプレイインポイントが配布されている。20ポイント貯めると、予選ウィークエンドの予選であるプレイインイベントの参加費として使うことができる。参加の機会は設けられているがなかなか足が向かなかった競技イベントにエントリーするきっかけとして重宝する。フォーマットは月ごとに変わるため参加タイミングを選ぶ必要はあるが、ポイントはシーズンを跨いで持ち越せるため、本命フォーマットでの開催に備え入念に爪を研いでおきたい。

 

イベント関連では、メタゲームチャレンジが参加し得なイベントであることが判明したことも大きい。周囲の評判は博打イベントだというようなものばかりで流されかけたが、実際参加した際の感触が非常に良かったことに加え、報酬期待値の試算情報によると勝率50%時点で収支が既にプラスということなので、やればやるほど儲かるイベントであるということが分かった。恐らく1敗したら即終了という部分が過度にリスクを匂わせるのだと思うが、勝率50%時の比較ではプレミアドラフトよりも報酬期待値が高い。3日ほどしか開催されないイベントに時間を費やすくらいなら、ドラフトの場数を踏んで経験値を貯めながらパックを集めたほうがよいという考え方もあるが、ドラフトはまとまった額の元手がないと容易に破産してしまうため、さほど蓄えのいらないメタゲームチャレンジは参加のハードルが比較的低い。

メタゲームチャレンジの報酬期待値計算はパック込みなので、収支プラスといえど資金が増えていくわけではない。ゴールドの支出を減らすためにも持ち込むデッキは吟味しておきたい。

 

今後の展望

構築イベントの報酬がパックに変わったおかげで、スタンリーガルから外れてしまったパックの新たな入手経路ができた。以前はストアで購入するしかなかったが、それよりはるかにお得に手に入れることができるようになっている。

構築イベントの報酬体系が変更されてから、ずっとヒストリックでゴルガリフードを回し過去のパックを回収していた。20プレイインポイント貯まった段階で息抜きがてらスタンに移ったところちょうどゴルガリフードのカードがナーフされたため、ヒストリックには戻らずしばらくスタンを回そうと思っている。ニューカペナのレアが一通り集まった段階でアルケミーやエクスプローラーに移り、スタンのローテーションが来た段階でそちらに戻る予定だ。シーズンが終わったパックを後から集めなおすのは少し効率が悪いので、それが最新弾であるうちになるべく集めておきたい。

カード集めの過程で貯まったプレイインポイントを適宜消化しながらジェムに変換していけば、サプライの購入費も捻出できるようになるだろう。カード資産も順調に増えているため、ゆくゆくは全カードコンプすることを狙いたい。以前までは困難そうだったが、過去拡張の入手経路が確保された今なら十分狙える気がしている。

メタゲームチャレンジ7勝 エクスプローラー ラクドスミッドレンジ

ニューカペナ発売と同時に実装された新フォーマット、エクスプローラーにてメタゲーム・チャレンジが開催されていた。せっかくなので参加してみたところ、7勝することができた。今回は戦績を記録していたため、振り返りながら感想を書いていきたい。

 

 

デッキリスト

リストはこちらの動画で紹介されていたものをそのまま使用した。

事前情報では環境にウィノータデッキが多いとのことで、このデッキに対する対策は必須という前提でデッキを選んだ。

《レッドキャップの乱闘》や、このデッキで採用されている《チャンドラの敗北》がウィノータ本体への解答として優秀なので、赤いデッキを使用することは決めていた。

単色にするか、相方の色を用意するかだが、赤単色にした場合アーキタイプはバーンアグロになる。デッキの性質上息切れしやすく、ロングゲームには向かないため、私の嗜好と照らし合わせて使用を見送ることにした。

もう片方の色は、緑か黒に当たりをつけた。

赤緑も赤単色と同様攻めっ気の強いカラーリングで、いなされてロングゲームに持ち込まれると厳しい。パイオニアで猛威を振るっているらしい青白コンが一定数いることを想定して、緑も使用を避けることにした。

残るは黒だ。赤黒は典型的なミッドレンジデッキで、速いデッキに対しては豊富に用意された除去で対応し、遅いデッキに対してはハンデスやプレインズウォーカーでリソース勝負に応戦できる。最も好みに合っていそうだったので、赤黒をプレイすることに決めた。

リストはこれだ。オブ・ニクシリスが採用されているのが特徴的で、犠牲を発動できるよう2マナクリーチャーを厚く取っている。アグロ相手には2,3Tを《砕骨の巨人》でやり過ごす、コントロール相手には2Tクリーチャープレイから3Tオブ・ニクシリスを展開するようなイメージになる。

メインボードにはほとんど不満がない。強いて言うなら、リソース獲得手段として《不笑のソリン》を入れたいことくらいか。ただこのリストだと枠がないので、オブを抜くような形になるかと思う。攻めっ気がかなり削がれ、後ろ寄りなリストになる。

サイドボードは、メタ用カードとはいえピーキーなカードが多い印象を受ける。エクスプローラーは今回初めて触ったため環境に関する理解がないが、採用意図の分からないカードが数枚あった。

《高山の月》はリストを眺めている段階から疑問に思っていたし、実際チャレンジ中にこのカードを使用したゲームはひとつもなかった。恐らくパイオニア環境に存在するロータスコンボに対するメタカードで、このデッキはエクスプローラーには未実装なため抜いてしまって問題ないと思う。

《軍団の最期》も対象が不明瞭なカードだ。思い当たるのは墓地利用系デッキの《縫い師への供給者》だが、ピンポイントで意識しなければならないほどのアドバンテージをとられるわけではないように感じる。リターンの割に使い勝手が悪いので汎用除去に入れ替えてもいいと思う。このカードもパイオニア環境を意識したカードで、ウィノータの《復活の声》対策に採用されているらしい。

《チャンドラの敗北》もよく分からなかった。現状赤いカードで除去するのに5点必要な対象が浮かばないので、状況に応じて《エシカの戦車》などもターゲットにできる《レッドキャップの乱闘》と入れ替えてもよさそうだ。

 

戦績

白単アグロ ○○

白単には《踏みつけ》圏内のクリーチャーがほとんどで、アタックも2以下のものが多いため、《砕骨の巨人》1枚でアドバンテージを稼ぐことができる。サイド後は《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》も投入し、盤石な態勢で受けに回ることができる。

 

赤単アグロ ×○○

赤単はタフネスが高い生き物が複数枚おり、《踏みつけ》が当たらないケースが出てくるため若干厳しい印象を受ける。サイド後に《思考囲い》を有効牌である除去に入れ替えれば、火力を凌いでライフレースを制することもできそうだ。

 

ナヤウィノータ ○○

ウィノータに対しては2通りのアプローチがあると考えている。人間以外のクリーチャーを徹底的に除去し続けるパターンと、ウィノータを始めとする脅威に焦点を絞って除去を打つパターンだ。前者はこちらのリソースが足りなくなる危険性があるが、メインでウィノータに対処する手段が少ないため、予め弾を排除しておきウィノータを強く使わせないことを意識する。

サイド後はウィノータに対する除去を増やせるため、細かいクリーチャーはさほど気にする必要がなくなる。このリストだと、《トヴォラーの猟匠》の除去に苦戦してしまうため、警戒しながら立ち回るか、出される前にライフを詰めておきたい。

 

セレズニアエンジェル ○×○

天使デッキではおなじみのギミックである、ライフゲインによる《正義の戦乙女》の全体強化が強力なデッキ。ライフを詰めておいてもカンパニーから突然のゲインにより捲られるほどの回復量を有するので、最大効率でライフを削っていく必要がある。こちらが攻める側に回るマッチアップだ。《致命的な一押し》の打ちどころが肝となる。

このゲームでは相手がライフレースを挑んできてくれたため競り勝つことができたが、受けの態勢を整えられると苦しくなると思う。

 

アゾリウススピリット ○○

飛行クリーチャーを並べてカウンターで守るクロックパーミッション

相互にバフを掛け合うため並ぶと手に負えなくなるが、単体はさほど強くないため丁寧に除去していけば勝てる。

サイド後はハンデスでカウンターを抜いてから除去を通すプランを立てたが、見えているカウンターが《呪文貫き》だけだったのでそこまで警戒する必要はなかったかもしれない。

 

グリクシスミッドレンジ ○×○

ラクドスミッドに青を足したようなデッキ。《表現の反復》を取れるのが強そうだった。フィニッシャーは《破滅の龍、ニコル・ボーラス》。

裏を返せば青を足したことによるメリットはこれだけで、引き換えに色事故率が上がっていることを考えるとリスクリターンが釣り合わないような気もする。一戦しかしておらず全貌を見ていないため、あまり確かなことは言えない。

 

セレズニアエンジェル ○×○

2度目のマッチ。アグロ相手にはゲインでライフレースをひっくり返し、遅いデッキ相手にはサイズの大きいクリーチャーでビートできる、隙の少ないデッキだ。複数回当たるのも頷ける。

2ゲーム目は特に中隊を連打された上に除去も引けておらず、このあたりが勝敗に影響してくるような印象を受けた。中隊はハンデスで抜くという手もあるが、インスタントタイミングですり抜けられるため4マナ目をセットされたあとは機能しない。1~3Tは盤面の形成にマナを割きたいので、中隊は打たせてから返すことを考えたほうがよさそうだ。

 

所感

前評判ではウィノータが強いと聞いていたし、いくつかのデッキのサイドボードを見比べてもばちばちに意識されているため多いのかと思ったが、今回はいろいろなデッキと当たり楽しめた。

上述の通りよく分からないサイドボードのまま参加してしまったが、勝ち切ることができたためラクドスミッドレンジというアーキタイプにはポテンシャルを感じる。特に《砕骨の巨人》の強さが尋常ではない。スタンダードにいた頃はこのカードのせいでタフ2以下の存在意義が軒並みなくなっていると言われたほどインパクトのあるカードだった。当時クロックパーミッションを使用していた私はさほど脅威を感じていなかったが、実際に使用してみて、まっすぐクリーチャーで攻めるタイプのデッキには無類の強さを誇ると実感した。

サイドボードは雰囲気で入れ替えていたが、アグロ相手は《思考囲い》を適切な除去に、コントロール相手は《致命的なひと押し》などをハンデスに入れ替えるだけで形になる。あとは先手後手やリストの細部に合わせて適切なカードを入れていきたい。

7戦のデータを見ると、赤いデッキよりも白いデッキの方が多いため、コストは上がるが《チャンドラの敗北》を《害悪な掌握》に変えてもいいかもしれない。緑も対象に含まれるため、対処しにくい《トヴォラーの猟匠》への解答になる。しかし、たったの7戦しかしておらず環境を読むにはデータが少なすぎるため、プレイしながらいろいろ試していくのがいいように思う。

アブストラクトゲーム

DCGを触り始めてから長い間疑問に思っていることがある。それは「カードゲームは運ゲーだ」みたいな主張がさも新事実が発覚したかのように声高らかに披露される現象が頻繁に発生することだ。カードゲームは元来運ゲーであり、それは改めて周知しなけらばならないような事柄ではない。興味深いのは、運要素について同一のプレイヤーが定期的に全く同じ内容の悪態を吐くケースが少なくないということだ。運ゲーでないと思いたいが運ゲーである現実に度々直面し葛藤が生じてしまっているのだろうか。

今回は、このような事柄について考えていきたいと思う。

 

アブストラクトゲームという概念を知っているだろうか。チェスや囲碁のようなゲームが属するジャンルのことだ。特徴として、完全情報ゲームである、つまり全てのプレイヤーに等しく情報が与えられている事が挙げられる。完全情報ゲームの中でも偶然性を持たないもののことを特にアブストラクトゲームと呼ぶ。

対立概念として不完全情報ゲームがあり、これはプレイヤーに与えられた情報間に非対称性が見られるゲームのことだ。カードゲームで言えば、自分の手札は全て把握できるが相手の手札は見ることができないため、プレイヤー間に情報の非対称性があり、これが駆け引きの要素を生み出している。さらに山札の順番を最たる例とする偶然性があり、場合によってはそれが結果を左右する。

まずは、これらの概念を知っておく必要がある。そうすることで、自分がアブストラクトゲームに向いているのか、そうでないゲームを楽しめるのか判断することが可能になる。

これらのニーズの違いは容易に想像がつくだろう。能力主義のゲームが前者で、娯楽程度に嗜みたいカジュアル層も楽しめるのが後者だ。完全に能力依存のゲームが一般にウケないということは、そこかしこで言われている。

 

冒頭の問題は、カードゲームをアブストラクトゲームに近い位置にジャンル分けした場合に生じてしまうものだと考えている。なぜこのような現象が起きるのだろうか。

カードゲームでは、プレイスタイルによっては各プレイヤーの持つ情報が対称に近い状況を作り上げることができる。最も簡単な方法は、クリーチャーを主戦力として戦うデッキを選択することだ。

クリーチャーで戦うためには、それを戦場に出す必要がある。ほとんどのクリーチャーはその後召還酔いを経てアクティブな状態へと切り替わる。使用するカードを予め公開してから攻撃に移るまでの猶予によって、幾ばくかの情報対称性が生まれる。冒頭のような悪態を吐くプレイヤーには、クリーチャーデッキを好んで使うプレイヤーが多いと感じているが、恐らく原因はこのあたりにありそうだ。

クリーチャーデッキの使用者は、カウンターストラテジーとして用意されているコントロールデッキに対してネガティブな印象を抱きやすい。コントロールデッキにはこの記事に書かれているような特徴があり、勝利手段のプレイまで凌ぐ方法は除去やカウンターなどのスペル使用が主である。スペルには採用のリスクとして効果が局所的に設定されている。プレイアブルであれば及第点のクリーチャーと比較して、スペルは相手の脅威を的確に取り除けるものを引いていなければならない。クリーチャーデッキの使用者がコントロールデッキを非難するためのそれっぽい理由を繕うとき、これらの特徴が槍玉に挙げられやすい。つまり、特定のカード、すなわち「遅いゲームの勝ち手段」への依存度が高く、さらに引きへの依存度も高いといった内容だ。

このような特徴は、クリーチャーが攻守共に役割を担え、定着すれば永続クロックとしてアドバンテージを稼ぎ続けることと引き替えに情報アドバンテージを失っているのと同様に、汎用性と永続性を犠牲にして得るアドバンテージである。どちらが正しいというものでもない。それにも関わらず、カウンターデッキを嫌うあまり盤面のやり取りありきだとか、偶然性に依拠するデッキがしょうもないだとか、ゲームに対する歪んだ認知を生んでしまっている。

 

昔はもっと盤面を使っていただとか、偶然性が低かった、だから今より楽しかったなどという主張もある。そのプレイヤーがそう感じていたことは否定しないが、実際の環境がその印象に即していたかどうかは別の問題である。

ゲームはもちろん時代に合わせて変化しているが、変化しているのはプレイヤー自身もまた同じだ。属しているレート帯も異なれば、自身の習熟度も異なる。偶然性に対して不快感を抱きやすいのは、ゲームに飽きているとき、あるいはゲームの練度が上がったときが多い。

強く惹きつけられる魅力があれば、偶然性によりもたらされる結果など些細なものだ。人の視点がフラットであることは稀で、ネガティブな部分に目が向くというのはそのような方向の先入観に引っ張られている。

ゲームの習熟度が低いときは、偶然性は自分の勝利に味方する。この段階では理解が浅いため、勝因を正しく分析することは難しいだろう。ある程度習熟し、自分の力で結果を得られるようになると、味方であった偶然性が自分に牙を剝くケースが出てくる。理解度が上がり偶然性の存在をはっきり知覚できるようになった頃には、それは既に敵になっている。よって、一意に不要なものとして認識してしまう。

 

これには少しばかり裏付けがある。実装前はもてはやされた旧環境再現モードが、実装後間もなく見向きもされなくなったゲームの存在だ。環境は既に研究されていたためメタの固定化が早く、環境はコンボデッキによって支配された。「偶然性が減り運ゲーがましになる」と期待されていたゲーム体験も蓋を開ければ彼らにとってそれほど面白く感じないという結果になった。このモードには別の欠陥がある、という主張もあるが、これは面白く感じない要素がいくつかあっても十分楽しめるということを物語っている。結局はユーザーがどこまで譲歩できるか、どう捉えるかに依る。

 

受けの広い作品を作るためには、パレート最適点を見つける必要がある。恐らくこれはかなり困難で、開発の選んだ点が必ず正しいわけでもなければ、開発と反対の点を主張するユーザーが正しいわけでもない。膨大な要素を俯瞰する必要があり、主体となっている我々ユーザーには到底及ばないところにあるだろう。

 

この文章は、私の見聞に基づいて書き進めた。ターゲットはぼんやりしているし、ターゲット層がこの記事を読むとは思えないのでざっくばらんに書いたつもりだが、何かに訴求したいわけではなく、頭の中の抽象的な思考を文字にしてみたまでである。普段と違って文字に起こすのに苦労したし、切り貼りしながら作成したため接続が上手くない箇所もある。これからのゲーム体験の中で、そのあたりの彩度が上がっていくのが楽しみだ。

ネオンアーケード7連4勝 黒単ミッドレンジ

現在開催されているカードスタイル収集イベントにおいて、最大効率である7連続4勝にてスタイルをコンプリートすることができた。一過性の攻略記事は好まないのだが、好成績を残せたことに加えこのイベントに苦戦している層もいるようなので、そういった層にこのような記事が届くのか興味が湧き、試しに書いてみることにした。

このイベントはカード資産が増えるタイプのイベントではなく、サプライを好んで集めるプレイヤーに向けたイベントなので、カード資産に困っておらず余裕のあるプレイヤーにとって参加しやすいものになっている。カードゲームでは、戦績に比例した報酬を設定することで競争を促す構造になっていることが多く、それはMTGAも例外ではない。このため、資産に余裕のあるプレイヤーとはすなわちプレイスキルの高いプレイヤーである確率が高い。よって、この記事の内容は使用デッキ掲載と簡単なコメントの記載のみにしたいところだ。しかし、実際にイベントに参加した手応えとしては、必ずしもそうであるとは言えないように感じている。ターゲットとする読者層がぶれてはしまうが、前提知識のような部分も少し紹介しておこうと思う。

 

デッキリスト

Mono Black Midrange - Neon Arcade • Decks • MTG Arena Zone

ここで紹介されているリストをそのまま使用した。スタンのメタゲームチャレンジの時に既に黒単を作成していたため、それを流用して組んだ。雰囲気は若干遅めのミッドレンジで、コントロールデッキとも呼べそうだが、掲載元ではミッドレンジとして紹介されているため名称はそれを踏襲した。

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基本

アドバンテージ - MTG Wiki

基本的に、この記事に書いてある考え方に基づいてゲームを作っていく。もう少し突っ込むと、テンポを気にかけながらカードアドバンテージを稼ぐプレイを心がける。

リンク先にも書いてあるのだが、テンポを気にかけるとは、1マナのクリーチャーに2マナの除去を打たないようにするといったような事である。もちろん例外は多々あり、放置すると延々アドバンテージを稼がれてしまうシステムクリーチャーのようなカードにはテンポなど気にせず除去を切る。テンポの概念はあくまで迷ったときの意志決定指針として使いたい。

カードアドバンテージを稼ぐとは、カードをドローしたり、1枚で相手のカード複数と交換したりすることを指す。並んだ相手クリーチャー達を全体除去一枚で対処するといったプレイだ。近い将来全体除去を打つことが確定している場合、自分のクリーチャーが巻き込まれカードアドバンテージを失うことを避けるため、自陣は展開したくない。しかし、あからさまに展開を緩めると、相手が感づいてAoEをケアしてくることが考えられる。気取られない程度に展開しつつ、損害を小さくしながら相手の脅威を釣って全体除去に巻き込むようなやりとりを進めていき、ゲームを自分のペースに持ち込みたい。

ポイント等

アップキープに動くなど、トリッキーなプレイはあまり求められない。マリガン基準はかなり緩く、2Tに動ける手札を及第点に、3Tから動ければ妥協可能という感覚で手札を整える。宝物を出すことにこだわりすぎる必要もないし、テンポスイングを起こせそうなタイミングで雑に宝物を使っても問題ない。

何もしていない状態であれば、腐乱トークンでアタックしてからトークンが破壊される前にインスタントを唱えるタイミングが入らないのだが、フルコントロールにしておけば破壊前にインスタントで割り込むことができる。『命取りの論争』の他にも、『波止場の料理人』や『スカルポートの商人』のようなカードのサクリファイスコストを払う際にも使えるため、知っておいて損はないテクニックだ。戦闘時のフェイズ以降が激しく、ただフルコントロールにしておいてもすぐ外れてしまうので、確実にサクりたい場合は「shift+enter」を利用するとよさそうだ。

私の周回では、対戦相手は思い思いのデッキを持参しており、特定のデッキに偏っているといった印象は受けなかった。白単や赤単のようなデッキが若干きついので、アグロに対応できそうな手札から始めるのもいいかもしれない。

ヒストリック アゾリウスロータスコントロール

以前は主にジェスカイコントロールを使用していたのだが、『渦巻く知識』『記憶の欠落』が相次いで禁止されたことにより、青白系のコントロールデッキは一時第一線から退いた。それに合わせて私も主戦場をスタンダードに切り替えていた。

しばらくして、アルケミーの実装に伴い、白には『神聖な粛清』という強力なAoEが与えられた。これを契機に青白系コントロールデッキが再び現れており、当時からメタも動いていたためヒストリックに戻ってみることにした。

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『睡蓮の原野』型

現在、青白コントロールには大別して2つの型がある。一方が『睡蓮の原野』を採用している型だ。

この型は、マナアドバンテージを武器に戦う。『日没を遅らせる者、テフェリー』通称4テフェ、『ドミナリアの英雄、テフェリー』通称5テフェの忠誠度能力により、『睡蓮の原野』を起こすことでテンポアドバンテージで差をつけることを狙っていく。特に5テフェは、起こしたマナを使うための手札供給もできる万能型のプレインズウォーカーなので、このカードのプレイ及び定着をひとつの目標にしてゲームプランを組み立てる。

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このデッキを『もみ消し』及び『厳しい試験管』により『睡蓮の原野』のコストを踏み倒すコンボデッキと捉える解釈もあるようだが、このデッキの本質は前述の通り『睡蓮の原野』の再利用によるマナアドバンテージの形成だ。これらのコンボはいわば上振れルートとして用意されているだけで、必ずしもこのルートを通る必要はない。

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問題はコンボの可不可ではなく、むしろコンボ用のカードに構築のデッキスロットを多数割かなければならないことにある。『もみ消し』はアドバンテージを稼ぎにくいカードなのでコントロールデッキに採用したいカードではないし、『厳しい試験管』も有効に機能するシーンが限られている上に、相手の『睡蓮の原野』や『死の飢えのタイタン、クロクサ』など、プレイすることに裏目が存在するためピーキーなカードだ。本来はより汎用性の高いカードや、必要なカードを引き込むためのサーチカードに枠を割きたいところである。

ただ、構えるデッキにしばしば起こる、手札読みにより防御札を上手くかわされてテンポ損する展開を、膨大なマナ供給によって攻守を両立する形で回避できるのがこのデッキの大きな強みとして挙げられる。『もみ消し』、試験管どちらも上手く使えば相手のプランを崩すことができるカードなので、環境次第で『睡蓮の原野』型を選択するのは十分ありな選択肢だと思っている。

 

プロトタイプ

私の使用しているリストはすべて配信者のZan Syedのものに調整を加えたリストだ。

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これが一番最初に触ったロータスコンのリストである。やりたいことがすぐに理解できるいいリストだ。もとのリストでは、テフェリーは2枚ずつの採用だったのだが、5テフェがフィニッシャーであることと、『時を解す者、テフェリー』通称3テフェに特段魅力を感じなかったことから枚数を調整している。使い勝手は悪くなかった。

神河リリース後

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新弾から、『放浪皇』が採用されている。トークンを出すカードはすでに『サメ台風』があり、役割が被っているのだが、追放除去がイゼットフェニックスをはじめとする墓地利用系デッキに機能するため、私も採用することにした。もとのリストでは『記憶の氾濫』が抜かれ、『放浪皇』が4積みされていた。しかし、マナアドバンテージで勝つというコンセプト上、『記憶の氾濫』のようなリソース回復系カードは手放せないと考え、上のようなリストにまとめた。『放浪皇』は目立った活躍こそないもののいぶし銀な働きをしてくれていると思う。

黒力戦の採用

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今までのリストに比べ、墓地対策がかなり厚くなっている。リストを持ってきたのみで、作成意図を確認できていないのが残念だ。

面白そうなリストだが、自分で回すなら調整を加えたい点がいくつかある。

ひとつ目は、4テフェを採用することだ。再三書くが、このデッキはマナアドバンテージを武器に戦うことを考えて組まれたデッキだ。方法は、ロータスを何度も起こすことである。その手段であるテフェリーを抜くのは、デッキコンセプトを崩しているように感じるため、『放浪皇』と入れ替えで4テフェを採用したい。

『残骸の漂着』も、テフェリーでマナを起こした後の防御手段として優秀なカードなので、4テフェを戻すことでこのカードの役割も増える。4テフェはメインでマナを起こせるため、AoEはインスタントである必要はないが、速攻クリーチャーなどにも対応できるようになるため『神の怒り』などとの差別化はできる。

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ふたつ目は、墓地対策の枚数だ。どのような使い分けをするのか分からないが、ぱっと見た印象では6枚積むゲームが想像できない。せいぜい4枚あれば十分だと思うので、残りをリソース回復カードにしてデッキの回りを速めたい。

 

純青白型

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もう一方は、ロータスを採用しない純正の青白コントロールだ。コンボパーツに枠を割かれない分、汎用除去『冥途灯りの行進』、有効牌のサーチ手段『覆いを割く者、ナーセット』といったカードを搭載する余裕があり、安定感のある試合運びが可能だと思われる。こちらは配信でプレイされているのを眺めるのみで、自分で触ってはいないため詳しく述べることはできない。

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ロータス型ではスローランドの採用リスクが比較的高かったが、こちらには問題なく積むことができ、マナ供給も安定していると思う。5テフェ着地後に防御手段を用意しづらい(ロータスに比べて起こせるマナ量が少ない)ため、カードを切るタイミングはシビアになっている。

マリガン、ゲーム展開

マリガンは、青い土地が2枚あればまあまあなスタートを切ることができる。3Tの『大魔道師の魔除け』プレイがひとつの目標だからだ。2枚の中に島が含まれていると文句がない。場の島を参照してアンタップインになる土地が5枚存在するためだ。

『神聖な粛清』とセットであれば、土地が白くてもキープできる。アグロ相手には必要なカードだし、コントロール相手には多少序盤もたついても大局に影響は及ぼさないからだ。こちらも平地が含まれていることが望ましい。チェックランドが起きるため、青マナの供給にも影響を及ぼす。

青土地 + 『もみ消し』 + ロータスは、リスクを考慮した上でキープしてもよい。サイド後は特に打ち消しやハンデスが増えるため、序盤のルートを複数用意しておかないと容易に負けうる。

確定でマリガンするのは土地1枚以下の手札くらいだろうか。サイド後は相手のデッキが分かっているぶんマリガン基準が厳しくなる。不要牌が減っているため外れ率も少ないだろうから、積極的に手札の質を求めていきたい。

 

展開は比較的分かりやすく、ロータスの着地を狙いながら序盤戦を凌ぎ、テフェリーの着地をきっかけにマナアドバンテージによって相手を突き放していくような形になる。

4テフェ + 『神聖な粛清』、5テフェ + 『サメ台風 x = 2』などは勝ちパターンとして覚えておきたい。プレインズウォーカーをインスタントスペルで守りつつ、カードアドバンテージを稼いで勝つ。

ロータスのコストを踏み倒していれば膨大な量のマナ供給が可能になるため、『ヴァントレス城』のためにアップキープにフルコントロールを入れておくのは重要なテクニックだ。5マナ立っていれば全てのトップをプレイ可能なので、そのあたりを目安にアップキープ占術を視野に入れたい。

『運命的不在』はその性質上、メインで打つとテンポ損をしてしまうリスクがある。もちろんメインで打つ理由があれば別だが、基本的には相手のドロー前アップキープに打つ癖をつけておきたい。