ハースストーン Tips

A Note on the Hearth

ハースストーンプレイヤーの備忘録

reddit和訳

元記事

 

リザードは闘技場に抱えている宝石を無駄にしている

 

闘技場がその史上最低の状態にあることは隠すまでもない。多くの配信者が闘技場をやめ、視聴者数も減っている。HSReplayに記録されるゲーム数は少なくなり、マッチングにかかる時間も非常に長くなった。

闘技場が楽しく健全で人気のモードであって欲しいと切に願ういち大ファンとして、闘技場が下火になった理由とそれを修正する方法に関するこの記事(めちゃ長い)を書いておくことは有用だろうと思っている。

 

 

1:私の経歴と闘技場を好む訳

 まず、私自身の経歴について少し。

1995年から不定期に、かなり競技的なレベルでマジック・ザ・ギャザリング(MTG)をプレイしていた。全てのフォーマットをプレイしていたが、一番好みだったのはいつもブースタードラフトだった。知らない方のために、簡単な説明を書こう。

テーブルに8人着く。各々15枚入りカードパックを3つずつ持つ。各プレイヤーは同時にパックを開け、1枚カードをピックしそのパックを左の人に渡す。それから皆渡された14枚のカードから1枚取り、また左の人に渡す。パックから全てのカードがドラフトされるまでこの過程を繰り返し、他の2パックを使って同じ事をもう2回する。終わると、各プレイヤーはデッキを構成する45枚のカードを持っている。そうしたら皆で8人制トーナメントを行う。

ブースタードラフトはほぼ確実にハースストーンの闘技場にインスピレーションを与えている。この記事で闘技場について議論する中で、しばしば私はMTGとの比較を用いる。なぜならこのゲームは長期に渡り成功しており、また健全でサポートが行き届いているリミテッド(ドラフトとシールド)が闘技場に似ているからだ。

 

私はハースストーンがリリースされた少し後に結婚し、MTGをプレイしたりトーナメントのために旅行したりすることが少なくなった。そのためより多くの時間をハースストーンに費やすようになった。

友人に闘技場(ちょうどプールが基本カード、クラスカード、ナクスラーマスだったとき)をやってみるように勧められ、私はその簡単さ、煌めきに圧倒された。ブリザードは、自宅で自分のペースでプレイできるブースタードラフトの楽しさをシミュレートする方法を見つけたのだ!

私は依然たくさんの興味深い選択をし、望み通りデッキを組むことができたが、たった一度のドラフトに4時間もかける必要も、8人のいいグループを集める必要もなくなった。時間が空いた時あちこちで数戦程度プレイすることが可能になった。

ゲーム展開は多岐に渡り、面白く、技術も試され、私はもっと勝ちたいという気持ちやもっといいデッキを使っているうまいプレイヤーと戦いたいという気持ちが大好きだった。

私は与えられたデッキにうんざりしたことは一度もない。なぜなら各周が終わるとすぐに新しいクラス、新鮮なカードを選べたからだ!ドラフトは非常に楽しく、ゲームをプレイするのも最高だった!

 

 このときから、私のハースストーンをプレイする時間のうち90%が闘技場に費やされるようになった。私は1000周近くプレイし、プライベートが忙しくなかったときは何度かリーダーボードにも載った。自己最高記録は2019年1月の11位だ。

私はLightforgeのポッドキャストを定期的に聴いており、ArenaHSのsubreddit*電子掲示板でいうスレッド*を毎日チェックしている。ハースストーンと闘技場が大好きだ。

 

2:闘技場が栄えた理由

最高の状態だと、闘技場はわくわくするダイナミックなゲームモードだ。毎試合が異なり、いつも1000種近くの自分がプレイできるもしくは相手にプレイされるカードがある。

小さなカードの集合によってプレイする構築とは異なり、ゲーム内のほぼ全てのカードでプレイすることで、面白く楽しいシナジーを見つけることだろう。

成功するためには、異なる軸でうまくやる必要がある。

デッキ構築とプレイング両方に長けている必要がある。最低でも5,6クラスをプレイできる必要がある(おそらくもっと)。9クラス全てを相手にでき、相手がプレイしてくるだろうたくさんことを知っている必要がある。楽にアグロ、ミッドレンジ、コントロールを使える、もしくはこれらを相手にプレイできる必要がある。たくさんの異なるカードの組み合わせについて知っており、相手がデッキでしようとしていることを把握しながらすぐ対応できる必要がある。

より高いレベルで成功するには、メタゲームや、どのカードもしくはクラスを上位でよく見るか知っている必要がある。

怒れるエティンが2週間前までかなり強かったのに、今(現在のプールではないため現在の”今”ではないが、いいたいことは分かるだろう)は至る所にバーリー・ショベルフィストがいるため弱いことを知っておかなければならない。そしてメタが速すぎてショベルフィストをピックできない時を知っておかなければならない。

2ドロップをたくさん取らなければならないときと、そうでもないときを知っておかなければならない。

 いいデッキであれば10勝以上できなければならないし、デッキが噛み合わなかったときは4,5勝をひねり出す方法を見つけ出さなければならない。

闘技場で成功するためにはこれらのスキル全てが必要だが、経験を積むことでこれらのスキルは得られる。

 

ひとたび一周を始めれば、闘技場はpay-to-winではない。より多くのコレクションを所持していることや、拡張リリース翌日に全ての新カードをコンプリートしていることはなんのアドバンテージも生まない。

もちろんいいカードをピックできるプレイヤーもいるが、それは時間が経つとともに平均化され、皆が平等な舞台でスタートする。

 

リザードにはまた、全てのクラスが使えるように、クラス間の勝率を整えるすごい手段("microadjustments"*微調整*と呼ばれるものを使用して、特定のカードのレートを少しずつ調整すること)もある。ブリザードがこれを使ったとき、その結果は素晴らしいものだった。クラス間バランスは非常に均衡している(執筆時点で、HSReplayで8クラスが51.8%~45.2%の間で勝率を記録している)。9クラス全てを対戦相手として対峙する可能性があり、このことはバランスに加え多様性と興奮をもたらす。

 

3:ブリザードが闘技場を台無しにした様

この章全体での共通テーマは、ブリザードの注意の欠如である。失敗のほとんどは、あまり時間を費やされなかったであろう事による怠慢から生まれた産物だ。

 

リーダーボード-

2017年1月に、ブリザードは毎月闘技場のリーダーボードを公表することを始めた。早急に形式(30周単位で最も高い平均勝利数)を設け、それは大成功した!

特段ゲーム内報酬はなかったが、それでも何かがプレイヤーを突き動かした。平均をよくしていってリーダーボードに載るのは素晴らしかったし、過去に載ったことのあるプレイヤーと戦うのも最高だった。時々特別なイベントのリーダーボード(例えばハロウェンド)が用意されることもあった。

それからフォーマットがスタンダードの代わりに2ヶ月ごとのアリーナ固有のサイクルに切り替えられたとき、2ヶ月ごとに一度リーダーボードが公開されるようになった。しかしその後、なんの前触れもなく、リーダーボードの更新は途絶えてしまった。

2019年6,7月シーズン以来、リーダーボードの更新はなくなったが、なぜかは誰にもわからない。代わりのもの、理由、状況の説明、連絡はなにもない。RedditTwitter、公式フォーラムでブリザードの運営に問い合わせてみたが、運営は通信が途絶えたかのように沈黙した。私からすれば、これがブリザードの最も悪質な罪だ。

 

バケット-

2年ほど前、ブリザードバケット制を使ってカードを提示することを見事に決定した。これはドラフトに複雑さと意志決定において別の一面をもたらした。質の異なる3枚のカードからピックするのではなく、様々なバケットまたはティアにカードを設定し、ひとつまたは隣り合う二つのバケットに含まれる3枚のカードから選ぶのだ。

最も上位のバケットには質が高く完璧なカード(フレイムストライク、ヴァイルスパイン・スレイヤーを思い浮かべてみて)があり、最も下位のバケットにはあまりよくないカード(アラームロボを思い浮かべて)がある。それでも何回かは択のないわかりきったピックがあったが、一度のドラフトで15~20回くらいのピックはそれぞれ違った面で活躍する三つのカード群から選ばなければならなかったのだ(地獄の炎/凄まじき焦熱の悪鬼/魂抽出の択を想像してみて)!

これはやりがいがあり、技術が試され、まさに自分が組みたい通りにデッキを構築することができた。全てのドラフトで、デッキの型や完成度に大きな影響を及ぼす苦しい決断を何度か強いられた。3枚のカードが全てランダムで、ドラフトにおける悩ましい決断が比較的少ない今日のドラフトシステムとこれを比べてみてほしい。

最近のGrinningGoatの配信からいくつかドラフトの例を挙げよう。

*画像を添付したかったのですが、原文には添付されていない上に量がかさむので割愛します。適宜調べて頂ければ幸いです。*

大魔術師/ボーンメア/躯の駆り手

ヒポグリフ/暗黒の予言/バナナバフーン

熱狂的闘技場ファン/アマニの戦熊/ブック・ワーム

熱狂する火霊術師/双暴帝/美味しいマロバルーン

面白くもないし楽しくもない、技術介入の余地もないピックばかりだ。

 

しかしながら、バケット制の実装には二つの大きな欠点があった。

ひとつめは、サイズの一致しないバケットがあまりにも多くあったことだ。ブリザードは、14種類の異なるバケットを使うシステムを用意することにした。それは、うーん、意欲的だったとでも言おうか。一部のバケットには、クラスによっては3枚のカードしか含まれていなかったため、ドラフト中に何度も何度も同じ三択が提示されることがあった。下から二つのバケットには優に100枚を超えるカードが設定されていて、滅多に提示されなかった。

バケット制採用の決定により、実際に提示されるのはカードプール全体の中から一部のカードだけになり、デッキが全部同じように感じられるという不満が増えた。これはまさしくバケットサイズの不均衡によりもたらされた結果だ。

ふたつめは、いくつかの拡張セットで、カードの最初のバケット割り当て作業(拡張リリース時に各カードが入るバケットを決める)を担当していた者は皆、闘技場のカードを評価する方法についてほとんど考えていなかったことだ。例えば、ナイトプロウラーは当初(14あるバケットのうち)上位ふたつのバケットのどちらかに置かれていた。3マナの時の召術師の招来は12番目のバケットだった。奇抜な書記官はあまりに低く、8-10バケット辺りに置かれた。

正しく導くのが困難な事は明白だが、これらのカードを使ってきちんと闘技場をテストプレイしていれば、これらの評価が極めて不正確であることがわかり、少なくとも適切なバケットに近いところには設定できただろう。

バケット制がないことを望むプレイヤーもいるが、私はほとんどの優れたプレイヤーが、バケットがゲームにとってとてもいい影響を及ぼすことを理解してくれたと思う。バケット制はドラフトのばらつきを軽減しながら、技術介入余地、難しい選択を加え、自分のデッキをどのように構築したいかをしっかり考えられるようにした。

もう少し調整を加えれば、バケット制は本当に傑出したものになっていたかもしれない。しかしながら、調整を行うのではなく、ブリザードは元に戻ってバケット制を全て廃止することにしてしまった!IksarHS*アヤラ*がこの変更について説明した理由の一つはこれだ。「バケットを廃止するメリットのひとつは、強さの段階を設定するための予備のバケット調整用パッチが必要ないため、微調整パッチをより速く当てることができることだ。」

ソース:

https://www.reddit.com/r/ArenaHS/comments/cqxmvk/psa_rebucketing_has_occurred_no_official/ex5f8ix/

 

微調整の欠如-

 振り返って考えると、上記の引用は滑稽だ(そして気が滅入る)。なぜなら、ブリザードはその後適宜差し迫るものに対して微調整をすることをやめてしまったからだ。1年前は、ブリザードの調整は時宜を得ていてかつ効果的だった。今では調整はまばらだ。

リザードはクラス間勝率を均衡させるための抜群に機能するすごいシステムを持っており、それを使うだけでいい。

コボルトと秘宝の迷宮リリース時、呪文石、側面攻撃、その他いくらかの強力なカードのおかげでハンターが環境を支配していた。ハンターの勝率は一日で56%以上にもなった。ブリザードが即座に対応を行うと、一週間も経たないうちにハンターの勝率は落ち着き、9クラスは全てが均衡し、全ヒーロープレイできるレベルになった。

2ヶ月前に激闘!ドラゴン大決戦がリリースされたとき、クラス間バランスは恐ろしいものだった。プリーストの勝率は40%を下回っていたのだ!!本当に使えるクラスは3~4つのみ(探検同盟側)で、ハンターとドルイドが特に高い勝率を示し、残りはひどいもののような気分がした。メタは不均衡で、いくつかのクラスはノーチャンスであるかのようにさえ感じた。バケット制についてあのようなコメントがあったにも関わらず、ブリザードは微調整を行うのに優に一ヶ月以上もかけた。この期間は、ゲームをプレイしても退屈で、バランスが取れていなかった。ブリザードはこの期間中、いくつかの迅速な対応を行った(発表数日後にはドラゴンモーの密猟者をきちんと制限した)が、なぜだかこの変更を行うのに一ヶ月以上かかった。かつては数週間ごとに一度微調整が入り、メタは釣り合い、新鮮であり続けたが、現在は二ヶ月に一度の頻度になっている。

 

テストプレイの不足-

危ない橋を渡る覚悟で述べると、私は闘技場の変更が適応される前に、ブリザードが闘技場変更のテストプレイを全く、しても少ししかしていないだろうと推測している。

例を挙げると、拡張セットリリース後一週間もしないうちにドラゴンモーの密猟者が制限された後、数週間経って別のものが変更された際、ドラフトでなぜか密猟者が再び出現した。説明も何もなく、ただ再びドラフトできるようになったのだ。

提示されるカードについて、最後に少しでもテストプレイしていれば、このミスに気づけていただろう(もし何回か闘技場を回していれば、ブリザードは密猟者がどれほどばかげていて面白くないか、それが初めから闘技場で提示されるべきではなかったことに気付いただろうと言いたいが、それは言っても仕方ないことである)。

凍てつく玉座の騎士団が初めて登場したとき、ドラフトには提示されていなかった数枚のカード(おそらく7枚)があった。redditユーザー(多分Tarrot)がこれを指摘すると、修正された。

何年か前、シナジーピック(知らないなら聞かない方がいい、恐ろしいものだった)が提案されたとき、方々から叩かれ、すぐになくなった。発想はよかったのだが、選ばれたカードがひどく、もしブリザードがこの変更の実装前に実際に数度ドラフトを試していれば、よくなかったことに気づけていただろうと思う。

ここでの共通テーマは、質の管理がほとんどなされていなかったということだ。

 

プロシーンの欠如-

私の知る限り、今まで闘技場のプロ制度や学校対抗試合はなかった。MTGは、リミテッドが全てのプロツアーイベントに含まれている。ハースストーンがリミテッドモード(闘技場やシールドデッキ、そのようなもの全部)を加えることができないことがあるのはなぜだろうか?きっと闘技場に大きな関心と興奮を寄せることができるだろう。

 

トップ画面-

小さな変更だが、ブリザードはハースストーンを開いて一番最初の画面から闘技場を移してしまった。今は「特殊モード」の中にある。

もちろん、バトルグラウンドの隣に位置することは今のところ悪くはないが、闘技場コミュニティに属する多くのプレイヤーにとって、酒場の喧嘩が残っているにも関わらず闘技場がメインページから移されたのは、顔に平手打ちを食らったようなものだ。

 

 コミュニケーションの乏しさ-

リーダーボードに関するコミュニケーションが完全に欠けているのに加えて、ブリザードが関連する情報を提供していないその他の問題もいくつかあった。

新しい拡張セットがリリースされると、過去に時々(いつもではないが)あったように新しいカードに提示されやすいボーナスはつくのだろうか?もしつくなら、提示ボーナスはどのような形なのだろうか?

しばしば何の知らせもなく微調整やその他の調整が行われることがあった。現在(執筆しているのは2020年2月20日)、いつもの闘技場のローテーションが行われる時から一週間以上経っているが、どの新セットがローテーションされているか、ローテーションがいつ起こるのかすらわからない!パッチノートやブログの投稿なんかに簡単に書き込めそうだが、私たちは知ることができていない。

 

4:ブリザードが闘技場をもう一度栄えさせる方法

・リーダーボードを戻すこと。リーダーボードに載ったプレイヤーに対してなんらかのゲーム内景品を含めてもいいだろう。カードバックなんてどうだろうか?

 

・定期的にクラス間バランスを整え、その状態を保つための計画を用意すること。ブリザードはバランスを均一にするためのすごいシステムを備えているのだから、使うべきだろう!

 

・ドラフト中の意志決定を増やすために、バケット制を戻すこと。バケット数を減らし(私は詳しくないが、5個か6個あたりがよさそうだと思う)、それらに大体同じくらいの量のカードを振り分ける。新しいセットが入ってくるときどのようにカードをバケットに分類するかを決める専門家を用意する。

 

・関心を高めるため、もっと多くの闘技場イベントを開催すること!かつて準定期的にいくつかのイベントが開催されていた。時をかける酒場、ワイルドフェスト、皆が1-0つまり一勝得た状態でスタートした妙なイベント。

皆にもっと入場券を配るといいだろう(新しい拡張セットごとにひとつずつでもいいかも、そうすればもっとイベントや新ローテーションにわくわくしてもらえると思う)、あとは皆にもっと宣伝するのもいい。ガラクロンドの目覚め全てが購入可能になる数週前に、闘技場で全部が使用可能になったとき、皆この絶好の機会を逃してしまった。これが意図的なものなのかは知らないが、皆に知らせてアリーナプレイヤーに新しいカードを早期にプレイしてもらうのはすてきなことだったろう!

闘技場専用クエストだとかもいいだろう。闘技場で1勝するとか、3回闘技場で戦うといったようなものだ。酒場の喧嘩やソロプレイモードのクエストがあるのだ、闘技場のクエストがあってもいいのではないだろうか?

 

・ハイレベルなトーナメントで闘技場やある種のリミテッドモードのイベントを実装することを考え始めてみること。プロや人気のあるプレイヤーがもう一度ゲームに熱くなってくれることだろう!

 

・闘技場のプレイにおけるゲーム内戦績を表示するようなものを実装すること。バトルグラウンドでは一ヶ月足らずで実装された。闘技場は6年以上そのままになっている。

 

5:考えられる反論への応答

「なぜブリザードが闘技場に労力をかけなければいけないのだろう。全く利益にならないのに!」

 

まず、酒場の喧嘩とバトルグラウンドは頻繁にアップデートされ、明らかにブリザードを一文無しにしようとしているため、この異論は無意味だ。

 

二つ目、この異論は誤っている。ほとんどのプレイヤーは無限アリーナあるいは実質無限アリーナをすることができない。ほとんどのプレイヤーは3万~5万ゴールドも蓄えていない。平均は一周につき3勝をわずかに下回るくらいで、7勝を超える周の割合は少しだけである。ユーザーにとって闘技場のプレイのほとんどがゴールドの無駄遣いということである。ユーザーの所持ゴールドが少なければ、おそらく直接パックを買うことになるだろう。

 

三つ目、関連する他の影響もある。私は闘技場を楽しめたので、二人の友人にハースストーンを始め課金することを勧めた。しかし今では誰にもこのゲームをおすすめしていない。他にも私のような人がいる。

 

さらに、闘技場を収益性の高いものにする方法を見つけるのはブリザードにかかっており、私はブリザードがそれをできると確信している。ウィザーズ"MTGの運営"MTGやMTGArenaでこれを成功させた。

 

「ブリザードが闘技場を気にかけるだろうか?誰も闘技場なんて眼中にないし観たいとも思わないのに!」

 

Krippの闘技場配信にしばしば1万人以上の視聴者がいて、全ハースストーン配信の中で一番人気だったのはさほど昔のことではない。

昨年、Twitch Rivalsが運営する大金が懸かったイベントがいくつかあり、わくわくさせられ、魅了され、大人気だった。多くのトッププロや配信者がイベントに参加したため、視聴者の興奮は高まっていた。市場があるのは明らかだ。

 

「闘技場はランダム性が高すぎて、真剣にも競技的にも取り組むことができない。」

 

ランダム性は伴う(構築や、他のカードゲームと同様)が、闘技場でうまくいくためには、デッキ構築力とプレイング力どちらもかなり必要になる。基本的にカード単体やコンボはミスを帳消しにするほどのパワーを備えていないため、プレイヤーの下す決断はマイクロスキル、マクロスキル両面で作用する。

 

MTGはここ数年全てのプロツアーイベントにブースタードラフトを組み込んでいて、ほとんどのプロプレイヤーはたくさんドラフトをすることが全体的な技術を向上させる最良の方法であることを示している。

加えて、闘技場がそんなにRNGにまみれているのであれば、毎月同じ人がいつもリーダーボードの上位にいるのはなぜだろう?トッププレイヤーはどうやっていつも素晴らしい成績を残しているのだろうか?

 

その上ブリザードは闘技場よりも酒場の喧嘩により注力しているが、酒場はRNGだらけだ。

 

「ブリザードは闘技場向けにカードをデザインしているのではない。」

 

いや、もちろんブリザードは闘技場向けにカードを作っている。毎セットには、明らかに構築のためにデザインされたわけではないカードが混ざっている。間違っているかもしれないが、ヒポグリフ、ブラックワルド・ピクシー、フィッシュフリンガー、ロウソク盗リャー、元チャンピオンといったカードは、あまり構築でプレイされることを考慮しているようには思わない。これらは闘技場をよりバランスの取れた楽しめるものにするためにデザインされたマナカーブを埋めるカードであり、真剣に構築をやっている人の中には、これらのカードがどういう効果なのかすら分からない人もいるだろうと私は思っている。闘技場は小さなおまけモードではなく、(ほとんど)全部のカードをプレイできる場なのだ!

 

まとめ

このトピックに関する私の長い文章を読んでくれてどうもありがとう。私は闘技場が大好きだが、過去6~12ヶ月間に渡って起こった変化に大変がっかりした。

私はハースストーンをプレイし続けていて、今まで以上にこのゲームに関して気にしていると分かっているし、このような状況にいるのが私一人だけではないことも知っている。闘技場が信じられない可能性を秘めていることに気付いているが、ブリザードがなにもしないことに私は頭を抱えている。

私は闘技場をプレイしたり、それについて議論したり、読み物を読んだりすることに何千時間も費やしてきた。闘技場のためには最善を尽くしたいと思っている。

もう一度闘技場に興じてもらうためにそんなに努力する必要があるとは思わない。ブースタードラフトは長い間マジックのクリエイターによるカードの販売を促進し、プレイヤーを留め続け、マジックに楽しさをもたらしてきた。なぜハースストーンにおいて闘技場が同じようにようにならなかったかさっぱり分からない。コメント欄でみんなの考えやフィードバックをもらいたい!

 

長すぎて読めない人へ要約

 闘技場は素晴らしいモードになり得るが、今はそうではない。ブリザードは闘技場を驚くほどすごいモードにする術を持っているが、使っていない。悲しいなあ。

 

翻訳後記

お気に入りのラジオを文字興しするような感覚で取り組めました。

本編のみで1万字を超えていて、私の普段の記事の3倍くらいのボリュームです。ブログ3ヶ月分くらいの労力を使ったような気がします。

当初はふんだんに意訳し、読みやすく面白い文を目指すつもりでしたが、疲れてきて逐語訳が多くなってしまいました。原文で解釈が難しい部分を読む手助け、補完として使ってもらえたらと思います。お勉強のような訳し方をしている部分は、気が向いたら改めてみたいと思っています。

筆者の経歴の章から分かるように、筆者はカードゲームに非常に明るい人物のようです。読むだけでカードゲームがうまくなるような、深い観点で文章が展開されているように感じました。不満ばかりではなく、建設的な意見が羅列されていて、本当にハースストーンが大好きだということがよく伝わってきます。

この記事を投稿し、その翻訳記事の作成を快諾してくれたgregborish、この記事をツイッターで紹介してくれた方、そしてそのツイートを拡散してくれた方々に、このような機会を恵んでくれたことを感謝しています。